ゴールディーは2026 WBC USA代表にも名を連ねる
現地2026年2月6日、ニューヨーク・ヤンキースがベテラン1Bのポール・ゴールドシュミット(Paul Goldschmidt)と再契約することとなりました。
ポール・ゴールドシュミットは2022年のNL MVP受賞者で、オールスター出場7度、ゴールドグラブ賞受賞4度、シルバー・スラッガー勝受賞5度のベテラン・スラッガーで、2025年もブロンクスでプレー。2026年も再びブロンクスでということになりました。ただ、今季は昨シーズンと違い、ちょっと役割が異なります。詳細は後述。
38歳のゴールドシュミットは、上述のように殿堂入りに値するキャリアを持っていますが、すでに下り坂にあることは明白。ただし、役割を限定すればまだかなりの成果を上げることも期待できます。
さらに、ゴールドシュミットはフィールド外でも高い評価を受けており、クラブハウスにおいてもチームメイト、コーチ陣に良い影響を与えきて、今回の再契約はそういった見えない部分の評価も相当にあると思われます。また、数日前には、キャリア3度目となるワールドベースボールクラシック(WBC)のアメリカ代表メンバーに選出されたばかりで、その存在感は健在です。
まず、契約内容を見てみます。
契約内容
- 1年/約$5M (2026)
ディールの金額はほぼ$5Mと言われていますが、ファイナルの金額まで今少しお待ちください。
2025年のディールは1年/$12.5M でサインしていたので、単価は半減以上ではありますが、38歳であっても需要があるところがさすが。
背景
正直なところ、まさかの再契約でした。
というのもヤンキースには、2月に27歳となる右投げ左打ちで捕手兼1Bのベン・ライスがいるため。2026年は彼を1Bとしてフルシーズンで起用すると思っていたからです。ベン・ライスの2025年の成績は.255/.337/.499、OPS .836、HR 26、RBI 65。突出してはいないけれども、後半戦に打率.281、HR 12本を記録し、さらに9月のラッシュには単月で打率.316をマークするなど彼の活躍がヤンキースのポストシーズン進出を後押ししました。
ゆえにゴールドシュミットの再契約はないと思っていたのですが、契約に踏み切ったのは左打者への偏りにあったため。実際、GMのブライアン・キャッシュマンと監督のアーロン・ブーンは、バランス調整のために右打者を加えたいと何度も話していたのです。
右打者が必要だった(左打者の偏り)
ヤンキースには強烈な右打者としてアーロン・ジャッジ、ジャンカルロ・スタントンという2大巨砲がおりますが、目立った右打席は彼ら二人くらいなのです。捕手で行くと、オースティン・ウェルズとベン・ライスはともに左打席。1Bはベン・ライス、コディー・ベリンジャーとも左打席。2Bのジャズ・チザム・Jr.も左打席で、3Bのライアン・ミクメーンも左打席。右打席のSS、ボルピーは肩の手術のリハビリ中で、不在の間はオフに獲得したアーメッド・ロザリオとなりそうですが、彼は右打席で、他のSS候補のオズワルド・カブレラはスイッチ、ホセ・キャバイェーロは右打席。内野はSS以外、左打者に偏っていたのです。
OFもトレント・グリシャムは左打席、コディー・ベリンジャーも左打席、その他OF候補のジャッソン・ドミンゲスはスイッチで、言ってみれば、右打席は3人ですが、実質、ジャッジとスタントンだけのようなもの。しかもスタントンは怪我が多い。
DHはジャンカルロ・スタントン、コディー・ベリンジャー、ベン・ライスで当日の最適な布陣で調整という感じです。ゆえに右打席で実績のあるゴールドシュミット獲得に動いたということです。
復帰満々
シーズン終盤に出場機会が減ったにもかかわらず、ゴールドシュミット自身も再びピンストライプのユニフォームを着てプレーすることに意欲を燃やしていて、彼はブロンクスに残るために他クラブからのオファーを断ったと伝えられています。
パドレスはミゲル・アンドゥハーとの契約に合意した後、ゴールドシュミットも狙っていましたがそれを断ったということでしょう。古巣Dバックスもゴールドシュミットの候補でしたが、Dバックスは1Bのカルロス・サンタナと合意しましたので、その時点でDバックスの線は消えました。
プラトゥーン起用(左投手対策)
2026年のゴールドシュミットのヤンキースでの役割ですが、どうやらプラトゥーン起用で行くようです。つまり、ベン・ライスとの併用。
2025年のゴールドシュミットの成績
2025年、ポール・ゴールドシュミットは、5月末までに.338/.394/.495、HR 6本とまさにロケット・スタートを切り、ALイーストの中で脅威を感じさせる存在でしたが、6月からの4ヶ月の成績は.226/.277/.333と低迷。特に、6月単月の打率が.143と急落したのが痛かったです。
1シーズンを通した成績は146試合の出場で.274/.328/.403、OPS .731で、年間を通してHRが10本しか出なかったのです。ベン・ライスは138試合の出場でHRは26本。この差は歴然ですね。
左投手対策
ただ、ベン・ライスも万能でもなく、右投手に対しては.269/.356/.504、HR 19だったのに対し、左投手のときは.208/.271/.481、HR 7。HR数は蓄積型なので打席数の多い右投手との対戦の方が数字が良いのは決まっていますが、左投手の時の打率がぐんと下がってしまいました。
それに対してゴールドシュミットは右投手に対しては.247/.289/.329、HR 3だったのに対し、左投手に対しては.336/.411/.570、HR 7を記録。
こうなればプラトゥーン起用で、左投手の時はゴールドシュミットという選択肢を使いたくなります。
またジャンカルロ・スタントンが欠場した場合にも左投手が先発なら、DHでの出場も可能ですhし、仮にベンチスタートでも終盤に左投手が来た時にゴールドシュミットをPHで起用することも出来ます。
いずれにせよ、役割を左投手限定にすれば、ゴールドシュミットはまだまだ機能しそうです。それにヤンキースのオフェンスの選択肢も拡がりますね。
ヤンキースの贅沢税
ヤンキースの贅沢税上の40manロスターのサラリーの総額は現時点で$335.5M。これはゴールドシュミットの$5M(正確なAAVはまだ不明)を除いた額です。仮に$5Mだとして総額は$340.5M。2026年の閾値は$244Mですから、もはや$100M超え目前。
ヤンキースは2021年に閾値内に収め、一旦はタックス・ペイヤーでなくなり、リセットに成功しましたが、2022年から超過を続けており、2026年は5年連続超過。
贅沢税の超過は$20Mごとに税率が変わりますが、超過$60Mまで設定されております。なおかつ3年連続以上の超過となった場合、最高税率が課せられます。まず最初の$20Mまでの超過分に対しては50%、$20Mから$40Mの間には62%、$40Mから$60Mの間には95%、$60M以上の超過分に対しては110%の税率が掛けられます。
閾値を$40M以上超えた場合のペナルティーはアマチュア・ドラフトの指名権がクラブの一番高い指名順から10個下がる。もしそのクラブが上位6番目までに指名できる場合は2番めに高い指名順が10個下がるというふうになっており、ペナルティーも確定です。
ベテランのゴールドシュミット、2026年はまずはWBCで状態を確認したいですね。
お読みいただき、ありがとうございました。




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