GMも兼務
現地2025年10月23日、ミルウォーキー・ブルワーズの筆頭オーナーのマーク・アタナシオ(Mark Attanasio)は、GMのマット・アーノルド(Matt Arnold )がPOBO(President of Baseball Operations)に昇進したと発表しました。
The Brewers have promoted GM Matt Arnold to President of Baseball Operations & GM.
— Hunter Baumgardt (@hunterbonair) October 23, 2025
“Since joining our organization in 2015, he has been instrumental in developing a culture and process that has led to seven postseason appearances over the past eight seasons.” -Mark Attanasio pic.twitter.com/kv72QKJ6h7
EVP&GM→POBO
これまでマット・アーノルドはEVP (Executive Vice President)and GM (General Manager)というタイトルでした。
EVP (Executive Vice President)というのはアメリカの会社では文字通りPresidentに次ぐ副社長と言っていいと思いますが、日本の会社では専務あたりでしょうか。かなり上です。
しかし、MLBインダストリーのフロント・オフィスで行くと、やや異なります。MLBのフロントはだいたいどこでもinvestigations & security(調査・セキュリティ)、 Baseball Operations、 technology、 legal & compliance(法務)、 strategy and development(戦略・開発)その他、ファイナンス(財務会計)、HR(人事)などの各部門があるのですが、Presisentはその部門の責任者。BO(Baseball Operations)のEVP(Executive Vice President)はフィールド上および選手関連の全活動を統括し、リーグ全体のルール、規律、競技基準の設定を支援というところです。EVPはMLBフロントオフィスにおいて、オーナーやCEO以外の役職の中でかなりの影響力のあるポジションの一つであり、組織の方向性と文化を形成していると言っていいでしょう。
球団を会社とするなら、ここで言うPresidentは日本だと部門長、つまり部長ということになるでしょうか。VP(副社長)はそれに次ぐポジション。ただ日本の会社の部長よりは権限の大きさが違います。伊達にPresidentとなってはいないかと。それに部門の大きさもむしろ小会社レベルかもしれません。
マット・アーノルドはこの度、POBOになったと。
オーナーのコメント
筆頭オーナーのマーク・アタナシオは、今回のマット・アーノルドの昇進に対し、「2015年に球団に入団して以来、マット・アーノルドは球団文化と球団運営の確立に大きく貢献し、過去8シーズンで7度のポストシーズン進出を果たしました。マットの功績を誇りに思うとともに、彼のリーダーシップの下で今後何が待ち受けているのか、非常に楽しみにしています」とコメント。
ブルワーズでのマット・アーノルド
なお、マット・アーノルドの肩書は変わりましたが、フロントオフィスにおける彼の責任は変わらないともコメントしています。また、GM兼任でもあります。
マット・アーノルドがブルワーズに入ったのは2015年10月。当時編成トップであったデビッド・スターンズ氏に雇われ、2020年11月にGMに昇格。
そのスターンズは2022年シーズン終了後にGMを退任し、後継となったのがマット・アーノルド。そのマット・アーノルドが2023年に編成トップになってからのブルワーズの成績は282勝204敗(勝率.580)で毎年ナショナルリーグ中地区のコンテンダー。2025の97勝65敗(勝率.599)はMLBトップの成績。ブルワーズは2023年、2024年とワイルドカードシリーズで敗退しましたが、2025年はその壁をやぶってNLCSに進出。残念ながら、ドジャースにスウィープされましたが、球団のトップがこの成績を評価したのは当然のことでタイトルが変わるのも至極自然なことです。
2026年の課題
ブルワーズは他クラブと比べてサラリーに関して渋いです。2025年のサラリーは$123Mで、これはMLB 22位。それでもNLCSまで残ったのです。その意味でもマット・アーノルドの功績は素晴らしいと言わざるを得ません。
ただ、今オフもやはり頭を使わなければなりません。主力のクリスチャン・イェリッチの契約は9年/$215M (2020-28) + 2029 オプションでまだ猶予はあります。
しかし、エースのフレディー・ペラルタが5年/$15.5M (2020-24) +2025-26クラブオプションで、今オフは決断のタイミング。2025年は$8Mでオプションを行使しました。2026年は契約上は$8Mのクラブオプションでバイアウト無し。これはもう文句なしに行使することでしょう。
他に右腕のブランドン・ウッドラフは2年/$17.5M (2024-25)+ 2026 $20M ミューチュアル・オプションと今オフはオプション決断の年。バイアウトがなんと$10Mなので、どうするか見ものです。
さらにHRバッターのリース・ホスキンスの契約は2 年/$34M (2024-25)で、2026は$18M のミューチュアル・オプションでバイアウトは$4M。チューチュアルではありますが、のまま市場に出そうな感じです。
その他にシェルビー・ミラー(1年契約)、ホセ・キンタナも出そうです。ホセ・キンタナは1年/$4M (2025) + 2026 $15M ミューチュアル・オプション($2Mバイアウト)ですから、間違いなく出るでしょうね。
ひょっとしたら、フレディー・ペラルタをトレードに・・・という噂もあるので、レバレッジの効いたブルワーズの今後の動向はやはり注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。


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