今季4勝の期待のプロスペクトが離脱へ
かなり残念なニュースが入ってきました。残念というか残酷なニュースです。
2024年にデビューし、その完成度の高さから非常に期待されていたデトロイト・タイガースのトップ・プロスペクト右腕のジャクソン・ジョーブ(Jackson Jobe)がトミー・ジョン手術を行うことが明らかになりました。
これは本当に残念です。
ジャクソン・ジョーブは5月30日時点で右前腕部のハリで15 Days ILに入っていました。
復帰は2027年
これによりジャクソン・ジョーブは2025シーズンの残り期間と2026シーズンの全休がほぼ決定しました。
再建型のトミー・ジョン手術なら復帰は14ヶ月から18ヶ月。仮にノーマルなスケジュールなら18ヶ月かかりますから、これから手術するとして18ヶ月後は2026年12月半ば。もう2026シーズンは終わっています。
これは時期的にはDバックスのコービン・バーンズと同じスケジュール。ただ、長期契約しているベテランは復帰まで18ヶ月もかけないことも多く、コービン・バーンズの場合はひょっとしたら2026シーズンの後半に復帰するかもわかりません。
しかしまだルーキー・ステータスで22歳のジャクソン・ジョーブなら、タイガースは無理させないでしょう。ゆえに2027年の開幕に照準を合わせるくらいに考えると思われます。
ケイシー・マイズもプロスペクト時代にTJ
なお、今のタイガースのローテーションで言えば、今季6勝をマークしている(現地2025年6月12日時点)ケイシー・マイズもプロスペクト時代の2022年6月にトミー・ジョン手術を行っています。
ケイシー・マイズは2018年のアマチュア・ドラフトの全体1位指名の右腕で、期待通りに2020年にデビューを果たしたのですが、2021年に7勝を上げ、さあこれからという2022年6月にトミー・ジョン手術を実施。2024年は苦戦して2勝に終わったものの、今季はキャリアハイの勝利数をマークしそうです。
プロスペクト時代の怪我ということであれば、2024年にサイ・ヤング賞を受賞したタリク・スクーバルは、2020年のデビュー後は2022年5月に足を傷め、8月には左肘の炎症を発症しました。タリク・スーバルは大学時代の2017年にトミー・ジョン手術を行っていることから、クラブ側もこれには神経を使いました。さらに2023年には屈筋腱の手術を行いシーズンデビューが夏になり、それが癒えて2024年の大ブレークとなっています。
さらに同時期のプロスペクトとして注目されたマット・マニングはデビューは2021年となり、デビュー後は割と順調ではありましたが、2024年に右広背筋を傷めてからはリハビリに時間を要し、現時点でようやくマイナーでのリハビリを開始したところです。
ジャクソン・ジョーブの場合、ケイシー・マイズのケースと似ているところがあります。術後の復帰はケイシー・マイズが27歳のシーズンだったのに対し、ジャクソン・ジョーブは2027年の復帰ですと25歳ですから、まだ2歳若いです。
MLBトップ候補の逸材
ジャクソン・ジョーブは2002年7月30日生まれの22才。2021年のアマチュア・ドラフトのタイガースの1巡目、全体順位3位での指名でした。高校卒でのプロ入りです。
2022年のプロ初年度でクラスA、クラスA+の2つのレベルで計21試合に先発。77.1イニングを投げ、ERA 3.14。2023年はルーキー・リーグからスタートし、クラスA、クラスA+、ダブルAまで経験。計16先発し、このうちクラスA+での登板数が8試合と最も多く、40.0イニングで被安打39、失点17、ER 16、被本塁打7、BB 3、SO 54をマーク。SO9は12.2でBB9はたった0.7。
コントロールがよく、コマンドの精度を上げていく段階です。被安打が多めなのはそれだけゾーンを捉えているからで、完成度の高さを伺わせます。ボールも非常に強いですし、まだまだ伸びしろも多いようです。
Pre-2024のプロスペクト・ランクは25位で、ETAは2025年と予想されていましたが、2024年のデビューとなりました。
ファスト・ボールは100mphを超え、カットとチェンジアップの精度も良く、まさに将来のMLBを背負って立つほどの逸材。
このままメジャーで実績を積んで行こう!というところでしたので、今回は手術は本当に残酷な域です。
今季は10先発で49.0イニングを投げ、4勝1敗、ERA 4.22、SO 39、BB 27。今季のERAがやや高めなのは故障が原因だったということでしょうね。
とにかく完治してまたメジャーのマウンドに戻ってもらいたいです。
お読みいただき、ありがとうございました。
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