2024年にオールスターに出場
2024年、チーム状態がよくない中、ローテーションの柱として前半だけで8勝(6敗)をマークし、そのリラックス投法でオールスターにも出場したタナー・ハウク(Tanner Houck)が、現地2025年8月2日、トミー・ジョン手術を受けることが明らかになりました。
復帰時期は2027年が濃厚
タナー・ハウクはこれから肘にメスを入れることになるのですが、タイミングが悪く、復帰は2026年終盤もおそらく見送られることになり、2027年の復帰が濃厚。
手術はおそらく再建型のトミー・ジョン手術と見られ、そうであれば復帰まで余裕をもったスケジュールだと18ヶ月です。そうなると、2025年のオフシーズンもカウントに入れなければならず、2027年の復帰となるのが濃厚です。
万が一、インターナル・ブレース手術であれば、12〜14ヶ月ほどで復帰できたケースもありますが、、そうでなければ再建型で上述の時間がかかります。
また、タナー・ハウクの年齢は現時点で29歳(1996年6月19日生まれ)で、リハビリの失敗はもはやキャリアの命取りになるので、2025年と2026年を犠牲にしてでも未来につなげる決断はしていくと思います。
右のクリス・セール
タナー・ハウクは右のクリス・セールと言われていたほど、両者のメカニクスはよく似ています。
The Top 2 Sliders in MLB (in terms of run value):
— Rob Friedman (@PitchingNinja) May 27, 2024
Tanner Houck & Chris Sale pic.twitter.com/S0AGIjMX1L
そのクリス・セールがトミー・ジョン手術を行ったので、ハウクもやがて・・・というのは予想は出来ておりました。もちろん、UCLの頑丈さや登板履歴などに個人差はあり、必然なわけではありません。しかし、メカニクス的に肘への負担は似通っていると見てよかったと思います。
タナー・ハウクとは?
タナー・ハウクは2017年のアマチュア・ドラフトでレッドソックスの1巡目(全体24位)で指名されてプロ入り。2020年(短縮シーズン)にメジャー・デビューし、3勝0敗、ERA 0.53をマーク。
2021年は開幕はアクティブ・ロスターだったものの、一旦はマイナーに行くなどスロー・スタートのシーズンとなりましたが、6月以降は安定。シーズンERAは3.52にまとめました。この年のポストシーズンではワイルド・カードではリリーフとして好投。レイズとのALDSでもリリーフで好投。チームのALCS進出を後押ししました。
2022年も主にリリーフとして登板し、32試合うち4試合の先発をこなし、60.0 IPで5勝4敗、ERA 3.15、8セーブを記録。これにより、ハウクはボストンのトップピッチャーのポジションを得ることに。
2023年からはフルタイムの先発として稼働。この年は6月16日のヤンキース戦で、5回裏にカイル・ヒガシオカのピッチャー・ライナーが顔面が直撃。結果、骨に金属プレートを挿入する手術を受けたほどの大怪我を負ったのでした。2ヶ月後の8月22日に復帰。結果、2ヶ月の離脱にも関わらず、21試合に先発して6勝10敗、ERA 5.01を記録。106.0イニングはキャリアハイの投球回数であり、SO 99は自己ベストとなりました。
2023年までは腰痛などもあり、なかなかフル稼働とはなりませんでしたが、2024年に30試合に先発し、ERA 3.12を記録し、上述のようにオールスターにも選出されたのでした。
2025年は苦戦
2025年はローテーションのNO.2として稼働し始めましたが、4月14日のレイズ戦で、3回途中、失点12(ER 11)などたびたびラフ・アウティングが続き、5月14日には右屈筋回内筋の張りで15 Days ILに入り、その後、6月半ばにはマイナーでリハビリ登板にアサインされました。
ダスティン・メイ加入もハウクと関係
ところが復帰することなく7月31日に60 Days ILに移行。ドジャースからダスティン・メイを獲得したのはハウクのIL延長の穴を埋めるためでもありました。
この時点で、CBOのクレイグ・ブレスローはハウクのシーズン・エンドも示唆しておりましたが、今回、アレックス・コーラの発表により、ハウクはトミー・ジョン手術となったのでした。
同時期にはハウクはセカンド・オピニオンを求めていたので、もはや手術は決定的という状況でもありました。
レッドソックスの長期離脱の投手
レッドソックスの投手陣は期待のリリーバー、ジャスティン・スレイトゥンが右肩の炎症で復帰は9月の見込み。投げては炎上したかつてのホワイトソックスのクローザー、リアム・ヘンドリクスは右股関節の影響でおそらく今季はシーズン・エンド。
先発のハンター・ドビンズはベースカバーに入った際に右膝ACLを断裂で手術。今季はシーズン・エンドです。
カッター・クロフォードは7月2日に右手首の尺側手根伸筋の安定鞘の再建手術を受け、こちらもシーズン・エンド。
リリーバー、ルイス・ゲレーロも右肘ハリで60 Days IL。まだトミー・ジョン手術の話は出ていません。
ジャスティン・スレイトゥン、タナー・ハウクは実力の割に炎上が続いていましたが、そもそも怪我を負っていたということですね。
開幕前、右肘痛で出遅れたブライアン・ベイヨーがよく戻ってローテーションを守ってくれているとは思います。
お読みいただき、ありがとうございました。
コメント