ブレグマンのカブス入りの影響
今オフ未だFAのメジャー契約がないレッドソックスはアレックス・ブレグマンとのディールによりそれもここでストップ!という筋書きになるところでしたが、現地2026年1月11日、アレックス・ブレグマンはカブスに決定。
カブスとは2年越しの争奪戦で、今回は敗れました。
フェンウェイ・フェスタでも話題に
レッドソックスは現地2026年1月10日に「フェンウェイ・フェスタ」を実施。これは日本で言うところの「ファン感謝祭」で、日本ではシーズン終了後の勤労感謝の日前後に行われますが、メジャー・リーグの場合、年が明けてスプリング・トレーニングが開始される前に行われ、ここで主要選手が臨席し、メインはこれから始まるシーズンに向けてのファン向けの情報発信を行います。場合によってはそのシーズンに着用する新デザインのユニフォームがお披露目になり、FAで早めに契約の決まった選手も紹介されたり、怪我をしていた選手が近況を発表するなどします。
このフェンウェイ・フェスタでは未契約だったアレックス・ブレグマンは当然不在。しかし、彼との再契約が話題をさらいました。
当該イベントで、クレイグ・ブレスローCBO、アレックス・コーラらが2025シーズンのチームリーダーであったアレックス・ブレグマンの復帰を希望しましたが、その当日にカブスとの合意が判明したのでした。
若手のコーチ役
ブレグマンの喪失で痛いのは彼がマーセロ・マイヤー、ローマン・アンソニーらルーキー達の指南役でもあったことです。シーズン中、ダグアウトでのブレグマンの隣には彼らがおり、ひそひそと彼らになにかを伝えているシーンはよく映されており、彼らもリーダーであるブレグマンの助言に熱心に耳を傾けていました。
これから指南役はトレバー・ストーリーが中心になりそうです。
デバース喪失も再び痛打に
そして何より、ブレグマンのディール失敗は、アイコン的存在のラファエル・デバースの2025年6月のトレードが結果的に無になってしまったことが痛打となっています。無になったというのはいささか大げさですが、やはりそれくらいの影響を感じざるを得ません。
2025年2月にアレックス・ブレグマンとのディールを決めたときに、筆者などは2Bとしてブレグマンを入れたのかと思っておりました。ブレグマンは内野のユーティリティーですから。
レッドソックスがブレグマンを獲得し、フロントとデバースとの確執が明らかになったのは、複数の要素があります。
一つはクラブ側としてまずはエラーを減らすことをそもそも課題に掲げ、これはファンも一致していたことでもありました。デバースは前の処理は非常にうまいのですが、強いゴロに対する処理を時折ミスする傾向があり、2017年から2024年までの3Bとしての累積のDRSはなんと-61。同期間の3BとしてのOAAは-27でした。この数値は改めて見ますと、コンバートも已む無しという状態でした。
DH→1Bへの依頼
守備を堅めたいレッドソックスはブレグマンを3Bに据え、尚且つ吉田選手が右肩の手術で開幕に出遅れることが決まっていてたのでデバースをDHに据えることを決断。
これにデバースは怒ったのです。そもそもブレグマンの獲得に対してポジションがかぶるデバースに一言も無かった点がデバースとしてはまず気にいらなかったところでした。
しかしデバースはDHを受け入れ、当初は守備につかないことでリズムを掴めず苦戦したのですが、その後はペースを取り戻して復調。
これでやれやれ落ち着いたと思ったところ、新たなトラブルが発生。今度は1Bのトリストン・カサスが現地2025年5月2日のフェンウェイ・パークでのツインズとのGm1で左膝蓋腱(ひだりひざしがいけん)を断裂。シーズン・エンドとなったのでした。
この緊急事態に現場及びフロントはデバースに1Bに就くことを要請。しかし、ここで再びデバースはフロントに不満を積もらせます。すでにDHを受け入れたというのに、今度は1Bか?と。そしてこれを拒否。
オーナーまで出てきてデバースにコンバート受け入れを促すも決裂。フロント側は11年/$331Mの契約にはこういった事情への対応も含まれた契約であると主張。
これで決裂した両者はまさかのラファエル・デバースをジャイアンツへトレード。
RBIの多いデバースを失ったことで得点力不足が懸念されましたが、レッドソックスとしてはまだ未知数だったものの、その枠に、ローマン・アンソニーを起用する選択肢を実行したのでした。
こうなった以上、将来を感じさせる良い選択肢ではありました。ところが、ポイントゲッターとして機能し始めたアンソニーも腹斜筋を傷めてシーズン・エンドとなり、得点力を失ったレッドソックスはブレグマンも9月は低調で、シーズン終盤にラッシュをかけることが出来ずに前半の貯金でなんとかポストシーズンに入るも、ワイルドカード・シリーズで敗退したのでした。
