2022、23年とブルペンでERA2点台をマーク
現地2025年12月27日、シカゴ・カブスはロイヤルズからFAとなっていたリリーバー右腕のハンター・ハービー(Hunter Harvey)と1年契約で合意しました。
現時点でフィジカル・チェックの結果待ちであり、チェックにパスすればオフィシャルとなります。ハンター・ハービーのエージェントはBHSCことビバリーヒルズ・スポーツ・カウンシル(Beverly Hills Sports Council )で、有名どころではドジャースのミゲル・ロハス、そして2020年から2022年まで阪神に在籍し、その後ソフトバンクに移籍した右腕のジョー・ガンケル(Joe Gunkel)などが顧客です。
契約内容
合意した契約は現時点では1年契約としかわかっていません。分かり次第、更新します。
前の契約
ハンター・ハービーの前の契約はロイヤルズと調停を避けてサインした1年/$3.7M (2025)。ハンター・ハービーは今オフ、FA資格に到達しております。
FAに向けた調停のファイナル・イヤーで怪我をして2025年は12試合しか登板しなかったので、契約内容的には痛かったです。ヘルシーならマルチイヤー・ディールは確実でした。
2026年を復帰イヤーとし、その実績を引っ提げてオフに再度FA市場へというところでしょう。ハンター・ハービーは1994年12月9日生まれで現時点で31歳。市場で良い契約を勝ち取るのは2026年オフが最大のチャンスになりそうです。
2025年、怪我に見舞われたハービー
2025年にハンター・ハービーを悩ましたのは2つの怪我で、1つは春から夏にかけての右肩大円筋の損傷で、これでシーズンの大半を棒にしました。もう一つは夏に復帰してからの右足内転筋の捻挫です。
右肩大円筋の損傷
これは背中上部や肩の筋肉の損傷のことで、鋭い痛みを伴い、腕の動きの緩くします。特に後ろに引く、下げるという動作に大きく影響。腫れを伴い、あるいは肩または上腕の後ろ側にあざ作ることもあります。
これはもう投手なら多数が経験しており、Dバックスと再契約したメリル・ケリーも2024年に患いましたし、マックス・シャーザーらも経験済み。
ハンター・ハービーの場合は、開幕からロスターに入っていたものの、4月7日までに6試合に登板したところでこの右肩大円筋の損傷を発症。4月11日にIL入りとなりました。それまでのERAは0.00。
その後、7月にはリハビリ登板をスタートし、7月27日に復帰。復帰後は6試合に登板し、またもERA 0.00をキープ。ひょっとしたら、ロイヤルズのポストシーズン・プッシュを可能にするか?と思われるほどの出来でした。
右内転筋の捻挫
ところが、今度は復帰後6試合目となった8月9日のツインズ戦で7回裏に登板して1イニングを無失点に抑える好投を見せたのですが、翌10日に歩行時の違和感を発症。
検査の結果、右足内転筋にグレード2の損傷があることが発覚。再びILとなり、この8月9日の登板がシーズン最後になってしまいました。
2025年はシーズンを通してわずか12試合、10.2イニングに登板にとどまったのですが、ERAは0.00をキープしたというヘルシーならかなり良かったという悔しいシーズンとなってしまいました。
ハンター・ハービーとは
ハンター・ハービーは2013年のオリオールズの1巡目指名、全体22位でプロ入り。プロ入り当初は先発として鍛えられえいました。
お父さんは元メジャーリーガーで、リリーバー右腕であったブライアン・ハービー(Bryan Harvey)で、1987年から1995年までエンゼルス、マーリンズで活躍。2度のオールスター出場を果たし、通算177セーブを記録しており、いわば野球のサラブレットです。
ドラフト・イヤーにプロデビューを果たし、2年目の2014年にはクラスAのデルマーバ・ショアバーズに昇格して18試合に先発し、7勝5敗、ERA 3.18をマーク。87.2イニングで106奪三振を記録するなど順調な成長を見せていました。
2015年にマイナーでTJ手術を経験
ところが、2015年のスプリング・トレーニングでまず右腓骨を骨折して6週間ほど離脱すると今度は右肘の屈筋腫の捻挫を発症。最終的には翌年にトミー・ジョン手術を受けることととなりました。
2016年終盤に復帰したものの5試合のみの登板で終了。2017年も8先発のみの登板に終始したもののERAは0.96と調子を上げて行きました。
2018年はダブルAに昇格し、9試合の先発のみで、ERAは5.57。2015年からの4シーズンはなかなか思うように投げられず、苦戦しました。
2019年はダブルAからスタートし、14試合中11試合に先発して、ERAは5.19。そしてトリプルAに上がってからはブルペンに転向。12試合でERA 4.32をマークし、この年完全に投壊したオリオールズのメジャー・ロスターに入りました。
2019年にメジャー・デビュー
2019年は8月7日にデビュー。24歳のときでした。7試合、6.1イニングでERA 1.42、奪三振は11。2020年と2021年にはそれぞれ10試合と9試合に登板し、0勝2敗、ERA 4.15、0勝0敗、ERA 4.15。この時期は広背筋を傷めていました。
2021年終了後は2度ウェーバーにかけられ、ナショナルズが獲得。
ナショナルズで頭角を現す
これが彼にとって大きな浮上のきっかけとなり、2022年はナショナルズで38試合に登板し、39 .1イニングで2勝1敗、ERA 2.52、SO 45を記録。
2023年はメジャーでの初のフルシーズンとなり、57試合に出場し、4勝4敗、ERA 2.82、10セーブを記録。60.2イニングでSO 67奪三振、10セーブという優れた成績を残しました。
2024年はナショナルズでの投球成績は振るわなかったものの、オールスターブレイクまでに43試合に出場し、クローザーのカイル・フィネガンのセットアップマンとして2勝4敗、ERA 4.20を記録。7月13日にプロスペクトのケイデン・ウォレスと、翌日行われた2024年ドラフトにおけるロイヤルズのコンペティティブ・バランスAの指名権(全体39位)と引き換えに、カンザスシティ・ロイヤルズへトレード。
ロイヤルズでは故障がち
ロイヤルズに移籍後は5.2イニングしか投げられず、あまり貢献出来ず。
そして2025年もロイヤルズでは12試合のみにとどまったという流れです。
特徴
ハンター・ハービーは強打を許しやすい面もありますが、制球力と奪三振能力に長けているため、走者を許しても窮地を脱することができます。2025年の4シームのアベレージは96.1mph。好調だった2023年は98.3mphを記録しているため、やや低下していますが、故障が癒えれば4シームのベロシティーも復活する可能性は大です。
カブスのブルペン
カブスはダニエル・パレンシアが引き続きクローザーの第一候補で、ハンター・ハービーは9回を投げる経験を持つリリーフ投手として、ある程度のバックアップともなり得ます。
フィル・メイトン、ハンター・ハービー、ホビー・ミルナー、ジェイコブ・ウェブ、そしてケイレブ・シールバーとリリーフ陣の抜本的な刷新を静かに進めていると言っていいでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。




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