タイガース、死球後に逆転を許す
現地2025年9月23日、ファイナル・ウィークに入りました。MLBはこの日のゲームを入れて残り6試合。熾烈な状況となっているAL中地区とワイルドカード争いですが、タイガースの大失速により、大変な状況となっている中、この日からタイガース@ガーディアンズの首位攻防戦がスタート。雌雄を決するガチンコの対決となっています。
タイガースはタリク・スクーバルを起用
この大事な時期に6連敗中のタイガースはこの日、大エースのタリク・スクーバルを先発として起用。
タリク・スクーバルは現地2025年9月12日のマイアミ戦で4回途中、4失点とらしくない投球を見せ、その原因が左脇腹のハリにあることが判明。おそらく痛みはあると思うのですが、それでも離脱せずに中5日のローテーションをキープ。18日のガーディアンズでは6回、1失点と意地を見せました。しかし、このゲームは1-3で敗戦。これも6連敗中の1戦だったのです。
連敗中のタイガース、 投打ともに上がらず
タリク・スクーバルをもってしてでも苦戦している原因の1つは打線にあります。タイガースはある程度は得点を取ってはいるのですが、いかんせん、直近7日の打撃成績が.213/.268/.341、OPS .609とMLB 20位、直近15日においても打率.218でMLB25位と沈んでおり、とにかく打てないのです。しんどいですね。
さらに、好調だったピッチングもここに来て低下。直近7日のERAは5.73でMLB29位。同期間の四球の数もMLBワースト4。
投打に沈んでいるので、核となるサイ・ヤング賞左腕がいてもかなり苦しい状況です。
タイガース先制!
しかし、そんな中、タイガースはこの日は相当気合を入れて臨んだのがありありとわかりました。さすがにビッグ・ゲームという感じです。
1、2回はガーディアンズ先発のギャビン・ウィリアムスに対し、ノーチャンスだったものの、3回表にノーアウトからザック・マッキンストリーとワンシール・ペレスの連続2ベースで1点を先制。ただ、この後が続かず、1点止まり。
さらに4回表には四球も絡んで1アウト満塁の大チャンスを作ったものの、前の打席で連続で2ベースを放ったザック・マッキンストリーとワンシール・ペレスが連続三振と全く事を起こすことができず。
それでもガーディアンズに傾きそうな流れを大エースのタリク・スクーバルがその圧倒的な存在感で阻み、この力技でもう一度タイガースに流れが訪れます。
6回表、2者連続三振で2アウトを奪われたものの、ライリー・グリーンがRFへソロHRを放ち、1点を追加。2-0とし、タリク・スクーバルの好投に応えます。
デービッド・フライが顔面に死球
タイガースが2−0とした状況であの怖いシーンがおとずれてしまいます。
バント→バント→3Bボテボテ(結果バント)
6回裏、ガーディアンズは先頭のスティーブン・クワンが初球の97.7mphの4シームを3Bへセーフティー・バントを決めて出塁。これがガーズ・ボールですね。ほぼ日本野球と言った感じ。
つづくアンヘル・マルチネスは初球を一発で一塁線へセイフティー気味の完璧な送りバントを決め、処理に当たったタリク・スクーバルが股からトスを試みるも、これが悪送球となり、クワンは3塁へ、マルチネスも2塁に進塁。ノーアウト2、3塁でホセ・ラミレスの打席に。
そのホセ・ラミレスはギアの上がったタリク・スクーバルの99.9mphの4シームに詰まらされ、これがボテボテの3Bゴロとなり、打球としてはまたまたバントのような形となりました。この間にクワンが生還してガーディアンズが1点を返し、1-2に。記録はRBIシングルです。
セーフティー・スクイズの試みが・・・
そしてノーアウト1、3塁でデービッド・フライの打席に。デービッド・フライは当初はバットを立て、ヒッティングの構えでした。1、2球はインコースへスライダーと4シームでボールとなり2-0カウント。3球目はアウトコースにチェンジアップでストライクで2-1カウント。そして4球目、タリク・スクーバルは急遽バントの構えに。速球にも備えたいい構えだったのですが、これがデービッド・フライの画面に直撃。99.1mphでした。
David Fry exited the game after being hit in the face by a pitch.
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) September 24, 2025
He was able to walk under his own power and was carted off the field. pic.twitter.com/IrFO20gBbR
3Bランナーの離塁から見ると、スクイズではなく、セーフティー・スクイズのようでした。しかし、この作戦が痛々しい結果を導いてしまいました。デービッド・フライは2024年のALDSでもここぞという場面でスクイズを決めておりました。
タリク・スクーバルは直後にグラブと帽子を捨て、大変なことになったとマウンド上で痛恨の表情。デービッド・フライはしばらく顔を覆い、仰向けになって動かず。少し経過して搬送用の車両が乗り入れ、デービッド・フライは運ばれました。
心配そうに見送るタリク・スクーバルに対し、フライはバントの仕草とともに右手を上げ、タリク・スクーバルにコミュニケーションを取りました。
セイフティー・バント、セイフティー気味の送りバント、ホセ・ラミの打球もほぼバントということでタリク・スクーバルは打たれていない中ピンチを招き、フラストレーションはあったでしょう。そしてまたバントの構えということでイラッとした・・・かどうかは本人しかわかりません。
場内も騒然とする中、この投球の判定はバント・ファウルということに。フライの打席にはジョージ・バレラが代打で送られ、三振。
動揺したスクーバル
この後、1アウト1、3塁でガブリエル・アリアスの打席で、タリク・スクーバルがワイルド・ピッチを投じ、3塁ランナーのアンヘル・マルチネスが生還してガーディアンズが2-2の同点に。
さらにこの後、タリク・スクーバルがボークを犯し、2Bランナーのホセ・ラミレスが3塁へ進塁。そしてガブリエル・アリアスの1Bゴロの間にホセ・ラミレスが生還してガーディアンズがクリーンヒット無しで3点を奪い、逆転に成功します。
7回裏、タイガースは代わったトミー・ケインリーに対し、2アウト2本のタイムーが出て2点を追加。最後はケイド・スミスが出てタイガースを抑え、ガーディアンズが5-2で勝ちました。
デービッド・フライは6-8週間
退場したデービッド・フライですが、鼻のほか顔面の複数を骨折。全治は6-8週間ということになりました。
2024年のプレーオフでも大活躍したデービッド・フライを欠いてしまうことはガーディアンズにとっても痛手ではあります。
ガーディアンズ、最大15.5差から首位に並ぶ
この勝利でガーディアンズは85勝72敗とし、ついに首位タイガースに並びました。またガーディアンズはタイガースとの直接対決の勝敗を7勝4敗とし、タイブレーカーの上でも上回っているので仮に同率でゴールしたとしてもガーディアンズが上に来ることになります。
こちら両者のゲーム差の推移ですが、ガーディアンズは信じられないプッシュを見せていることに。むしろ、タイガースが大失速過ぎるとも言えます。
- 7月8日時点で15.5ゲーム差
- 9月1日時点で10.5ゲーム差
- 9月10日時点で9.5ゲーム差
- 9月23日時点で首位タイ
また、タイガースはワイルドカード・スポットに入ることになりましたが、この日、レッドソックスがブルージェイズに勝ちましたので、NO.3スポットになっております。
ファイナル・ウィーク、まだ何が起こるかわかりません。
お読みいただき、ありがとうございました。
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