FAのマイケル・キングは再契約へ
現地2025年12月18日、サンディエゴ・パドレスはローテーション右腕のマイケル・キング(Michael King)と再契約するに至りました。
今オフのパドレスはこのマイケル・キングをはじめ、ディラン・シーズ、ネスター・コルテスとローテーションを担ったローテーション投手が軒並みFAとなり、ディラン・シーズはすでにブルージェイズとサイン済み。
さらにダルビッシュ投手もUCLを傷め、インターナル・ブレース手術を受けるため2026年は全休。そしてゲーム終盤の安定性というところでローテーションにも関係があるのが、2025年にクローザーを務めたロベルト・スアレスもFAとなり、すでにブレーブスとのサインするに至っております。
パドレスは先発・抑えも含め投手陣をどう構築するかが今オフの課題でもあったのですが、そのうちの大きなピースであるローテーション右腕の一角を確保というところです。
こちらは現地2025年12月19日、オフィシャルとなっています。
マイケル・キングは出ると思われたのですが、内容を見るとこれはもうPOBO(President of Baseball Operations)のA.J.プレラーがエージェントにひたすら頼み込んだと思えるような内容でした。
マイケル・キングのエージェントはエクセル・スポーツ・マネジメント(The Excel Sports Management)。マリナーズのカル・ロリー、ドジャース(引退しましたが)のクレイトン・カーショウらも顧客です。
契約内容
パドレスとマイケル・キングの契約内容はご覧の通り。こちらはまだファイナルの情報ではありません。
- 3 年/$75M保証(2026-28)
- サイニング・ボーナス:$12M
- サラリー
- 2026:$5M
- 2027:$28M プレーヤー・オプション ($5M バイアウト)
- 2028 :$30M プレーヤー・オプション
オプトアウトあり
総額は3年/$75M保証。保証とついているのはMAXの3年をこの条件で遂行した場合という意味で、変更の余地があるということ。それは2年目、3年目がプレーヤー・オプションとなっており、契約を遂行するかどうかの判断はマイケル・キング側にあるという非常に選手有利な契約です。
キングに有利なこの契約は1年目、2年目終了後にオプトアウトありということ。1年目終了にオプトアウトした場合、バイアウトがなんと$5Mです。これはもうプレラーもだいぶ叩かれたなと思います。
1年目のサラリーが少ないようですが、サイニング・ボーナスも併せれば$17Mです。もっとも、これは後々に何回かに分けて受け取るのか、一度に2026年に受け取るのかは定かではありませんが、マイケル・キングにすれば御の字です(後述もご参照)。
初FA→QO拒否
マイケル・キングのMLSは6.004。今オフにFA資格到達となり、パドレスはクオリファイング・オファー(QO)を提示。しかし、マイケル・キングは拒否しておりました。
ちなみにマイケル・キングの2025年の契約は、調停ファイナル・イヤーで1年/$7.75M (2025), + 2026 $15M ミューチュアル・オプションで $3.75Mバイアウト。バイアウトの金額は20試合先発で$5Mなどの増額の設定がありましたが、マイケル・キングは2025年は怪我で15試合の先発でしたから、これにはマッチせず。
それでもバイアウトの$3.75Mも入りますから、2026年は上記のサイニング・ボーナスも併せた$17M+$3.75Mで計$20.75Mということになります。
短期で復帰
マイケル・キングとディラン・シースの2人を失う可能性が高かったパドレスは、ディラン・シーズの流出は防げないと見て、とにかく2人のうちマイケル・キングだけは!ということで短期契約で復帰させることに成功はしました。上述の通り、もうほぼ言い値のような契約ですが。
パドレス3年目
2026年シーズンは、マイケル・キングにとってパドレスでの3年目。
パドレスは、2023年オフにフアン・ソトとのトレードでヤンキースからマイケル・キングを獲得。もともとパドレスは現地2022年8月2日のトレード・デッドラインでフアン・ソトをナショナルズからトレードで獲得しておりました。ソトは2023年までパドレスに在籍。2024年はヤンキース、そして2025年はメガ・ディールでメッツと長期契約でサイン。
パドレスで先発転向
マイケル・キングはもともとは2016年のマイアミの12巡目指名。2017年11月にマイアミがギャレット・クーパーとケイレブ・スミスを獲得したトレードでヤンキースへ移籍。
デビューは2019年で、2021年まではあまりパッとしない活躍でした。2022年に本格的にリリーフ中心になって、マイケル・キングは輝きます。
2022年は34試合、51.0 IPでERAが2.29。2023年は49試合で先発も9試合経験するも、104.2 IPでERA2.75。特に2022年の6月は11試合、12.2イニングに登板して、被安打3、失点1と完璧な投球で、この月のERAは0.71。もはやマイケル・キングが終盤に登板すれば逆転の見込みはないというくらいに良い投球を披露しました。シンカーとスウィーパーが非常に良かったです。
ヤンキースでの終盤は先発ローテーション入りの機会を限られ、パドレス移籍後はローテーションを堅持。
2024年は31試合中、30試合に先発し、173.2イニングを投げ、13勝9敗、ERA 2.93。NLのサイ・ヤング賞投票で7位に終わる活躍を見せました。
2025年も最初の10試合でERA 2.59、SOレート、28.4%を記録。非常に順調だったのですが、5月25日に右肩の炎症で15 Days IL入り。7月には60 Days ILに移管し、8月9日に復帰。しかし、今度は8月11日付けで左膝の炎症で再びIL入り。復帰したのは9月9日でした。
2025年は15試合で73.1イニングで5勝3敗、ERA 3.44。怪我がなければかなりいいシーズンになるところでした。ポストシーズンではカブスとのNLWCで1イニングを投げたのみでした。
パドレスのローテーション
なんとかマイケル・キングを獲得したA.J.プレラーPOBOですが、2026年のパドレスのローテーションは今のところ、このような布陣です。
- ニック・ピベッタ(RHP)
- マイケル・キング(RHP)
- ジョー・マスグローブ(RHP):TJから復帰
- ランディー・バスケス(RHP)
- JP・シアーズ(LHP)
- カイル・ハート(LHP)
- マット・ウォルドロン(RHP)
一応、頭数は揃っています。特にジョー・マスグローブの復帰は大きいです。マスグローブはスプリング・トレーニングからOKです。
パドレスは2026年もドジャースに張り合えるのか、これからのオフシーズンの動きに注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。






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