2025 ルーキー・オブ・ザ・イヤー
現地2025年11月9日になりますが、2025年のROY(Rookie of The Year)が発表され、ア・リーグはアスレチックスのニック・カーツ(Nick Kurtz)、ナ・リーグはブレーブスのバックストップ、ドレイク・ボールドウィン(Drake Baldwin)に決定しました。おめでとうございます!!
(AL)結果を出したA’sの2人
まずALですが、今季は個人的にはレッドソックスのローマン・アンソニーにも攻め込んでもらいたいところでしたが、いかんせんアスレチックスの2人が凄すぎました。
ジェイコブ・ウィルソンは高打率をマーク
筆者が昨年から推してきたのは、超絶SSと言われたジャック・ウィルソンを父に持つジェイコブ・ウィルソンでした。なんと言ってもバッティング・アベレージが新人としては驚異的な.311をマーク。これは両リーグ通じてボー・ビシェットと並んで2位タイ。しかも、6月8日時点まで.370をキープしていたという恐ろしい数字をマークしていたのです。これはROY当確かと思われました。ところが、その足元をすくったのが、同じアスレチックスで今回ROYを受賞したニック・カーツです。
ニック・カーツはさらにJ・ウィルソンを超える
ニック・カーツは2025年4月23日にメジャー・デビュー。ドラフトは2024年のアスレチックスの1巡目指名で全体順位は4位。ドラフト・イヤーの翌年に即デビューしたトップ・プロスペクトはそもそもは全体1位で指名されてもおかしくはなかった逸材。
ジェイコブ・ウィルソンは2023年に一足早くデビューし、開幕から打ちまくり、ニック・カーツのデビュー時にはすでにBA.337をマーク。この時点ではもうジェイコブ・ウィルソンがROY競争において突っ走っていたわけです。
ところが、ニック・カーツはデビュー戦(4月23日)でまずは1安打を放つと、そこから1試合に1安打のペースでヒットをコツコツと打ち続けました。ただ、当初はメジャーのボールに馴染む期間となり、なかなかHRが出ず、初HRはメジャー17試合目の5月13日のドジャース戦。
そこからのニック・カーツは5月後半にかけての半月で5HRをマーク。6月には7HRをマークし、7月にはオールスター・ブレイク期間があったにも関わらず、HR 11本を量産。これがすごかったですね。8月は疲れも出て4本と落ちましたが、9月には9本をマーク。結果、HR 36、RBI 86、BA .290をマーク。デビューが遅かったので規定打席には届きませんでしたが(PA 489)、6月、7月にジェイコブ・ウィルソンを霞ませる活躍を見せたのでした。
NLは混戦
NLの方は際立った活躍を見せた選手がそれほどおらず、誰になるかは不透明な状況に。カブスのPCAは2024年にルーキー・ステータスを超えておりました。
シーズンの最終盤で力を見せた佐々木朗希投手もシーズンの大半はILでした。
そしてセンセーショナルだったジェイコブ・ミズロウスキーはデビュー時期(6月9日)が遅かったですね。今季でルーキー・ステータスを超えております。
投票のルール
投票方法は全米野球記者協会(BBWA)に所属する会員の中の30人が、3名を1位から3位まで記載。ポイント制となっていて、1位は7点、2位は4点、3位は3点、4位は2点、5位は1点が付与され、合計点が表示されます。
投票結果
ALは、N・カーツが満票
ALはニック・カーツの満票で決まりました。ジェイコブ・ウィルソンは2位、ローマン・アンソニーが3位に。
アスレチックスは1、2フィニッシュです。ラスベガス移転に向け、着々と準備している様子がよくわかります。
ALで満票となったのは14人目で直近では2023年のオリオールズのガナー・ヘンダーソン以来。アスレチックスではマーク・マグワイア(1987年)以来2人目の満票。なお、アスレチックスからのROYはこれで9人目でヤンキースの10人に次いで多い数字となります。
| Name | 1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | Points |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニック・カーツ (Athletics) | 30 | 210 | ||||
| ジェイコブ・ウィルソン (Athletics) | 23 | 4 | 1 | 1 | 107 | |
| ローマン・アンソニー (Red Sox) | 3 | 15 | 5 | 5 | 72 | |
| ノア・キャメロン(Royals) | 3 | 7 | 8 | 5 | 54 | |
| コルソン・モンゴメリー(White Sox) | 1 | 5 | 9 | 23 | ||
| カルロス・ナルバエス(Red Sox) | 2 | 5 | 5 | 21 | ||
| ジャック・ライター(Rangers) | 1 | 1 | 1 | 6 | ||
| ウィル・ウォーレン(Yankees) | 1 | 1 | 5 | |||
| ルーク・キーシャル(Twins) | 1 | 1 | 3 | |||
| ブレイドン・フィッシャー(Blue Jays) | 1 | 2 | ||||
| シェーン・スミス(White Sox) | 1 | 2 | ||||
| キャム・スミス(Astros) | 1 | 2 | ||||
| チャンドラー・シンプソン(Rays) | 1 | 1 | ||||
| ルイス・モラレス(Athletics) | 1 | 1 | ||||
| ジャッソン・ドミンゲス(Yankees) | 1 | 1 |
レッドソックスのカルロス・ナルバエスも6位に入っております。レンジャーズのジャック・ライターにも票が入っております。
NLの投票結果
難しかったNLはご覧のような結果に。
| Name | 1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | Points |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ドレイク・ボールドウィン(Braves) | 21 | 9 | 183 | |||
| ケイド・ホートン(Cubs) | 9 | 16 | 4 | 139 | ||
| ケイレブ・ダービン(Brewers) | 2 | 13 | 9 | 4 | 69 | |
| アイザック・コリンズ(Brewers) | 2 | 9 | 13 | 1 | 62 | |
| デイレン・ライル(Nationals) | 1 | 3 | 8 | 17 | ||
| アグスティン・ラミレス(Marlins) | 2 | 6 | 10 | |||
| チャド・パトリック(Brewers) | 1 | 1 | 4 | 9 | ||
| ジェイコブ・マーシー(Marlins) | 1 | 1 | 2 | 8 | ||
| ジャック・ドライヤー(Dodgers) | 1 | 1 | 4 | |||
| マット・ショー(Cubs) | 1 | 1 | 4 | |||
| ジェイコブ・ミズロウスキー(Brewers) | 1 | 2 | ||||
| ノーラン・マクリーン(Mets) | 2 | 2 | ||||
| エリベルト・ヘルナンデス(Marlins) | 1 | 1 |
ドレイク・ボールドウィンは24歳の捕手で、2025年は124試合に出場し、打席数は446、.274 /.341/.469、OPS .810をマークし、HR 19、RBI 80をマーク。CS%は17.2でリーグ平均は23.2%ですから、まだまだ伸びしろありというところですが、いかんせんオフェンスが上記の通り、素晴らしい数字をマーク。
NLでは捕手としての受賞は7人目であり、ブレーブスの捕手としては2人目の受賞。またブレーブスの選手がROYに選ばれるのは今回で10度目であり、NLではドジャースの18度に次いで2番目に多い受賞回数です。
お読みいただき、ありがとうございました。

コメント