泥沼を救ったのはトップランクのルーキー右腕
現地2025年4月30日、コロラド・ロッキーズが勝ちました!!!
ロッキーズはこのゲーム前まで4月20日のナショナルズとのダブルヘッダーのGm2に勝利して以来、8連敗。それだけではありません。その勝利の前は4月10日のブルワーズ戦(7-2)でやはり8連敗を喫しており、3月は1勝3敗、4月はこのゲーム前まで3勝22敗(30日のゲームに勝ったので4月は4勝22敗)・・・もはや気の毒としか言えない状況が続いておりました。
そんなロッキーズを救ったのはPre-2025のプロスペクト・ランクで25位にランクされたチェイス・ドーランダー(Chase Dollander)でした。
STEM Dayで子どもから大声援!
この日のクアーズ・フィールドはSTEM Dayで子どもの来場者が多数。そしてその保護者達もおり、いつもより老若男女の幅広い層のお客さんが来場。観衆は29,661人を数えました。現状のチーム状態であってもこれだけお客さんが入るというのは大したものだと思います。
STEM Dayとは、「科学(Science)」「技術(Technology)」「工学(Engineering)」「数学(Mathematics)」の4分野(STEM)をテーマにした教育イベントで、主に子どもや学生を対象に、これらの分野への興味・関心を高めることを目的とし、野球観戦とあわせて、科学実験や数学・物理のワークショップ、スポーツを題材にした体験型学習プログラムなどが行われる日。
これはドジャースなども実施しており、試合前にSTEMに関連したデモンストレーションや体験ブースを設け、子どもたちに楽しく学んでもらう機会を提供します。
そんな環境の中、チェイス・ドーランダーは子どもたちのアツい声援を受け、奮投しました!
チェイス・ドーランダーが見事な投球
立ち上がり、チェイス・ドーランダーはマイケル・ハリス2世に大きなLFフライを打たれるも、ウォール前で失速。オースティン・ライリー、マーセル・オズーナも内野ゴロでアウトにし、三者凡退の上々の立ち上がりを披露。
2回表にも先頭のマット・オルソンに大きなRFライナーを打たれるも、これをRFのショーン・ブシャー(Sean Bouchard)が好捕し、事なきを得ます。2回表も三者凡退に。その後の流れは下記の通り。
- Top 2COLが先制 (ATL 0 @ 1 COL)
- 先頭のハンター・グッドマンがシングル
- マイケル・ログリアがダブル(ノーアウト2、3塁)
- ショーン・ブーシャーの内野ゴロの間にグッドマンが生還
- Top3ATLが追いつく!(ATL 1 @ 1 COL)
- 捕手のD・ボールドウィンが四球
- N・アレンがRF前シングル(0アウト1、2塁)
- E・ロザリオが1Bゴロでランナーがともに進塁(1アウト2、3塁)
- M・ハリス2世の2Bゴロの間にボールドウィンが生還
- A・ライリーは三振
- Bot 3COLが勝ち越し(ATL 1 @ 2 COL)
1アウトからブレントン・ドイルが左中間にソロHR
- Top/Bot 4ともに三者凡退
- Top 5ATL、得点ならず
先頭のイーライ・ホワイトがシングルで出塁し、2塁盗塁を決めるも1本が出ず
- Top 6ドーランダー、爪を痛めて交代
- 1アウトからA・ライリーが四球
- M・オズーナは三振
- M・オルソンが四球
ドーランダーはここで右手中指の爪が割れて無念の降板 - ジェイク・バードがマウンドに上がり、O・アルビーズから三振を奪い、チェンジ
- Top 7/8COLは2番手・3番手が踏ん張る
- 7回表、J・バードが三者凡退に
- 8回表、セス・ハルボーセン(Seth Halvorsen)が三者凡退に
- Top 9COL、1点差を守り切る!
- 9回表のマウンドはザック・アグノス(Zach Agnos)
- 2アウトからO・アルビーズにCF前シングルを許すも、E・ホワイトをRFフライに抑えてゲームセット
3つの速度帯
チェイス・ドーランダーは5.2イニングを投げて被安打2、失点1、BB 3、SO 4と好投。
チェイス・ドーランダーはMAX 98mphほどの4シーム、89-90mphほどのチェンジアップ、78mphほどのカーブを操りますが、ブレーブス打線が手こずっていたのはドーランダーのカーブ。やはり速度帯が3つあると、なかなか的を絞りにくいと思われ、3アウト目に三振を奪われるケースが目立ちました。
中指のツメにヒビが入る
惜しくも6回途中で降板することになったチェイス・ドーランダーは、最後まで投げきる意欲が満々でしたが、中指の爪が割れてはどうしようもありませんでした。
ドランダーは、スプリング・トレーニング中にも爪にひびが入り、アリゾナ州スコッツデールのネイル・サロンで新しいものを塗ってもらったが、その爪が数日前に剥がれてしまい、この日はその影響が出ました。
チェイス・ドーランダーはATLファン
サイ・ヤング賞受賞者のクリス・セールと対戦して投げ勝ったチェイス・ドーランダーは2023年にテネシー大学から全体9位で指名されてプロ入り。幼少期はアトランタから2時間ほどのジョージア州エバンスで育ち、子どもの頃からブレーブス・ファン。今回はそのブレーブスを相手に勝利投手となりました。
そんなドーランダーは2025年4月6日のクアーズ・フィールドでのアスレチックス戦でメジャー・デビュー。5イニングを投げ、被安打7、失点4、自責点4、BB 1、SO 6、HR 2とボールが良く飛ぶクアーズ・フィールドの洗礼を受けながらも、見事に初登板初勝利をマーク。
その後、3連敗を喫していましたが、この日はその3連敗の経験を活かして、ブレーブス打線をクアーズ・フィールドで抑え込みました。
リリーフも好投
チェイス・ドーランダーの降板を受け、2番手のマウンドに立った右腕のジェイク・バードは1.1イニングをパーフェクトに、3番手のセス・ハルボーセン(Seth Halvorsen)も8回の1イニングをパーフェクト、そして最後を締めたザック・アグノス(Zach Agnos)も1安打を許したのみで、チェイス・ドーランダーの勝利投手の権利を守り抜きました。
ロッキーズは開幕してすぐはスターターが素晴らしい成績を残しつつも、リリーフが最悪でMLBワーストのERAを出していたのですが、ここに来て状況が変化。
現地2025年4月30日時点のリリーバーのERAは3.75でMLBで14位、ナ・リーグで6位の好成績となっています。むしろ、スターターのERAが6.53で、MLBで29位、ナ・リーグ14位とスターターがゲームを壊している状況です。
ロッキーズ、5勝目(5勝25敗)
ロッキーズはこの日の勝利でやっと5勝目、30試合で5勝25敗です。
これは1932年のレッドソックス、1952年のパイレーツに並び、1900年以来MLBで2番目に悪いスタート。ちなみにワーストは1988年のオリオールズで、開幕から21連敗を記録し、30試合時点では4勝26敗でした。
ロッキーズ、なんとか頑張ってもらいたいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント