フランバー・バルデスはタイガースに
ピチャー&キャッチャーのワークアウトまで1週間前後となった現地2026年2月4日、注目FAで残っていたフランバー・バルデス(Framber Valdez)がタイガースと合意に至りました。
5年連続二桁勝利をマークし、通算81勝の勝てる左腕の行き着く先としては意外な感じもしましたが、よくよく考えて見れば、元師匠でもあるA.J.ヒンチ監督との縁がありましたね。
契約内容
タイガースとフランバー・バルデスの合意内容はご覧の通り。
- 3年/$115M保証(2026-28)
- サイニング・ボーナス:$20M
- 2年目の2027年終了後にオプトアウト可
- 繰延払いあり
サイニング・ボーナスを含めて$115Mということで、額面上のAAV(Annual Average Value)は$38.3Mとなりますが、繰延払い分の金額は明らかになっていませんが、その分が考慮されますので、いくぶんか和らぐ金額となります。
突如、AL屈指のローテーションに
これでタイガースはタリク・スクーバル、フランバー・バルデスというとんでもないNO.1、2のローテーションとなり、リース・オルソン、ジャック・フラハーティ、そしてケイシー・マイズが続き、これだけでもとんでもない5名となります。
他にもブルペンの終盤に回る可能性が高いですが、筆者も好きな投手であるケイダー・モンテロもおりますし、KBOで結果を出したドリュー・アンダーソン、さらに2年目のトロイ・メルトンなどかなり層が厚いです。
超一級品であるジャクソン・ジョーブは2025年6月にトミー・ジョン手術を行った関係で2026年は早くて9月に復帰ですが、素材が良いので無理をさせず、2027年の開幕でキープするかもしれません。
タリク・スクーバルは調停へ
2年連続でALサイ・ヤング賞を受賞し、現時点でMLSが5.114のタリク・スクーバルは2026年がFA前のファイナル・イヤー。これまで当ブログでもその動向を取り上げさせていただきましたが、タイガースは彼との延長契約に失敗し続けています。
現時点で調停のステータスですが、2026年のサラリーをタイガースは$19Mと設定しましたが、スクーバルは$32Mを要求。これで調停となっていて、果たしてどちらが勝つのか、まだわかってはいません。ただ、FAではないので所属クラブに交渉の優先権があるので開幕は当然、タイガースで迎えることになります。
スクーバル=バルデスのコンビもひょっとしたら、夏のトレード・デッドラインまで、そして長くて2026年中と限定される可能性が高いです。
そしてトレード話なら他のクラブもちょっかいを出すことが可能なのです。果たしてとんでもないディールが成立するのかどうか。噂ではドジャースが・・・という話題も出ておりますが、いかんせん、タイガースはスクーバルが望むようなディールをオファーすることが困難な状況です。
後ろも補強したタイガース
さてタイガースはローテーションが盤石なだけでなく、今オフにはクローザーとしてケンリー・ジャンセンを獲得。ドジャース時代のような「出れば勝利確定」という状態ではありませんが、今でも安定性は十分に発揮しています。並のクローザーよりはよほど安心出来ます。
また2025年のトレード・デッドラインでナショナルズから移籍してきて、ERA1.50と好成績をマークしたカイル・フィネガンを2 年/$19Mで復帰させたのも大きいです。
タリク・スクーバルの動向は不透明なものの、現時点ではディフェンスは言うことなしという状態のタイガースであります。
フランバー・バルデスとは
フランバー・バルデスは1993年11月19日生まれの32歳。ドミニカ共和国出身で2015年3月にアマチュアFAとしてアストロズとサインしました。この時、年齢は21歳。ドミニカ共和国出身の選手がアマチュアFAとしてサインする場合、15歳から17歳でサインする選手が多い中、割と遅めの契約でした。人それぞれですから。
2017年にはダブルAに到達し、2018年にメジャー・デビュー。24歳の時です。この時の監督がA.J.ヒンチでヒンチは2019年まで監督を務め、2019年オフの例のサイン・スティーリング問題が明るみになり、立場上解任という形になりました。よってバルデスとはメジャーでは2年の付き合いだったことになります。
そのバルデスはこれまでオールスターに2度選出され、過去4シーズンのうち3シーズンでサイ・ヤング賞投票でトップ10入りを果たしています。いわば無名のアマチュアFA選手が大躍進を遂げたのです。
メジャー昇格後、ヒンチのいた最初の2シーズンは、スイング・ロール。つまり、先発、リリーフの両方をやる役割です。短縮シーズンとなった2020年に先発ローテーションに定着。以来、過去6シーズンでMLB屈指の投手として活躍しています。
とにかく離脱しない強さ!
