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“幻の2012” ! メルキー・カブレラが引退を表明

残念過ぎる2012シーズン

 現地2022年1月14日、ヤンキース、ジャイアンツなど8つのクラブで活躍し、通算1,962安打を放ったメルキー・カブレラ(Melky Cabrera )が引退を表明しました。

東京五輪にも出場

 メルキー・カブレラは2005年にヤンキースでメジャー・デビュー。2019年を最後にメジャーのフィールドから遠ざかっていました。最後に華やかな舞台となったのは、2021年に行われた”2020 東京五輪”の野球競技。

 ドミニカ共和国のメンバーとして出場。21打数8安打、打率.381(東京五輪スタッツ)を放つなど最後まで安打製造機としての特色を見せてくれました。

松井秀喜選手とWSで戦う 

 メルキー・カブレラは、1984年8月11日生まれの37才。ポジションはOFで左投げ、打席はスイッチです。上述の通りドミニカ共和国の出身で、2005年に20才でメジャー・デビューを果たしたという期待の逸材でした。ちなみに2005年は7月に体験的に上がり、6試合をこなしたのみです。

 ジーター時代にヤンキースの一員であったのですが、2シーズン目の2006年からほぼフルに近い形で出場。ヤンキースでのファイナル・イヤーは2009年で、LFがジョニー・デーモン、RFがニック・スウィッシャー、CFにメルキー・カブレラというのが主な外野の布陣で、DHは松井秀喜選手でしたね。打席では3番を打つことが多かったです。

 2009年、ヤンキースはALDSではツインズを3勝0敗でスイープ、ALCSではエンゼルスを4勝2敗で下してワールドシリーズに進出。メルキー・カブレラは、ALCSでは6試合で23-9、打率.391、OBP .462、SLG .478、二塁打2本、RBI 4と活躍。

 ワールドシリーズでは、前年にチャンプとなり2年連続で進出を果たしたフィリーズと対戦。メルキー・カブレラはマークされたこともあり、シリーズでは13−2とブレーキとなりました。

 一方、対照的だったのが松井秀喜選手で、ALCSでは21-5とまずまずの出来だったのですが、ワールドシリーズでは6試合で、13-8、打率.615、OBP .643、SLG 1.385と大爆発。HR3本、RBI 8と伝説のような活躍を見せたのでした。松井秀喜選手がWS MVPを獲得。

2009年にブレーブスへ

 2009年のシーズンオフ、メルキー・カブレラはアローディス・ビスカイーノとともにブレーブスへ移籍。ブレーブスでは1シーズンのみでロイヤルズへ移籍。

2011年、200安打達成 

 2010年オフにブレーブスをリリースされたメルキー・カブレラはFAとしてロイヤルズとサイン。ロイヤルズで大化けしました。155試合で、201安打をマーク。打率.305。HRもキャリアハイの18をマーク(結局、これがMLBでの最多HRに)。

 大きく変貌したメルキーはシーズンオフにジャイアンツにトレード。運命の2012年です。

2012年、天国から地獄へ

 200安打の実績を引き下げてジャイアンツに加入したこの年、覚醒したメルキー・カブレラは前半戦からヒットを量産。

 とりわけすごかったのが5月で、51安打を放ちました。これはジャイアンツ史上月間最多安打タイです(2005年9月にランディー・ウィンが達成)。また月間50安打以上は2007年にカール・クロフォードが達成して以来、どの月も達成されていませんでしたので、いかによく打ったかがわかりますね。

 2012年6月1日時点での打率は.373。この実績で、自身初のオールスターにも出場。オールスターでは、初回にタイムリーを放ち、さらに4回にはHRも打ちましたので、見事にASG MVPにも選ばれました。まったくもって素晴らしいの一言に尽きた前半戦。

 ところが魔が忍び寄っていました。

運命の2012年8月15日

 メルキー・カブレラは2012年8月14日のゲームを終了した時点で、159安打を放ち、打率.346をマーク。もうダントツで、残り1ヶ月半でとんでもないシーズ安打数を叩き出すのではないか?と思われていました。

 ところが、8月15日に全てが崩壊。

 薬物検査でPEDsの陽性反応が出たのでした。PEDsとは、Performance Enhancing Drugsの略で、疲れ知らずで競技力がアップする薬物のことで、メルキー・カブレラはテストステロンの陽性反応が出ました。これを常用してしまうと、内蔵がやられてしまい、最悪の結果にもなってしまいます。

 メルキー・カブレラは、50試合のサスペンションを科されました。もし、ジャイアンツがポストシーズンのセカンドラウンドに進出すれば、ロスターINも可能という処分ではありました。

シーズンエンド 

 2012年と言えば、ジャイアンツがワールドシリーズ・チャンプになったシーズンでもあります。

 ジャイアンツは、ポストシーズンでメルキー・カブレラをロスターINさせることはありませんでした。

1打席の不足

 ペナルティを厳粛に受け止めたように見えたメルキー・カブレラでしたが、実はテスト結果が公表される前に過失を工作しようとしたことが明るみに。何も知らずにテストステロンが配合されたクリームをつけてしまったのだという主張をするためにウェブサイトを立ち上げようとしたのでした。結局、これは実行前に止められましたが、その意図が意図だっただけにこれでさらに地に落ちた感が出てしまいました。

 結局、シーズン途中の8月14日が最終日となったメルキー・カブレラは、打率.346でシーズンを終えたのですが、この数字はMLBでNO.1。2012シーズンの打率ランクはご覧の通り。メルキーの数字は両リーグを併せたランクでもダントツだったのです。

2012打率成績

  • B・ボージー(SFG): .336
  • ミゲル・カブレラ(DET): .330
  • A・マッカッチェン(PIT): .327
  • M・トラウト(LAA). 326

 しかし、規定打席は502。メルキーは501打席でサスペンションとなったのです。よって1打席足らず。

救済措置もあったが却下

 このような1打席不足のような場合、仮想でヒットレス打席を1打席追加する処置もあるのですが、メルキーの場合は、PEDs使用のサスペンションゆえの不足ということから、仮想の1打席を追加されることなく、バッティング・タイトルのレースからも退くことに。これは選手会もそれに賛同したので、全方向から包囲されたような形になってしまいましたね。

 もしもPEDs無しで、上記の成績を継続していたなら、230安打くらいは打ったかもしれませんね。イチローさんの262(2004年)の凄さがよくわかりますね。

4年連続で170安打以上

 2012年にジャイアンツからリリースされたメルキー・カブレラは、2013年-2014年とブルージェイズに在籍。さらに2015年から2017年前半までホワイトソックスに、2017年後半にロイヤルズ、2018年はインディアンス(2022年からガーディアンズ)、そして2019年にパイレーツに在籍。これがメジャーでの最後となりました。 

 PEDs処分後は、2014年から2017年まで4シーズン連続で170安打以上をマーク。やはり力はあった選手なのです。

 本当にPEDs使用が残念でなりません。

 通算1962安打はさすがですね。本当は2000安打も達成したかもしれませんね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

 

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