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【MLBアウォード2025】シルバー・スラッガー賞は大谷、カル・ロリー、ニック・カーツらが受賞

2025 シルバースラッガー賞

 ポジション別最優秀ヒッターを称えるシルバースラッガー賞は、今季は前半・後半という形で2日にわたって発表されました。ナショナル・リーグが発表されたのは現地2025年11月6日、そして現地2025年11月7日はアメリカンリーグのトップ打者たちが発表されました。

シルバースラッガー賞とは

 シルバースラッガー賞とはバットメーカーのルイビル・スラッガー社が毎年、各ポジションのベスト・オフェンス・プレーヤーを選出して表彰するアウォードのこと。

 OF(外野手)はポジションに関係なく3名を選出。

 さらに2022年からは実態により沿う形でマルチ・ポジションを守るユーティリティーの強打者にも両リーグから1人ずつ選出されることになりました。

 決定は各チームの監督・コーチの投票。ただし、自軍の選手は選べないことになっています。メジャーリーグの野手はとにかく打ってなんぼ。サラリーアップも打たないことにはなんともなりませんので、この賞を受賞することは選手にとっては名誉であると同時にサラリー・アップのタグがつくようなもの。

 また2023年からは各リーグの最優秀攻撃チームに、”OFFENSIVE TEAMS OF THE YEAR”が贈られることになりました。こちらはチームのオフェンスの統計とレギュラーシーズン最終週にMLB.comを通じて最終候補に投票したMLBファンの投票の組み合わせによって決定されます。

受賞者

 では受賞者のご紹介を。便宜上、7日に発表されたア・リーグから掲載いたします。

アメリカン・リーグ

  • C:カル・ロリー(Cal Raleigh) マリナーズ:初
  • 1B: ニック・カーツ(Nick Kurtz)アスレチックス:初
  • 2B: ジャズ・チザム・Jr.(Jazz Chisholm Jr.)ヤンキース:初
  • 3B: ホセ・ラミレス(José Ramírez):ガーディアンズ6度目(2年連続)
  • SS: ボビー・ウィット・Jr.(Bobby Witt Jr.)ロイヤルズ:2度目(2年連続)
  • OF:アーロン・ジャッジ(Aaron Judge):ヤンキース:5度目(2年連続)
  • OF:バイロン・バクストン(Byron Buxton)ツインズ:初
  • OF:ライリー・グリーン(Riley Greene)タイガース:初
  • DH:ジョージ・スプリンガー(George Springer)ブルージェイズ:3度目
  • UTL:ザック・マッキンストリー(Zach McKinstry)タイガース:初
  • オフェンシブ・チーム・オブ・ザ・イヤー:ヤンキース:2度目(2年連続)

ナ・リーグ

 前日6日に発表されたナ・リーグの受賞者です。

  • C: ハンター・グッドマン(Hunter Goodman)ロッキーズ:初
  • 1B: ピート・アロンゾ(Pete Alonso)メッツ:初
  • 2B: ケーテル・マルテ(Ketel Marte)Dバックス:2度目(2年連続)
  • 3B: マニー・マチャード(Manny Machado)パドレス:3度目(2年連続)
  • SS:ヘラルド・ペルドモ(Geraldo Perdomo)Dバックス:4度目
  • OF:フアン・ソト(Juan Soto)メッツ:6度目(3年連続)
  • OF:コービン・キャロル(Corbin Carroll)Dバックス:初
  • OF:カイル・タッカー(Kyle Tucker)カブス:2度目
  • DH:大谷翔平(Shohei Ohtani)ドジャース:4度目(3年連続)
  • UTL:アレックス・バールソン(Alec Burleson)カージナルス:初
  • オフェンシブ・チーム・オブ・ザ・イヤー:ドジャース:2度目(2年連続)

ファイナリスト

 なお、ファイナリスは以下の選手たちでした。受賞者を除いて記載しています。

Pos.ALNL
Cシェー・ランゲリアス(OAK)
サルバドール・ペレス(KC)
ウィリアム・コントラレス(MIL)
ウィル・スミス(LAD)
1BV・ゲレロ・Jr.(TOR)
ヴィニー・パスカンティーノ(KC)
マット・オルソン(ATL)
フレディー・フリーマン(LAD)
2Bブランドン・ロウ(TB)
ホルヘ・ポランコ(SEA)
ニコ・ホーナー(CHC)
ブライス・トゥラン(MIL)
3Bアレックス・ブレグマン(BOS)
ジュニオール・カミネロ (TB)
マックス・マンシー(LAD)
オースティン・ライリー(ATL)
マット・チャップマン(SFG)
SSボー・ビシェット(TOR)
ジェレミー・ペーニャ(HOU)
フランシスコ・リンドーア(NYM)
トレイ・ターナー(PHI)
OFコディー・ベリンジャー(NYY)
フリオ・ロドリゲス(SEA)
ジョージ・スプリンガー(TOR)
P・クロウ=アームストロング(CHC)
カイル・スタワーズ(MIA)
ジェームス・ウッド(WSH)
DHヤンディー・ディアス(TB)
ブレント・ルッカー(ATH)
カイル・シュワーバー(PHI)
クリスチャン・イェリッチ(MIL)
UTLマイケル・ガルシア(KC)
ベン・ライス(NYY)
ジェイク・クロネンワース(SDP)
ブレンダン・ドノバン(STL)

