メッツ、リリーバーを補強
現地7月31日のトレード・デッドラインに向けたディールが活発化してきました。
現地2025年7月25日、NLイースト首位を行くメッツとALイースト最下位のボルチモア・オリオールズとの間でトレードが成立。
オリオールズの豪腕左腕、グレゴリー・ソトがメッツに移籍することになりました。ただし、後述しますが、グレゴリー・ソトはコマンドに難ありではあります。
メッツはブルペンの補強が最優先事項となっていましたので、まずは1ディールを決めたというところです。
トレード概要
メッツGet
- グレゴリー・ソト(Gregory Soto/30)P|B/T: L/L
オリオールズGet
- キャメロン・フォスター(Cameron Foster/26)P|B/T: R/R
- ウェリントン・アラセナ(Wellington Aracena/20)P|B/T: R/R
メッツ、ブルペンはけが人多数
メッツの背景として、もうどこのクラブもそうですが、ブルペンにけが人が多数発生している状況があります。
開幕当初はA.J.ミンターとダニー・ヤングがブルペンでキーマン的な役割を担いましたが、A.J.ミンターは広背筋を断裂し、5月12日に手術。シーズン・エンディングです。ダニー・ヤングは左肘の靭帯を捻挫し、トミー・ジョン手術を行うことが決定。こちらもシーズン・エンディングです。
メッツは4月終わりにFAとなっていたリリーバー左腕のブルックス・レイリーと再契約し、7月19日からメジャーに復帰となっています。
そのほかにもドリュー・スミスは2024年9月にトミー・ジョン手術とインターナル・ブレース手術を受け、復帰は今季の9月の見込み。右腕のダニエル・ニュニエスは7月に右肘の捻挫で今季はシーズン・エンディング。左腕のブランドン・ワデルは7月に右股関節のインピンジメントとなり、復帰は8月の実込み。マックス・クラニックは右肘の捻挫で7月25日に60 Days ILへ移りました。
という状態なので、ゲーム中盤のリリーフが圧倒的に不足している状態。これをなんとかやり繰りし、リード・ギャレット、ライン・スタネックそしてエドウィン・ディアスにつなぐべく苦心しております。
(ソト)コマンドに難ありも、強力はファイヤーボーラー
今回、グレゴリー・ソトを獲得したことでメッツはゲーム後半に、強力なファイヤーボーラーを3人も抱えることになりました。しかもソトは左腕なので、地区ライバルの強力な左打者であるブライス・ハーパー、カイル・シュワーバー、マット・オルソンらに対抗できる布陣を整えたとも言えるでしょう。
グレゴリー・ソトは30歳。もともとはデトロイト・タイガースにおりました。下記は2023年にフィリーズへ移籍した時の記事ですが、選手としての特徴はそれほど変わっておりません。つまり、平均97mph超えのかなりの豪球は投げるものの、いかんせんコマンドに難ありの投手です。
2023年、フィリーズでは69試合に登板し、ERAは4.62、BB%はたまたまこの年はよくて、8.8%。2021年に至っては14.9%でしたから、だいたいどんなコマンドかはおわかりいただけるかと思います。
2024年のトレード・デッドラインでフィリーズからオリオールズへ移籍。今回は2年連続でトレード・デッドラインに動いたということになります。
2024年はフィリーズ、オリオールズで66試合に登板し、ERA 4.42、BB%は11.1。
BB%は高いのですが、SO%もすごく、2025年も27%を超えます。この三振を奪える力は武器に違いありません。
2025年はここまで45試合に登板し、ERAは3.96でERAは改善されているものの、BB%は11.3で前年とほぼ同じ状態です。 今季のサラリーは$5.35Mでシーズン終了後にFAとなります。残債は$1.87Mでこれをメッツが負担。
メッツ、とんでもないぜいたく税の額に
メッツはすでに2025年のぜいたく税の閾値である$241Mをゆうに超え、$334Mほどになる見込みですが、4度目の超過に突入で税率は110%になり、現時点での予想税額は$77.67M。もはやサラリー総額最下位のマイアミの約$86Mほどに迫ろうかという勢いです。とんでもないですね。
(BAL)キャメロン・フォスターとは
Foster ➡️ Orioles
— Milb Central (@milb_central) July 25, 2025
The New York Mets are trading Cameron Foster to the Baltimore Orioles. pic.twitter.com/lfPDOGh9iw
さて、オリオールズが獲得したキャメロン・フォスターは、26歳で未デビューなものの、これからデビューが近い投手です。
2022年にマクニーズ州立大からメッツに14巡目で指名されてプロ入り。ローマイナーでは先発をこなしていましたが、2023年のダブルAからはブルペンのみの登板となってます。
非常にがっしりとした体型のパワーリリーフで、スライダーが高く評価されています。2025年はダブルAで19試合でERA 1.01をマーク。つい最近、トリプルAに昇格しました。トリプルAではまだ数試合にしか登板していませんが、早ければ今シーズン中にもメジャー・デビューする可能性があります。
なお、今季、オリオールズが40manロースターに加えなければ、ルール5ドラフトの対象者になるので、その点も注目です。
(BAL)ウェリントン・アラセナ
In return, Baltimore gets two young pitching prospects
— Baseball Unstitched Podcast (@BaseUnstitched) July 25, 2025
Wellington Arecena (#19 Prospect in Mets System) 🎥
Cameron Foster (2.97 ERA in MiLB in 2025) https://t.co/K60zpPfBne pic.twitter.com/ucjd8Odm9Z
20歳のウェリントン・アラセナは、メッツのトップ30プロスペクトにランクされている右腕。いわゆるハードスロー右腕で、コマンドに難ありの段階。グレゴリー・ソトを若くしたようなタイプです。
ファストボールは平均で97-98mphを叩き出し、93mphのカットボールと、80mph後半のスライダーを投げます。このハードスローにコマンドがつけばかなりいい投手になります。期待大です。
さて、オリオールズは今トレード・デッドラインはSeller (売り)です。来週にはさらに多くの選手が旅立つことになると思われます。
お読みいただき、ありがとうございました。
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