2022 ALワイルドカード・シリーズ TBR vs CLE
現地2022年10月9日、クリーブランド・ガーディアンズがレイズとのALワイルドカードに2連勝し、見事にALDSへの進出を決めました。
クラブ名変更1年目で地区優勝、そして2018年以来のALDS進出です。
Game1: さすがのホセ・ラミレス
レイズとのワイルドカードは厳しい2連戦でした。
Game1ではシェーン・ビーバーとシェーン・マクラナハンとの投げ合いとなり、6回表にシェーン・ビーバーの方が先に失点。ホセ・シリに一発を浴びました。
ただ、その直後の6回裏、1アウトからアーメッド・ロザリオがシングルで出塁。つづくホセ・ラミレスが3球目のチェンジアップをCFへ弾き返し、2ランHR。ちょうど、ホセ・シリが放り込んだところと同じような場所への一発で余計に印象的でした。
なお、この後レイズがアーメッド・ロザリオが2塁ベースを踏んでいないのではないか?というアピール・プレーを行いましたがこれはセーフに。そのまま2ランHRとなりました。
ともに失点は6回の表裏のみ。ガーディアンズはビーバーが8回2アウトまで投げ、その後はエマニュエル・クラセがイニングまたぎで登板。パーフェクトに抑え、まずは1勝を上げました。
Game2: 延長15回の熱戦
現地2022年10月8日のGame2では、タイラー・グラスノーとトリストン・マッケンジーが登板。
このゲームは前日以上の投手戦になりました。登板した投手はご覧の通り。
レイズ | ガーディアンズ | |
先発 | T・グラスノー: 5.0 IP | T・マッケンジー:6.0 IP |
2 | P・フェアバンクス: 0.0 | J・カリンチャック:1.0 |
3 | J・アダム:2.0 | T・スティーブン:1.0 |
4 | D・ラスムッセン: 1.2 | E・クラセ:1.0 |
5 | G・クレビンガー:1.1 | N・サンドリン:0.2 |
6 | S・アームストロング: 1.1 | E・モーガン:1.1 |
7 | B・ラリー:1.0 | E・デロスサントス 1.0 |
8 | C・クルーバー:1.2 | S・ヘンゲス: 3.0 |
ガーディアンズ、6回の大チャンスを活かせず
もつれた要因でもあるのですが、このゲーム、6回裏にガーディアンズが大チャンスを迎えます。レイズ2番手のピート・フェアバンクスがブリスター・イシューがあったようで代わって2連続四球を出して交代となりました。
このトラブルの後、代わったジェイソン・アダムがアーメッド・ロザリオにデッドボール。
ガーディアンズはノーアウト満塁で、ホセ・ラミレスという願ってもないチャンスを迎えました。
アダムは打者が代わっても2球連続でボール。ただ、どうやら開き直ったようで、そこから怒涛のチェンジアップの連投。正確に言えば6球目は4シームでしたが、3、4、5、7球目がいずれもチェンジアップ。
ノーアウト満塁での守り側のベストなアウトのとり方は、1アウト目をまずは三振に仕留めること。その鉄則から言えば打者がホセ・ラミレスだったので、コンタクトも一流なので相当ハードルは高かったのですが、この開き直りが良かったようで、結局、アダムはホセ・ラミレスを見事に三振に仕留めました。しかも、最後のボールは左打者の膝下に落ちる最高のボールでした。これはしびれるボールでした。
あと2アウト。ここで打者はジョシュ・ネイラー。大きい外野フライも期待できる打者だったのですが、チェンジアップを続けられた後の4シームに振り遅れ、SSゴロに。これをワンダー・フランコが見事にさばき、ダブルプレー。
レイズ側とすれば鉄則通りのシナリオでピンチを切り抜けたのでした。ここで試合が動けば15回まで行くことはなかったでしょう。
オスカー・ゴンザレスがサヨナラHR
延長15回裏も2アウトまで行っていたのですが、最後はオスカー・ゴンザレスがコーリー・クルーバーのカットボールをCFへサヨナラHRを放ち、ガーディアンズが劇的な形でALDS進出を決めたのでした。
サム・ヘンゲスの3イニング好投が光る!
サヨナラHRを呼び込んだのは、13回から登板したサム・ヘンゲスだったと思います。
2021年までは頼りない先発左腕だったのですが、今季からブルペンに専念。レギュラー・シーズンでは57試合で62.0イニングを投げ、ERAは2.32と抜群の結果を残しています。198.1cm の長身を活かした角度のあるファストボールとブレーキの効いたチェンジアップが素晴らしいです。
延長15回表に2安打を打たれましたが、アウト3つは全て三振でピンチを切り抜けました。
ガーディアンズはクラセが出た後はかなり不安な点も大きかったのですが、さすがにフランコーナ監督ですね、ブルペンの人材を見事に活かしきりました。これはALDSでも大きな資産になりそうです。
ALDSではホセ・ラミレス以外の打者がキー
ガーディアンズはALDSではヤンキースとの対戦。ポストシーズンの戦い方を熟知したクラブです。
おそらく、ホセ・ラミレスに最大の注意を払ってくることでしょう。
- クワン:.000
- ラミレス:.200
- ゴンザレス:.333
- ヒメネス:.125
サヨナラHRを放ったオスカー・ゴンザレスは実はホセ・ラミレスよりも打っております。その点は注意が削がれて良い点です。後は、元気もののクワンに当たりが出ないことには打線がつながらないので、彼の奮起に期待したいところですね。
レイズ、2試合で1得点
ガーディアンズの投手の良さが光ったと同時にレイズの打撃陣の音無しぶりもかなり重症でした。
ヤンディー・ディアスと1Bの選手は.000。ワンダー・フランコ、ランディー・アロウザリナ、ハロルド・ラミレスがそれぞれ.111。
そして26イニングで奪った得点は1点のみ。
似たようなクラブ同士の戦いはガーディアンズに軍配。貧打とも言えますが、それ以上に内容の濃い、非常に面白い2連戦でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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