デバース移籍後、初のNYY戦
現地2025年8月22日、レッドソックスはブロンクスでのヤンキースとの4ゲームシリーズが始まりました。今季のここまでのライバル対決はご覧の通り。レッドソックスが5勝1敗とリードしています。
- 6/6 BOS 6 @ 9 NYY (L)
- 6/7 BOS 10 @ 7 NYY (W)
- 6/8 BOS 11 @ 7 NYY (W)
- 6/13 NYY 1 @ 2 BOS (W)
- 6/14 NYY 3 @ 4 BOS (W)
- 6/15 NYY 0 @ 2 BOS (W)
ここまではヤンキース戦に滅法強かったラファエル・デバースがまだ在籍していた時期だったのです。
ラファエル・デバースは6月15日のヤンキース戦の後、サンフランシスコ・ジャイアンツに移籍したのでした。
デバースがトレードされて最も喜んだと思われるのが他ならぬヤンキースであり、現在、肘のリハビリで離脱中のゲリット・コールであったと思われます。
レッドソックス側からするとデバースが不在となり、ヤンキース戦にいささかの不安材料が発生しました。これはヤンキース相手だけではなく、他のチームとの対戦もそうで、デバースという主砲がいなくなった中、そのオフェンス力を埋める力が必要になってきていました。
そのオフェンス力のマイナスを埋め、プラスへ変える力として期待されているのがルーキーのローマン・アンソニーです。加えて、アレックス・ブレグマン、ジャレン・デュラン、セダン・ラファエラ、ウィリャー・アブレイユ、吉田選手らの打線としての相乗効果でした。
この試合はそんなアンソニーがやってくれました!
ジオリト vs ヒル
先発はレッドソックスがルーカス・ジオリト、ヤンキースがルイス・ヒルの右腕同士の投げ合い。
ルイス・ヒルは今季、首の横から後ろにかけての「スミ(刺青)」が大きくなっていますね。下記は2024年11月にAL ROYを受賞したときの映像。これと比較すると今季はかなり面積がでかくなっています。
2024 AL Jackie Robinson Rookie of the Year Luis Gil reacts to this memorable moment with his closest people 🥹 pic.twitter.com/8fYO2QjR3Q
— MLB Network (@MLBNetwork) November 18, 2024
しかも首の右側には赤色も混じっているので「流血でもあったのか?」と錯覚してしまったほど。リハビリ中に思うところがあって入れたのでしょうが、ちょっと目立ちすぎますね。メジャーは「スミ」には甘いです。今は「スミ」をドレスコードにいれると選手が集まりませんから、致し方ないところなのでしょう。一方のルーカス・ジオリトも左腕に見事なもんもんが入っており、さながら「スミ」対決というマッチアップとなりました。
シーソーゲーム
ゲームの方は見ている分にはおもしろい展開となりました。ただ、ミスも多かったです。
レッドソックスは2回表に先頭の吉田選手がタイミングを外されピッチャー・ゴロに。打球が大きくはずんだこともあり、これをルイス・ヒルがミスキャッチ。吉田選手が出塁に成功します。
この後、セダン・ラファエラも抜かれてピッチャー・ゴロを放ち、1-4-3のダブルプレーになりかけたところを2Bのジャズ・チザムが1塁へ大暴投し、ラファエラはボール・デッドで2塁へ進塁。さらにこの後、ラファエラは3塁へ盗塁。
つづくデービッド・ハミルトンは四球で出塁し、カルロス・ナルバエスの打席で2塁へ盗塁。この時、捕手のベン・ライスが2塁へ送球し、これが暴投となり、レッドソックスはエラーがらみで1点を先制します。
なお、レッドソックスにもミスが出て、3塁へ進塁したデービッド・ハミルトンが油断して離塁したのをルイス・ヒルに牽制アウトされてしまいます。
1点を先制されたヤンキースでしたが、2回裏にイニング先頭で直前にミスをしたベン・ライスがRFへソロHRを放って同点に。これはジオリトの失投でど真ん中でした。
勝ち越したのはヤンキースで、4回裏、先頭のジャズ・チザム・Jr.がシングルで出塁すると2塁へ盗塁。これをポール・ゴールドシュミットがCFへのタイムリーで迎え入れ、ヤンキースが2-1とリード。
レッドソックスは直後の5回表にローマン・アンソニーの四球と2連打でノーアウト満塁のチャンスを作ると、トレバー・ストーリーは三振に倒れたものの、新戦力ナサニエル・ロウがCFへ犠牲フライを放って、2-2の同点に。
5回裏、ヤンキースは2アウト1、2塁のチャンスを作ると、2番手のジャスティン・ウィルソンからジャズ・チザムがタイムリーを放ち、再び勝ち越し。3-2とリードします。
このようにゲーム前半は互いのミスも絡みつつもシーソー・ゲームの展開。
ナサニエル・ロウとローマン・アンソニーが活躍
これはブルペンの差と言っていいのか、6回表、レッドソックスはヤンキースの新戦力、カミーロ・ドバルから1アウト1、2塁のチャンスを作り、ローマン・アンソニーが97.1mphの4シームをCFへ弾き返し、デービッド・ハミルトンを迎え入れ、3-3の同点に。
6回裏、レッドソックスは元ヤンキースのグレッグ・ワイザートがマウンドに上がり、ジャッジにシングルを許したのみで無失点で切り抜け、いい流れを作ります。
7回裏、レッドソックスはヤンキース3番手のルーク・ウィーバーから先頭のトレバー・ストーリーがシングルを放ってチャンスメイクすると、つづくナサニエル・ロウが右中間へ目の覚めるような当たりの2ベースを放ち、ストーリーを迎え入れて4-3と勝ち越し。この後、2アウト満塁でローマン・アンソニーだったのですが、ティム・ヒルから三振を奪われ、追加点ならず。
レッドソックスはスティーブン・マッツとギャレット・ウィットロックが7回、8回を無失点に抑え、さらに流れを引き寄せます。
9回表、ヤンキースは5番手にイェリー・デロスサントスを起用。1アウト後、デービッド・ハミルトンが1塁ゴロを放ち、これで2アウトかと思った瞬間。ポール・ゴールドシュミットがお手玉。
結局、このエラーが響いて2アウトからローマン・アンソニーに打席を回してしまいます。
その初球、イェリー・デロスサントスが失投。打ちやすい高さのスライダーとなり、これをアンソニーが強烈に弾き返し、打球はアッパーデックへ。打ち出し速度107.4mph、飛距離370ft (112.7m)。高く上がった打球は35度の角度を発生させました。
もはや「デバースがいなくても俺がいるよ」と宣言でもしたかのような存在感のある一発でした。
これでレッドソックスは9回裏をアロルディス・チャップマンで締め、6-3で勝利。今季の対戦成績を6勝1敗としました。
ブロンクスでの初ゲームでキャリア5本目のHRを放ったローマン・アンソニー。チャンスでHRも出しましたので、これからHRも増えて行きそうです。もはや2026年が楽しみ過ぎます。
レッドソックスはこの勝利で69勝59敗とし、ALワイルドカードの首位を走るヤンキース(69勝58敗)に0.5ゲーム差、ALイーストでは3位で、ヤンキースが2位ですが、首位のブルージェイズ(74勝54敗)に5ゲーム差と迫っています。
Gm2もアツい試合になりそうです。先発はブライアン・ベイヨーとマックス・フリードです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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