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【MLB 2023 FA】カブス、ダンスビー・スワンソンと7年/177Mドルで合意

「ビッグ4」の 最後の1人が決まる

 今オフにFAとなった主力級のSSはカルロス・コレア、ザンダー・ボガーツ、トレイ・ターナー、そしてダンスビー・ソワンソンの4人で、彼らのことを「ビッグ 4」と呼んでいましたが、現地2022年12月17日、その「ビッグ4」の最後の1人、ダンスビー・スワンソン(Dansby Swanson)のディールが決まりました。シカゴ・カブスと7年のビッグ・ディールで合意です。

カブス史上2番目のビッグ・ディール

 カブスとダンスビー・スワンソンのディールは現時点では以下の通り。

  • 7年/$177M(2023-2029)
    • フル・ノートレード条項あり
    • AAV(Annual Average Value):$25.29M

 8年目になんらかのオプションがあるかどうか、またアウォード・ボーナスなどがあるかどうかはファイナルとなってから記載します。上記の年数、金額が保証されているという大筋は間違いないようです。

ジェイソン・ヘイワードとのディールに次ぐもの

 今回の契約は、カブス史上2番目に大きなFAとの契約となり、2015年12月にジェイソン・ヘイワードとサインした8年/$184M(2016-23)に次ぐものです。なお、ジェイソン・ヘイワードはカブスと残り1年の契約が残っていましたが、2022年11月14日にリリースされており、2022年12月8日にドジャースとマイナーディールでサインしています。これはアルバート・プホルズがエンゼルスをDFAとなり、ドジャースに移籍したのと同じパターンで、カブスがヘイワードの2023年の$23Mのサラリーを負い、ドジャースはヘイワードがメジャーに上がれば、MLBのミニマム・サラリーで支払うことになります。ヘイワードは2024年の個人所得税が大変なことになるので、2023年分をうまく使ってくださいね(余計なお世話ですが)。

カブス、再建を進める 

 2016年にワールドシリーズ・チャンプになったカブスは、その後、2021年に主力の契約更新問題を抱えていました。それに追い打ちをかけたのが、2020年のCOVID-19パンデミックで、これによりゲーム数が減り、さらに無観客になったことでゲート収入が途絶え、収益を大幅に圧迫。

 急ぎ、主力を放出し、結果的にワールドシリーズ・チャンプの時の主力はいなくなりました。アンソニー・リッゾも、ハビアー・バイエスも、クリス・ブライアントもカイル・シュワーバーももういません。チャンプ後に獲得したダルビッシュ投手も2020年を最後にパドレスに移籍。2020年はダルビッシュ投手の好投もあり中地区を制覇し、ワイルドカード・シリーズに進んだものの、マイアミに連敗して敗退。

 2021年は有観客となって、ゲート収入が戻ってきましたが、引き続き給与を削減。リビルドを促進していきました。2021年は71勝91敗で4位。ただ、財政的によくなってきたカブスは2021年オフに、マーカス・ストローマンや鈴木誠也選手とサイン。再建に向けて動き出しました。

 そして74勝88敗で終えた2022年。カブスは再びコンテンダー(優勝争い)となるべく、戦力を整えています。ヤンキースからFAとなったジェイムソン・タイヨン、ドジャースからノンテンダーFAとなったコディー・ベリンジャー、そして今回のダンスビー・スワンソンと再建に向けて大きく踏み出しています。

 カブスが「ビッグ4」のいずれかと契約するいう噂はシーズン中から(夏頃)から飛び交っており、ひょっとしたら、2人の獲得も視野に入れているのではないか?という噂も。ちょうど昨オフにレンジャーズがコーリー・シーガーとマーカス・セミアンの2人を獲得したように。

 それくらい、カブスはSSの補強を本気で考えていたということですね。

ダンスビー・スワンソンとは

 ダンスビー・スワンソンについて触れておきます。1994年2月11日生まれの28才。2023年の誕生日で29才になります。ジョージア州の生まれ。

 ドラフトは2015年の全体1位。ヴァンディー・ボーイこと、ヴァンダービルト大学の出身。全体1位で指名したのはDバックスだったのですが、なんとドラフト・イヤーの12月にブレーブスにトレードしました。全体1位を半年後にトレードするなど聞いたことがなかったです。

