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【MLB2025】Dバックスのコービン・バーンズがトミー・ジョン手術へ

コービン・バーンズ、長期離脱へ

 現地2025年6月6日、Dバックスのコービン・バーンズ(Corbin Burnes)が右肘のトミー・ジョン手術を実施することが決まりました。手術は現地9日から始まる週に行われ、執刀医は大谷選手の肘の手術も行った名医ニール・エルアトラッシュ氏です。

6月1日のナッツ戦で傷める

 コービン・バーンズの最後の登板は現地2025年6月1日にホームのチェイス・フィールドで行われたナショナルズ戦。初回を三者三振に仕留め、素晴らしい立ち上がりを見せたコービン・バーンズは、スコア3-0とリードしたまま5回表のマウンドに立ち、2アウトまで奪います。

 しかし、その次のCJ・エイブラムスにRFへクリーン・ヒットを打たれた直後にダグアウトからトレーナーを呼び、肘の具合を報告。そのままゲームを離脱しました。あと1アウトで勝利投手の権利を得るところだったのですが、これは致し方ありません。

 なお、最後の投球の4シームは91mphしか出ておりませんでした。

 この時点でやばいなと誰もが思ったと思いますが、その後、様々な医師の診断を受けてなんとか最悪のシナリオを避け用としましたが、結果的にトミー・ジョン手術を受けることになりました。

復帰は2027年開幕か?

 コービー・バーンズが受けるのは再建型のトミー・ジョン手術か、インターナル・ブレース手術かははっきりしていませんが、再建型が濃厚。そうなれば通常のスケジュールで18カ月の回復期間が必要です。

 2025年の残りシーズンがアウトになるのは明白ですが、まる一年経過で2026年6月。そこから半年となると、2026年12月になるので、もはや2026シーズンもアウト。

 ただ、早くて14ヶ月で戻って来るケースもあり、その場合は2026年9月に復帰することが出来ます。

 実際、メスを入れてみないとわからないケースも多いのですが、その場合は隠れた損傷が見つかることがあり、むしろ長引く例の方が多いです。

 ゆえに最悪のシナリオとしては2027シーズンの復帰を目指すというところを考えた方が良さそうです。

MLB屈指の好投手

 コービン・バーンズはMLB屈指の好投手であることは間違いありません。1994年10月22日生まれの30才。2016年のアマチュア・ドラフトでブルワーズから4巡目指名を受けてプロ入りしました。

リリーフから先発へ

 メジャーデビューは2018年で、この年はリリーフオンリー。30試合に登板し、7勝0敗、ERA 2.61。2019年もリリーフ中心の登板でしたが、かなり苦戦しました。32試合に登板してERAは8.82。この年は先発も4試合ほど経験しております。

 2020年の短縮シーズンから先発中心となり、12試合中、9試合で先発して4勝1敗、ERA 2.11をマーク。いきなりサイヤング賞投票で6位にランクインします。

2021年にサイ・ヤング賞

 そして、2021年には28試合、167.0イニングを投げて11勝5敗でERA 2.43をマーク。SO%は35.6%、BB%は5.2%という素晴らしい成績でサイ・ヤング賞を受賞。

 勝ち星は11にとどまりましたが、この年は本当に無双状態でした。

 シーズン最初の3先発で30奪三振、無四球でスタートしたコービン・バーンズはその後も高品質投球を連発。4月後半に一時的にCOVID-19 ILに入ったものの、5月13日の復帰ゲームで無四球期間中の奪三振記録を58にまで伸ばし、その時点のメジャー記録を更新。ちなみに記録が途絶えた時に四球を選んだのはトミー・エドマンです。

 ただ、せっかくの記録更新だったのですが、4日後の2021年5月17日にヤンキースのゲリット・コールにより61に更新されてしまいました。

 現地2021年3年8月11日には10者連続三振のメジャー・レコード・タイを達成。コービン・バーンズの前に達成していたのはトム・シーバーで1970年4月22日のパドレス戦でこの記録を達成しています。

 そして2021年9月11日にはコンバインド・ノーヒット・ノーランを達成。

 この年、ブルワーズはナ・リーグ中地区を制覇。ポストシーズンにも進出し、NLDSでブレーブスと対戦しましたが、ここで敗退しております。

2022年は200イニングを達成

 翌2022年には33試合と先発としてはフル稼働し、200イニングを達成。勝ち星も12勝とキャリアハイをマーク。ERAは2.94。

 2023年も32試合に登板し、イニング数は193.2イニングを投げ、10勝8敗でERAは3.29。現地2023年9月10日にはヤンキースを相手に8回ノーヒッター投球をやってのけ、この試合ではブルワーズ投手陣は10回までノーヒッターを継続しましたが、試合に敗れ、惜しくも記録ならず。

2024年にオリオールズへ 

 そしてサラリーの上がったコービン・バーンズをブルワーズは放出。オリオールズにトレードされました。ジョシュ・ヘイダーもそうでしたが、ブルワーズはこの傾向がありますね。

 オリオールズでは32試合に登板。194.1イニングを投げ15勝9敗と勝利数はキャリアハイを更新。ERAは2.92と再び輝きました。ただ、サイ・ヤング賞投票では5位。

Dバックスと6年/210Mドルで契約 

 そしてFAとなった2024年オフはDバックスと6年/$210Mの大型契約でサイン。今季はその1年目でした。 

 2025年はオープニングには間に合いませんでしたが、4月1日に初登板となり、以降11試合に登板して3勝1敗、ERA 2.66 とやはり安定した力を発揮していました。

 コービン・バーンズはサイ・ヤング賞受賞翌年の2022年以降はSO%が下がり続けておりますが、それでもERAはしっかりと2点台後半をキープ。いかに失点を防ぐか、投球も円熟味を増してきております。

SeasonSO%ERA
202036.72.11
202135.62.43
202230.52.94
202325.53.39
202423.12.92
202523.82.96
コービン・バーンズの年度別SO%・ERAの推移

 今回の手術はやはり疲労の蓄積があったということになりそうです。

Dバックス、ローテーションへの投資が裏目に

 Dバックスの編成トップのマイク・ヘイゼン(Mike Hazen )は素晴らしいGM。ただ、そんな彼もローテーションへの投資は裏目に出ております。

  • ジョーダン・モンゴメリー:1年/$25M (2024) + 2025 $20M べスティング・Opt
    • 2024: 8勝7敗/ 117.0 IP / ERA 6.23
    • 2025年開幕前にトミー・ジョン手術へ
  • エドゥアルド・ロドリゲス:4 年/$80M (2024-27) + 2028 $17M ミューチュアル・オプション($6Mバイアウト)
    • 2024: 50 IP/ 2025: 44.2 IP
    • 2025年は9先発でERA 7.05。肩の炎症のため5月中旬にIL(すでに復帰済み)

 そして今回のコービン・バーンズの6年/$210M (2025-30)。

 DバックスはスターOFのコービン・キャロルの全盛期の今、コンテンダーであり続けるべき存在です。投手に投資してきたのも攻撃陣の努力をだだ漏れにしないため。ただ、大型投資してきた案件がこれだけ裏目に出るとさすがにオーナーの財布の紐が厳しくならないかと心配になります。

 コービン・バーンズの抜けた穴をどうするのか、マイク・ヘイゼンの動きにも注目ですね。

 コービン・バーンズの早期復帰を願って止みません。 

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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