フルタイムの先発投手となってからは、毎シーズンERA 4.00未満を記録。また、特に評価が高いのはその耐久性。MLBでのキャリアでIL入りしたのはわずか2回だけ。
そのうち2021年のスプリングトレーニングでは、カムバッカーを左手薬指に受けて骨折した事故。これも5月末までに復帰を果たました。
2024年初頭に肘の炎症で2週間離脱した際もその後は問題なく復帰し、レギュラーシーズンとプレーオフを合わせて29試合に先発登板。
過去4シーズンのミニマムのイニング数は2024年の176.1イニングで、2025年も192.0イニングに登板。もはや鉄人の域です。
気になった2025年後半
フランバー・バルデスは2020年以降932.0イニングに登板していて、これはイニングの多さではMLBではNO.5の数字。しかもこの間のERAはたった3.23。先発のERAが3点台前半なのです。まさにMLB屈指の安定感を誇るピッチャー。2023年にはノーヒッターも達成。
しかし、そんなフランバー・バルデスも2025年の8月以降はおかしかったです。最後の10試合の先発登板のERAは6.05で、SOレートが17.7%。
現地9月2日のヤンキース戦では5回にトレント・グリシャムにグランドスラムを許した後、捕手のセザール・サラザールとのミス・コミュニケーションが話題になりました。
これはサインとは違うボールをわざと投げたとしか思えないようなアクシデントでした。捕手が明らかに怒っているのがわかります。打たれたのを捕手のせいにしたのか、そこは真相はわかりません。バルデスは試合後に「故意」を否定。また、捕手のサラザールは「ピッチコムのボタンを間違えて押してしまった」と述べ、公の場では事件を大げさにしないようにしました。言いたいことはあったと思うのに、この度量の大きさ。サラザールはすごいです。
ただ、たとえそうだったとしても、マウンド上ですぐに後ろを向いた態度は悪い印象を与えました。バルデスは試合後、捕手のサラザールに謝罪したと述べました。マリナーズと競っている状況で、これはアストロズに悪い影響を与えのも事実です。
ただ、最後の2ヶ月で不調に陥ったのはシンカーの球速がわずかに低下し、対戦相手がそれを狙ったというのが大きかったようです。バルデスはその原因も掴んでいて、投球フォームに不備があったという結論だったようです。怪我による影響ではないということです。
2月までかかった理由
FAでこの時期まで残った理由として、上記の最後の2ヶ月間の印象が悪かったということよりももっと大きいのは32歳という年齢。
2011年以降、32歳かそれ以上の年齢で5年以上の契約を結んだのは、ザック・グレインキー、ジェイコブ・デグロム、ブレイク・スネルの3人だけ。彼らは全員、少なくとも一度はサイ・ヤング賞を受賞していました。FA序盤ならまだ長期契約も要素もありましたが、ワークアウトが見え始めた2月に入り、バルデスのショート・タームの契約はほぼ決定したと言っていいでしょう。
タイガース、2026年は贅沢税の閾値超え?
タイガースの贅沢税ですが、2008年、2016年、2017年は超過となりましたが、2018年以降は解体とリビルドの時期となったため、ずっと超えてはおりません。
しかし、2026年はひょっとしたら超えるかもしれません。2026年の閾値は$244Mでタイガースの贅沢税上の40manロスターの金額は、タリク・スクーバルの調停後の金額を仮に中間点($32M-$19M)の$25Mと見積もった場合、$194.5M。これにはフランバー・バルデスのAAVは入っておりません。
これでタリク・スクーバルが調停で勝利するようなことがあれば、$32Mとなり+$7M。さらにフランバー・バルデスのAAVが繰延払いを考慮しても$32Mくらいのインパクトとなった場合、+$39Mで、計$233.5M。おそらく超えないように調整してくるとは思うのですが、タイガース、予想以上に閾値に接近しております。
お読みいただき、ありがとうございました。




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