大谷選手、693日ぶりのマウンドへ
現地2020年7月26日、エンゼルス・大谷翔平選手が2018年9月2日以来となる693日ぶりの復帰登板を果たしました。
しかし、結果は皆様ご承知の通り。
連休明け、日本時間朝6時からのプレーボールだったがゆえに、ライブで打ちのめされた方も多かったのではないでしょうか。
0アウト5失点
大谷選手は打者6人に対して0アウト、四球3、シングル3、失点4で降板。変わったマット・アンドリーズがダブル・プレーを取った間にも大谷選手が出したランナーがホームインしたため、失点5、自責点5という厳しい復帰マウンドとなりました。
試合結果はアスレチックスが6−4で勝利したのですが、エンゼルスにとってはなおさら初回の5失点が悔やまれる結果に。これは投手として非常に悔しいでしょう。
ロスト・ベロシティー
サマー・キャンプからコントロールに苦しんでいた大谷選手。その後のブルペンでの投球も今ひとつ怖さを感じさせないのは、調整ゆえに80%ほどで投げているのかなとも思いましたが、今回の登板で腕が振れていないという事実が鮮明になりました。
コントロールにも苦しんだ今回の結果は、ロスト・ベロシティー、速度低下とも密接に関係がありそうです。
アベレージ92.7mph
この日、大谷選手が投じたのは全30球でしたが、ベロシティーのアベレージは92.7mph。
「あの豪腕が、93!」というふうに驚かれた方も多いと思います。Maxで94.7mph。十分に速い速度ですが、大谷選手のベロシティーではなかったです。
2018年のルーキー・イヤーではアベレージで96.7mphを誇っていたにも関わらずです。
アスレチックスも驚く
アスレチックスのメルビン監督はルーキーイヤーの大谷選手をよく知っているだけにかなり警戒はしていたようですが、事前情報通り、本調子でないことは投球練習のボールを見てわかったようです。「明らかに前の大谷ではない」と。
スイングスピードの低下と開きの早さ
今回の不調の原因を外に現われているメカニクスの面から見てみると、明らかに腕のスイング・スピードが遅く、そして”he’s flying open too early”、明らかに体の開きが早すぎるという的確な指摘をしている人がおりました。
まだ腕を振れない怖さがあるか?
上の埋め込みの動画を見ても2018年の方がパワーを貯めて一気に爆発している感がよく伝わります。2020年のフォームはやはりそれが出来てらず、その証拠に怖さを感じさせません。
強すぎる筋肉がむしろ怖さを生んでいるのか?
大谷選手はもとの才能に加えて努力家でもありますから筋力が鍛え上げられ、非常に強いです。強すぎるがゆえに、UCLを部分断裂したとも言えるでしょう。
トミージョン手術から約1年10ヶ月。これは推察に過ぎませんが、もとのように腕を一気に弾くことはまだまだ怖さがあるのではないでしょうか?もう無意識で守っているというレベルだと思いました。
そしてコントロールはその動きの中でのタイミングでもありますから、元の動きが出来ていない以上、やはりばらつきが出てしまう。逆に言えば、元の動きができれば、コントロールも安定する、そんなふうに思います。
正直、「ピッチング・コーチは何をしているんだ!」と思った次第ですが、エンゼルスのピッチング・コーチは今季からミッキー・キャラウェイ元メッツ監督が就任しておりました。結構、定評のある人ですが、ピッチャー全体の戦略を見るのが得意かもしれません。
次回登板はスキップ
こうなると大谷選手の次回のマウンドちょっと時間が必要な気がします。ベロシティーが戻る時イコール、コントロールも定まる時でしょうから。
ローテーションNO.3の順番に入っていた大谷選手ですが、次回登板はスキップすることが決定。そのスポットにはこの日2番手でマウンドに上がったマット・アンドリーズが入ることになりました。
なお、マット・アンドリーズはもともと力のある投手。この日は緊急登板だったにもかかわらず、非常によかったです。5.2イニングで被安打3、無失点。
やってくれるでしょう!
大谷選手はとても謙虚に見えます。しかし、「ちょっと、アメリカで大暴れしてやるか」くらいの豪胆な面も感じさせます。
よってそう遠くない時期に元の姿を見せてくれると信じております。
お読みいただき、ありがとうございました。
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