 NLの捕手はブルワーズのウィリアム・コントレラスかドジャースのウィル・スミスのどちらかかと思われましたが、なんとロッキーズのハンター・グッドマンでしたね。

 WS制覇のドジャースからは大谷選手1人のみの受賞となりました。

大谷、3年連続4度目の受賞

 大谷選手は2021、2023、2024に次いで2025年は4度目の受賞。

 今季は序盤は打者に専念したものの、6月16日からは投手も兼任。2 Wayでの受賞となりました。

カイル・シュワーバーとの比較

 今季はNL DHの座はHR数で大谷選手を上回ったカイル・シュワーバーか?という声もありました。実際、HRとRBIはカイル・シュワーバーの方が上。特にRBIの132は化け物クラスです。

NameHRRBIBAOBPSLGOPSTBHRPA
大谷55102.282.392.6221.104380172146727
シュワーバー56132.240.365.563.928340145111724

 しかし、それ以外は大谷選手が上回っておりました。

 OPSは大谷選手が1.000超えなのに対し、カイル・シュワーバーは928。また、カイル・シュワーバーはSLGが.563と.6000に届きませんでした。これがOPSにも影響しました。そして打率、安打数ともに大谷選手の方が上。リードオフでありながら、RBIが100を超えたというのも評価されたと思います。カイル・シュワーバーは今季は2番での出場が99試合と最も多い打順でした。

 どこを評価するかで変わってきそうなくらい拮抗した成績だったのは事実です。

 ちなみに大谷選手、カイル・シュワーバーともにHRはキャリアハイです。

G・スプリンガーがALDH

 ポストシーズンで強烈なスイングを見せつけたブルージェイズのジョージ・スプリンガーがAL DHで受賞しました。

 今回はアストロズ時代の2017年と2019年以来の受賞。2023年と2024年は衰えの兆候を見せていましたが、ブルージェイズ移籍5年目の2025年は9月に36歳を迎えたにも関わらず、見事に復活しました。

 2025年のOPSは.959で、ALでこれを上回ったのはアーロン・ジャッジだけという素晴らしさ。ALイースト制覇に大いに貢献し、HR 32、RBI 84を記録。さらに19回の盗塁企図で18個の盗塁成功をマークしており、下半身もまだまだ元気です。

 なお、ジョージ・スプリンガーはAL OFでもファイナリストに入っていたという活躍ぶりでした。

60 HRのカル・ロリー

 そして讃えるべきは、ALのキャッチャーで初受賞となったマリナーズのカル・ロリーですね。捕手という激しいポジションでありながら、HR 60、RBI 125をマーク。スイッチ・ヒッティングで左打席でHR 38本、右打席で 22本をマーク。

 マリナーズを24年ぶりのALウエストの地区優勝に導いた張本人。AL MVPの最有力候補でもあります。

 オールスターのダービーを制した後に、少年時代の動画が公開され、”I’m a HR Derby Champ♪”と口ずさんでいる姿が予言していたと話題でしたね。

AL 1Bはニック・カーツが受賞

 おや!と驚いたのは、ALの1B。筆者はゲレロ・Jr.とばかり思っていたのですが、なんとアスレチックスのセンセーショナル・ルーキーのニック・カーツが受賞しました。なぜゲレロと思ったかと言えば、ニック・カーツは規定打席に足りてなかったからです。

 MLBの規定打席は(162試合×3.1=502.2で四捨五入されて)502打席。ニック・カーツのPA (打席数)は489で規定打席にはわずかに届いていなかったのです。

内容が完璧

 しかし、内容をよく吟味すると受賞も納得。さすが現場のフィールドで見ている監督・コーチの見ているところは違います。

 ニック・カーツはデビューシーズンとなった2025年は117試合に出場し、打率.290、HR 36、RBI 86、OPS 1.002をマーク。規定打席に足りてはいなくとも、蓄積型のスタッツであるHR数は、ゲレロ・Jr.のHR 23を大きく上回ります。

 ちなみにヴラディーミル・ゲレロ・Jr.の成績はは.292/.381/.467、OPS .848、HR 23、RBI 84。 しかもこの点が凄いです。400打席超でOPSが1.000を超えた選手はMLB全選手の中でわずか3名。誰かと言えば、アーロン・ジャッジと大谷翔平選手、そしてニック・カーツです。もはやこれで決まりという感じがします。

 なお、アスレチックスは2024年にもブレント・ルッカーがDHで受賞。2年連続でシルバースラッガー賞受賞者を輩出ということに。さらに、今季のAL ROYはこのニック・カーツと同じくアスレチックスのジェイコブ・ウィルソンの争いでもあります。2027年のラスベガス移転を準備しているアスレチックス。戦力も整いつつあります。

AL オフェンシブ・チームがヤンキース?

 またもやALネタで申し訳ないのですが、ALのオフェンシブ・チーム・オブ・ザ・イヤーはブルージェイズかと思っておりましたが、ヤンキースが受賞しました。

 よく数字を見てみると、ヤンキースは2025年に849 RUNsをマーク。これはMLBトップ。しかもAL2位のブルージェイズ(798)を51得点も上回る数字でした。ちなみに得点はNLではドジャースがトップでそれでも825とヤンキースには及びませんでした。

 さらに、HR数(274本)、SLG(.455)、OPS(.787)、TB(2,488)でもMLBトップ。ジャッジを含めた計7名の選手がHR 20本以上をマークし、レギュラー陣のうち6人のSLGが.460以上で、しかもOPSは.810以上を記録。これは確かに圧倒する数字でした。

P・アロンゾが初受賞

 ナ・リーグ1Bで受賞したピート・アロンゾは意外にもこれが初受賞でした。2025年はHR 38、RBI 126、二塁打はNL最多の41、そしてOPS.871と文句なしの成績でした。強打者が多い1Bはアロンゾでさえ、初受賞という壁の厚さ。すごいですね。NPBで内野で挑戦する選手はなかなか大変です。

 なお、メッツの1Bとしては、1984年のキース・ヘルナンデス以来の受賞です。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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