シーズン終盤への分岐点
現地2025年8月17日、パドレス@ドジャースのNLウエストの首位攻防戦のGm3が行われ、ドジャースがパドレスの粘りを交わし、最後は勝ち越し。接戦を制して見事にシリーズをスウィープしました。
パドレスはGm3はおもしろい展開に持ち込んだものの、このシリーズはこれまでの追い上げ疲れが出たのか、ちょっと元気のない戦いぶりでした。
シリーズ前の状態
このシリーズが始まる前、ドジャースはスウィープを目論んだエンゼルスとのハイウェイ・シリーズで逆にスウィープされてしまいます。その前のトロントとのGm3でも落としていたので4連敗でこのシリーズに入りました。
一方のパドレスは7月最後のメッツとのシリーズから5カード連続で勝ち越しを決め、最後は5連勝。この間、ドジャースの連敗も相まってNLウエストの首位を奪い取り、ゲーム差1.0をつけてのシリーズINという最高の状態で直接対決となっていたわけです。
GM1:LAD、カーショウが好投!
ダウン・サイクルのドジャースとアップ・サイクルのパドレスとの対戦ということで、これはもうドジャースはパドレスにコテンパンにやられるのでは?と予想しましたが、ここで力を発揮したのはベテランのクレイトン・カーショウでした。さすが、サイ・ヤング賞3度受賞の投手という素晴らしい投球を披露。
カーショウは2回表にラモン・ロレアーノにソロHRを浴びて1点を先制されましたが、ドジャースは3回裏にパドレス2番手ランディー・バスケスを攻め、大谷選手のダブルプレー崩れとムーキー・ベッツの犠牲フライというしぶい点の取り方で2-1と逆転。
この後、カーショウは6回までパドレス打線を封じ、これがドジャースへの流れを作りました。カーショウは結局、6回を投げて被安打2、失点1と好投。その後、互いに1点ずつ奪い合うも、ドジャースはブルペンが踏ん張り、3-2と勝利。この初戦の1勝は大きかったです。カーショウを讃える日となりました。
この勝利で勝率は再び並びました。
Gm2:ブレイク・スネルが力を発揮
迎えたGm2はドジャースがブレイク・スネル、パドレスがディラン・シーズが先発のマウンドに。ブレイク・スネルは非常に良いときの支配的な投球・・・というほどでもありませんでしたが、終始強いボールでパドレス打線を圧倒。肝心なところで仕事をさせませんでした。6回を被安打5、スコアレス、BB 2、SO 3と好投。
一方のディラン・シーズは悪かったです。立ち上がりにいきなりの3連続四球を与え、1回裏に3失点。ドジャース打線はスネルの投球に安心したのか、この日は伸び伸びで、2回にも2得点を上げると、5回裏にはテオスカー・ヘルナンデスのソロHRが出て6点目。
ドジャースはスネル降板後もブルペンが機能。6-0で勝利を納め、2連勝で再び首位となり、ゲーム差1.0をつけました。
通常なら0-6でも追い上げてくるパドレスですが、この日はこのシリーズの象徴的な戦いとなり、実に淡白でした。
Gm3の攻防
ダルビッシュ投手が1回に4失点
現地2025年8月17日、行われたGm3は日曜日ゆえデーゲーム。ダルビッシュ投手とタイラー・グラスノーが先発。
1回裏、ダルビッシュ投手は大谷選手にRFへ痛烈なシングルを浴びて出塁を許すと、ムーキー・ベッツには四球。そしてこの日、3番に入ったウィル・スミスはRFライナーに打ち取り1アウトを奪うも、4番のフレディー・フリーマンに2ストライク後の3球目の4シームが甘くなってしまい、CFへ3ランHRを浴びて3失点。
さらに2アウト後、アンディー・パヘスにはスプリットをうまく拾われてLFスタンドにソロHRを放り込まれ、4失点目。パドレスにとってはしんどい展開となりました。
パドレスが同点に追いつく!
それでもこの日、パドレスは意地を見せ、3回表にはフレディー・ファーミンとフェルナンド・タティス・Jr.のコンビで1点を返すと、5回表にはラモン・ロレアーノがこのシリーズ2本目となるソロHRを放って2得点目。
6回表には2番手アンソニー・バンダからギャビン・シーツとライアン・オハーンの2本の2塁打で3得点目を奪い、3-4と1点差に追い上げます。
さらに8回表にはアレクシス・ディアスの乱調でチャンスを作ると、ホセ・イグレシアスの内野ゴロの間に1点を奪い、ついに4-4の同点に追いつきます。
ドジャース、すぐさま勝ち越し
8回裏、トレード・デッドラインでアスレチックスから新守護神のメイソン・ミラーを獲得したパドレスは、これまでのクローザー、ロベルト・スアレスをセットアップに投入。
ところがスアレスはイニング先頭のムーキー・ベッツに痛恨の勝ち越しHRを浴びて、5-4と1点のリードを許します。
アレックス・ベシアが志願のイニングまたぎ
ドジャースは8回表途中から左腕のアレックス・ベシアを起用。ベシアは8回をしっかりと抑えてゲームは9回裏に。
ベシアは直近4試合で漏れなく1失点以上を喫し、特に12日のエンゼルス戦では6-5と勝利目前の9回裏に、リードを吹き飛ばす投球をして敗戦。忸怩たる思いを噛みしめておりました。
この日も1点をリードして最終回を迎えるという場面で、ベシアはロバーツ監督にイニングまたぎを志願。実はロバーツ監督も彼に最後を任せるつもりでおり、二人の思惑は一致。
そのベシアは9回表、パドレスの中心打者に回るターンで見事に力を発揮。先頭のフェルナンド・タティス・Jr.を1Bポップフライに打ち取り、ルイス・アラエズもスライダーでうまく抜いて1Bポップフライに。そして最後の難関、マニー・マチャードも93.9mphの4シームでファウルチップで三振を奪い、ゲームセット。見事三者凡退に斬って取ったのでした。
この投球はお見事でしたね。失点が続いていたのは疲れのせいもあったでしょうに、自らを奮い立たせ、悪い流れを力で断ち切った瞬間でした。
ドジャース、かなり優位に立つ
ドジャースはGm3の勝利により、ゲーム差を2.0に拡げました。
ドジャースはこの後、ロッキーズとの4ゲームシリーズでしかも舞台はコロラド。パドレスのおかげで正常化したチームはかなり優勢に戦うことが予想され、スウィープするかもしれません。
一方のパドレスはジャイアンツとの4ゲームシリーズでかなり気合を入れて臨まざるを得ないです。
そして8月22日から24日にかけてペトコ・パークで行われる3ゲームシリーズが今季最後の直接対決となります。
日程的にもドジャースがかなり優位です。
タイブレーカーになってもLADの勝利
ドジャースが圧倒的に有利なのが、パドレスとの直接対決で勝ち越しを決めていることです。
両クラブはここまで10試合を戦い、ドジャースが8勝2敗をマーク。もうこの時点で勝ち越しが決まっているのです。
これは大きな意味があって、もしもシーズン最後に勝率が並んだときに、1 Day プレーオフをやる前に直接対決の勝敗を見るのです。つまり、ドジャースはタイブレーカーも制していることを意味します。
この事実はかなり大きいです。ドジャースが優位なのは数字で出てしまいました。
もちろん、パドレスは勝率でドジャースを上回れば何のことはありません。
果たしてこのライバルの戦いはシーズン終盤にどうなるでしょうか?
お読みいただき、ありがとうございました。
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