奇跡的な勝利
現地2025年7月23日、レッドソックスはロード・シリーズの最後、フィリーズとのGm3。
Gm1、Gm2と連敗したレッドソックスでしたが、この2戦の戦い方は決して悪くなかったです。Gm1はカルロス・ナルバエスがキャッチャー・インターフェアレンスでサヨナラ負けを喫したのですが、それ以前にジョーダン・ヒックスのコントロールが無茶苦茶だったので、失点は見えていました。この日は先発のW・ビューラーが苦戦しながらも2失点(ER 1)で抑えたのがかなりの収穫であったと思います。フィリーズはザック・ウィーラーの登板日でしたから。
Gm2はクリストファー・サンチェスにくるくると回されましたが、打てない時は仕方ありません。それでも3回以降、投手陣が無失点に抑えたことが収穫でした。
迎えたGm3、一矢報いるか?というところでしたが、スタートは最悪でした。
ジオリトが4被弾
レッドソックス先発のルーカス・ジオリトは、1回裏、トレイ・ターナーにしぶとくLF前シングルを許すと、つづく2番のカイル・シュワーバーに2ボールからチェンジアップが高めに入り、ものの見事に右中間スタンドに放り込まれてまず2失点。カイル・シュワーバーは今季第34号のHRでした。
ハーパーが350号
さらに3番1Bのブライス・ハーパーには初球の4シームがと真ん中に入ってしまい、当然のごとくRFスタンドに放り込まれ、Back to Back HRを許し、3失点目。ブライス・ハーパーはこれで今季14号で、キャリア通算350号を達成しました(おめでとうございます!)。
まだノーアウトでしたが、この後は1BBのみでなんとか抑えて1回裏は3失点。
2回裏はブライソン・ストットに2塁打を打たれ、スチールもあって2アウト3塁でカイル・シュワーバーという嫌な場面に遭遇しましたが、ここはLFフライに抑えて無失点。
3回裏は1アウトからニック・カステヤーノスにLFへソロHRを打たれて1失点。さらに4回裏もブライソン・ストットにソロHRを打たれて1失点。
ジオリトは結局、4回で降板。57球で被安打6、失点5、自責点5、BB 1、SO 2、HR 4と非常にまずいスタートを切ったのでした。元ナッツですので、クセでも掴まれていたのか?とも思いましたが、打たれたのは全部甘かったです。
このように最悪のゲームインとなり、不利なブルペン・ゲームに持ち込まれたにも関わらず、このゲームをものにしたというのがちょっと奇跡的ではありました。
5回に大逆転!吉田のリードオフ・ダブルがきっかけ
0-5と大幅リードを許したレッドソックスでしたが、5回表になんと大逆転を見せました。
それまで前日のクリストファー・サンチェス同様、左腕のヘスス・ルザルドのスライダーに苦戦していたレッドソックスでしたが、イニング先頭の吉田選手がRF線に二塁打を放ち、これがきっかけで大逆転が始まります。
詳細はこちらです。
- 吉田:RF線にリードオフ・ダブル
- ラファエラ:ストレートの四球
- アブレイユ:スウィーパー3連続で3球三振(1アウト)
- ナルバエス:チェンジアップをSSポップフライ(2アウト)
- マイヤー:フルカウントから四球(2アウト満塁)
- レフスナイダー:
- キャッチャーフライをリアルミュートが見失う
- 押し出し四球(BOS 1 @ 5 PHI) (2アウト満塁)
- デュラン:押し出し四球(BOS 2 @ 5 PHI) (2アウト満塁)
- ロミ・ゴン:左中間へグランドスラム(BOS 6 @ 5 PHI)
- ストーリー:3Bゴロ
四球と幸運
やはりこのような大逆転劇を演じるには相手側のミスも必要で、この日はヘスス・ルザルドの4 BBがアシストすることになりました。このイニングに急に荒れました。
さらに得点は2アウトから入っていることに注目して欲しいのですが、ロブ・レフスナイダーの打席で1-1カウントからキャッチャー・フライが上がり、ファウルのフィールドに落ちたフライだったのですが、JT・リアルミュートがこれを見失い、レフスナイダーがサバイブしました。これがもし捕られていれば、3アウトで大逆転はなかったのです。なぜこんなことが起きたのか?それも不思議なポイントでした。
7回途中からチャップマンを投入
6-5のスコアのまま進んだ7回裏、レッドソックスはGm1で大荒れだったジョーダン・ヒックスを投入。2アウトまで奪うも、トレイ・ターナーに二塁打を打たれてカイル・シュワーバーを迎えることに。
ここでアレックス・コーラ監督は決断。なんとアロルディス・チャップマンを投入することに。確かにカイル・シュワーバーに逆転2ランHRを許しそうな展開でしたので、この起用はなかなかすごいなと思いました。
チャップマンは100.1mphのシンカーでシュワーバーを2Bポップフライに仕留めて、このピンチを防ぎました。
リアルミュートが同点HR
レッドソックスは8回裏もチャップマンを引き続きマウンドに。ハーパーとカステヤーノスに当たるターンでしたから。チャップマンはこの二人を抑え込んで2アウト。やれやれというところだったのですが、ここで5回表にキャッチャー・フライを見失い逆転の要因の一つとなったJT・リアルミュートが甘いコースの96.7mphのシンカーをCFに運ばれ、なんと6-6の同点に追いつかれてしまいます。
大守護神のチャップマンが打たれたのですから、レッドソックスとしてはまたも大ピンチという状況に。チャップマンは8回裏も投げきり、1球に泣いたというところです。
延長11回にC・ナルバエスが決める!
ゲームは延長に入り、10回表、レッドソックスはトレバー・ストーリーのタイムリー・ダブルで7-6と1点を勝ち越し。
しかし、その裏、グレッグ・ワイザートがカイル・シュワーバーにタイムリー・シングルを打たれて再び、7-7の同点に。
11回表、レッドソックスは1アウトから、カルロス・ナルバエスがセス・ジョンソンからLFスタンドぎりぎりに入る2ランHRを放ち、これが決勝点に。延長で2点の差をつけたのは大きかったです。これで9-7。
11回裏、ホルヘ・アルカーラが2アウトを奪うも、ヨハン・ロハスにタイムリー・シングルを打たれて8-9の1点差に。
レッドソックスは左打席のマックス・ケプラーを迎えたということでここで左腕のブレナン・バーナディーノの託します。この日のバーナディーノは強気にいずれもゾーンで勝負。マックス・ケプラーとの対戦はボール無しのファウルの嵐で0-2カウントのまま6球目。アウトハイにシンカーが決まってケプラーは三振。レッドソックスが9-8で勝利を納めたというゲームでした。
ブルペンがまた良い仕事
6月まではブルペン・ゲームとなると不安しかなかったレッドソックスでしたが、この日もジオリトが4回で降板後、ジャスティン・ウィルソンが5回、6回をスコアレスに抑えてゲーム・メイク。
7回はジョーダン・ヒックスとチャップマンで無失点で、8回のHRは致し方ないとして、ギャレット・ウィットロックが9回裏を抑えたのも大きかったです。
ワイザートはやはり打たれてしまいましたが、その後、アルカーラとバーナディーノのよく抑えたと思います。ブルペンがいい仕事をしましたね。
さて、これでロード・シリーズが終了。今度はホームに帰ってドジャース戦です。たぶん、翔平が投げてきますね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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