デバース、このトラブルで3Bも守る!
現地2025年9月2日、コロラドで行われたジャイアンツ@ロッキーズ戦でベンチクリアーが発生。今季のベンチクリアーの中では接触度が一番高い、案件となりました。
デバース、今季30号
トラブルが発生したのは1回表です!
ジャイアンツはロッキーズ先発のカイル・フリーランドからリードオフのエリオット・ラモスがRFへのシングルで出塁。ノーアウト1塁で打席が回っていたのが2番1Bで出場したラファエル・デバース。1Bで出場したことはここでは横に置いておきます。
この打席でデバースは初球から果敢にスイングをかけて行き、2球で2ストライクに。その後も積極的だったデバースは2球連続でファウルを放って5球目、スウィーパーが肩口から入ってきたところをドンピシャリのスイング。
デバースはスイングの勢いで体制がやや崩されるのを修正しつつ、打球の行方を見て、HRを確かめバットを投げて1塁へ駆け出します。これはもうレッドソックス時代からよくやっている光景で違和感はなかったのですが、これにいらついたのがカイル・フリーランド。
「早く走れ」というフリーランド
カイル・フリーランドはグラブを使ってベースを一周するよう叫びました。これにデバースも反応。一塁に到達する前に叫び返し、ベースに触れた後近づいてくるフリーランドに向かって歩き始めます。
この怒鳴り合いで一気にベンチ・クリアーに。
中心選手2人がデバースのために怒る!
まず最初の接触したのはマット・チャップマンとウィリー・アダムスで、マット・チャップマンはフリーランドを突き飛ばして事態を悪化させます。これにロッキーズの1Bのカイル・ファーマーが制止に駆け出し、その後はほぼ全員が1Bベース付近へ移動。ロッキーズのウォーレン・シェーファー暫定監督がフリーランドを引き離しました。
騒ぎは一旦、収まりかけたものの、今度はウィリー・アダムスが大勢の選手の間から抜け出し、フリーランドに向かって叫び始め、言い合いは続きましたが、ジャイアンツのベンチコーチ、ライアン・クリステンソンがアダムスを制止しました。
これが騒動の一連の動きになります。
投手と打者でよくあるギャップ
デバースにしてみれば、いつものこと。試合後もスペイン語で「普段、ホームランを打った時と何も違うことをしていません。なぜ彼が気にしていたのか分かりません」と答えました。
一方のカイル・フリーランドは「本当に失礼だと思いました。ホームランを打った後、そこに立ってそれを見守り、一塁までゆっくりと歩いたのですから。だから、彼にそのことを伝えなければならないと思いました」と。
打者と投手でよくあるいざこざでです。打者は煽っている気はないのに、投手からすると軽視されたと受取り、怒りをぶつけ、その応酬が発展してしまうケースです。
なお、フリーランドはこの1件は、今季のチームの大苦戦と自身の苦戦(3勝14敗、ERA 5.41)とは全く関係がないと述べております。
退場
このベンチクリアーで退場となったのは、ジャイアンツのマット・チャップマン、ウィリー・アダムスの2人。デバースは退場になりませんでした。そしてロッキーズからはカイル・フリーランドが退場に。
ロッキーズ、いきなりの投手交代
カイル・フリーランドはラファエル・デバースが退場処分にならなかったことに不満も持っていましたが、怒りを表したこと自体は反省。さらに、感情の爆発により、先発投手が1アウトも取れずに降板する事態になったことも大いに反省しているようです。
これでロッキーズはアントニオ・センゼテラにスイッチ。もはや先発マウンドと同じですね。
デバース、1周13分かかったことに
1塁ベースを踏んだところで、ベンチクリアーが発生し、ホームベースまでたどり着いてなかったデバースは騒動開始から13分後にようやく回り終えました。
これで正式に397フィート(約121m)の打球が2ランHRとなり、ジャイアンツに早々に2点のリードをもたらしたのでした。
もしもデバースが退場になっていたら、ジャイアンツは代走を出す必要がありました。
ローガン・ウェブが好投
ジャイアンツの先発はローガン・ウェブで、この日は5.0 IPで被安打7、失点2、ER 2,BB 2、SO 7とゲームメイクしました。
ちなみに、ウェブは「フリーランドは口うるさいよ。あの男が今までこのようなトラブルがなかったことが不思議なくらいだ。今回もラフィが彼をうまくコントロールしたんだ」と語っています。フリーランド、選手間では微妙な立場かもしれませんね。
デバース、3Bへ
ジャイアンツはマット・チャップマンとウィリー・アダムスという主力野手2人を欠いて試合を続行。ケイシー・シュミットは1日のゲームで右肘を負傷したためベンチスタートでしたが、ウィリー・アダムスの代わり2Bとして出場。2Bで先発出場していたクリスチャン・コスがSSに移動。さらに1Bのデバースが3Bに入り、1Bにはドミニク・スミスが入りました。デバースの3Bは今季初です。
ジャイアンツのボブ・メルビン監督によると、デバースは3B用のグラブを持ってきておらず(3Bにはチャップマンがいるし、出場可能性は少ないと思っていたのでしょう)、マット・チャップマンから借りたようです。
試合はジャイアンツ5回に3点をあげ、5-1とリード。
その後、ロッキーズのハンター・グッドマンが7回裏にホセ・ブットから2ランHRを放ち、一時は5-4と1点差となりましたが、ジャイアンツは8回表に2点を追加。7-4のスコアで逃げ切りました。
この勝利でジャイアンツは70勝69敗とし、8月9日以来初めて勝率5割を超えることに。ジャイアンツは好調で直近10試合で9勝です。
一方のロッキーズはこの敗戦で39勝100敗となり、3年連続で敗戦数が100敗に到達。
2024年にホワイトソックスが作ったワースト記録は121敗(41勝)。ロッキーズはさすがにこの敗戦数を超えることはなさそうですが、早く残り3勝を上げて42 勝とし、ワーストの更新を免れたいところでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。
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