 そのDバックスは誰を獲ったのか?と言えば、シェルビー・ミラーです。もう1人、ゲイブ・スパイアーも獲得していて、ゲイブ・スパイアーは現マリナーズ在籍の左腕です。

 このトレードはDバックスにとって大失敗で、全体1位を放出して獲得したシェルビー・ミラーが2016年に3勝12敗、ERA 6.15と負け数ばかりを増やし、さらに2017-18シーズンのほとんどを怪我で離脱し、マイナス稼働しかしていないという最悪の結末となったのでした。

 ただ、これはスワンソンにとっては渡りに船で、ホームタウンのジョージアで、その素質を開花させることになりました。

 スワンソンが移籍する前のブレーブスのSSと言えば、アンドレルトン・シモンズ。彼の全盛期です。ブレーブスはアンドレルトン・シモンズを2015年オフにエンゼルスへトレード。ショーン・ニューカムらとスワップとなり、SSのポジションにダンスビー・スワンソンを据えることにしました。 

  とは言え、スワンソンは2016年から18年にかけて苦戦。最初の3年の成績は、1229試合で、打率.243、OBP .314、SLG .369。打撃では大いに苦戦しつつも、さすが全体1位で、OBPだけは.300を超えてきました。開花し始めたのは2019シーズンで、この年にHR 17を放ち、OBPは.325をマーク。

 短縮シーズンの2020年はしっかりと整えてきて、60試合全試合に出場し、打率はついに.274をマーク。

 そして、2021年。スワンソンは、打率を.248と落としながらも、HR 27を放ち、NLのSSとして確固たる地位を築くことになりました。

 さらに2022年は162試合に出場し、打率.277、OBP .329、SLG .447、HR 25、RBI 96をマーク。さらに盗塁も18を数えるなど、SSと言えば・・・というくらいの素晴らしい選手に仕上がったのでした。

 2022シーズンはゴールド・グラブ賞を受賞。もともと守備は素晴らしいものがありましたが、ようやく勲章も得たというところです。スワンソンは走塁も素晴らしく、ゲームを面白くする選手でもあります。

カブスは守備を変更

 カブスの2022年のSSはニコ・ホーナーでしたが、スワンソンが加入したことで、2Bへ移動することになりそうです。かなりのユーティリティー能力のある選手ですが、スワンソンと二遊間を組めば、センターラインはかなり強力です。CFにはコディー・ベリンジャーが入ることでしょう。

 DHを誰にするか?にもよりますが、おそらくクリストファー・モレルが3Bに就くのではないか?と思われます。パトリック・ウィズダムがDH、1B、3B候補。

 2021年のトレード・デッドラインでホワイトソックスから移籍してきたニック・マドリガルをどうするか?彼を内野のバックアップとして使うのはいささか勿体ない気がします。ひょっとしたら、マドリガルは他クラブから需要があるかもしれません。

QO拒否選手獲得の代償 

 ダンスビー・スワンソンは初FAでブレーブスからクオリファイング・オファーをもらいましたが、これを拒否。カブスはQOを拒否したFAと契約したので、インターナショナル・ボーナス・プールの$0.5M枠と2023年のドラフトで2番目に高いピック権を失うことになりました。現時点では全体49位です。なお、ウィルソン・コントレラスがQOを拒否してカージナルスと契約したため、カブスはその指名権を得ることになり、相殺したという形になりました。コンプ・バランスBと3巡目の指名の間の全体70位くらいのピックです。

ブレーブスのSS

 ダンスビー・スワンソンを失ったブレーブスはSSのポジションに、2022年デビューのボーン・グリソム、あるいはブルワーズのSSであったオーランド・アルシアを入れて対応することになりそうです。

 今回、スワンソンのAAVは$25.29Mとなりましたが、もしこれでブレイクが再契約していたなら、クラブ内のAAVで最高額になるところでした。つまり、そこまでは払う考えはなかったようです。ちなみに現時点でのブレーブスのAAV最高額は、オースティン・ライリーの$21.2M。

 この判断の結果は2023年以降に出てくるでしょうね。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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