このようにレッドソックスはブレグマンを獲得したことでいざこざが発生し、まずはラファエル・デバースを失い、今度はその原因となったブレグマンさえも失い、2年でチームの中心打者2人を失ったのでした。いかにも自滅。
フロントは消極的
1ファンとしてはデバースがエラーしようが、コンバートを拒否しようが、打てば問題ありませんでした。2025年はシーズンを通して.252/.372/.479、OPS .851、HR 33、RBI 109。ほぼ2024年と変わらない数字でやはり勿体なかったですね。
デバースの件は、まずクレイグ・ブレスローのコミュニケーションのミスがそもそもありました。ただし、デバースもデバースで1プレーヤーであることを忘れていた感があるのも事実です。チームリーダーとしての行動として批判が集まったのも事実。このあたりの子供っぽいところもフロントは考慮に入れる必要があったのかもしれません。
ブレグマン喪失はオーナーのジョン・ヘンリーの下、30代の選手への巨額の資金援助に消極的だった点がそもそも逃した要因でもあります。
実はここは筆者もオーナーと同感です。ブレグマンは確かにいいコンタクト・ヒッターでしかもコーチ役としても計り知れない価値をもたらしていた良い面があったものの、数字が落ちてきているのも事実。そもそもデバースを失わない選択をしてもらいたかったのですが、2人を失った今、新たな選択をしないといけません。
今オフのBOSのディール
レッドソックスは今オフ、ローテーションとしてはトレードでソニー・グレイを獲得。そしてオフェンス面ではクリスマス直前に1Bのウィルソン・コントレラスを獲得し、アップグレードを試みてはおります。
打線で欲しいのは右打者。ブレグマンも大きな選択肢の一つでしたが、方向転換を迫られることになりました。ここで浮上してくるのが未契約のボー・ビシェット。
ビシェット獲得に動くか?
レッドソックスの選択肢は、1つは野手の獲得をこれでストップし、資金をリリーバーに振り向けること。SSをトレバー・ストーリー、3Bをマーセロ・マイヤー、2Bをクリスチャン・キャンベル、1Bをウィルソン・コントレラスの布陣で、バックアップでロミー・ゴンザレス、トリストン・カサス、デービッド・ハミルトン、ネイト・イートンの布陣で行くか。
あるいはやはりFAの右打者を狙うかどうか。
そうなると最適なのがブルージェイズからFAのボー・ビシェット。これまでSSとしてプレーしてきたビシェットは、2Bへの転向にも意欲を示しており、SSのトレバー・ストーリーがあと2年の契約を残しているため、なおのこと最適です。しかもビシェットは2026年は28歳のシーズンで30歳手前。
ただし、ビシェットのマーケットはここ数日、活況を呈しており、フィリーズが猛プッシュしております。フィリーズも内野のSS、2B、3Bは固まっている中、3Bのアレク・ボームをトレードに出す気でしょうか?2Bはブライソン・ストットでいい選手で、SSはいわずとしれたトレイ・ターナーです。
ビシェットが争奪戦になると、契約はメガ・ディールとなるのは必至。彼は本来はブルージェイズとの再契約を望んでおりましたが、ブルージェイズはディラン・シーズらの獲得で資金を使っているため、もはやビシェットに振り分ける余裕はない模様。
しかも、ビシェットとすればチームメイトのゲレロ・Jr.が14 年/$500M (2026-39)で延長契約した以上、それに見合ったディールを求めてくるでしょう。ただ、ゲレロはシルバースラッガー賞2度など輝かしいアウォードがあるものの、ビシェットには際立ったアウォードはなく、AL最多安打2回というのはあります。右打者で2021年は191安打を放ちました(2022年は189安打で1位)。したがってゲレロ・Jr.のディールまでは行かずとも、$300Mくらいはいるかもしれません。
ユーヘイニオ・スアレスという選択も
ビシェットを逃した場合、ユーヘイニオ・スアレスという選択肢もあります。2025年に49HRを放っていますが、打率は.220-.230くらいを覚悟する必要はあります。
BOSの贅沢税
レッドソックスの現時点の40manロスターの贅沢税上のサラリーは閾値$244Mに対して$239.7M。
2025年は超過となりましたので、ビシェットなりスアレスなりを獲得するとなると、2026年も超過が決定し、2年連続超過に。
今オフは渋い決断の多いレッドソックスがどう動くのか、注目したいです。
お読みいただき、ありがとうございました。









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