オールスター2025
現地2025年7月15日、アトランタのトゥルーイスト・パークで第95回、ミッド・サマー・クラシック、いわゆるオールスター・ゲームが開催されました。
今回のオールスターは非常に盛り上がりました。前日のHRダービーもオニール・クルーズの出現をきっかけにカル・ロリーがチャンプとなって盛り上がりましたが、本戦もおもしろかったですね。
スターター
ファン投票で選ばれたスターターでは、ALでは3Bのホセ・ラミレスが足首と手首に問題が残っているということで出場しなかったので、レイズのジュニオール・カミネロが先発。
NLはファン投票通りでした。
NLが6-0とリード
ポール・スキーンズ(PIT:2年連続で先発)とタリク・スクーバル(DET:2024 AL CY)で始まったこのゲームは1回裏、NLが大谷選手(LAD)の先頭打者シングルとR・アクーニャ・Jr.(ATL)の内野安打でチャンスを作ると、ケーテル・マルテ(AZ)がRFへタイムリー・ダブルを放っていきなり2点を先制。
NLは6回裏にもピート・アロンゾ(NYM)がRFへ美しい3ランHRを放ち、3点を追加し、さらにコービン・キャロル(AZ)がRFへ豪快なソロHRを放ち、6-0とリード。
ALが追いつく!
このままNLが勝つと思われたのですが、ALは7回表にブレント・ルッカー(ATH)が3ランHRを放って追撃。さらにボビー・ウィット・Jr.(KC)も内野安打を放って4-6と追い上げます。
9回表、ALはバイロン・バクストン(MIN)とボビー・ウィット・Jr.(KC)の連続ダブルで5-6とすると、2アウト3塁でスティーブ・クワン(CLE)が3Bへ内野安打を放ち、1塁に懸命に走ってセーフ。この間に3塁ランナーのボビー・ウィットが生還し、6-6の同点に。
チャップマンが抑える
NLはサヨナラのチャンスがあったのですが、9回裏、アロルディス・チャップマン(BOS)が登場し、NLを三者凡退に抑え、ゲームは前例のないスウィング・オフで決着をつけることに!
J・ミズロウスキーが登板
NLは話題のブルワーズのジェイコブ・ミズロウスキーが8回表に登板。彼は、MLBでのキャリアを始めてわずか5試合でオールスターに出場。その期待を裏切らず、無失点に抑え、102.3mphのファストボール、98.1mphのスライダーを披露し、両軍ともに興味津々というところでした。
スウィング・オフでの終焉
6-6の同点で終わったゲームは、初の試みである”スウィング・オフ”で決まることに。野球版のPK戦といったところですね。現CBA(労使協定)で決められておりました。
- AL/NLとも3人ずつ選出
- 3スウィングずつ
- 合計を競う
新CBAで決定される前に実はパイオニア・リーグで延長戦をHRダービーで決着させる案はすでに導入されておりました。そのテスト結果を受けての新CBAでの導入で、まずはオールスターでの実施ということに。時短を謳うMLBは本当はレギュラーシーズンでの延長戦をこれで決着させたい意向もあるのでしょうね。レギュラーシーズンでの導入はまだ時期尚早とは思いますが。
結果はご覧の通り。ハラハラドキドキの非常に面白い展開に。
# | League | Player | Club | HR | AL-NL |
---|---|---|---|---|---|
1 | AL | B・ルッカー | ATH | 2 | 2-0 |
2 | NL | K・スタワーズ | MIA | 1 | 2-1 |
3 | AL | R・アロウザリナ | SEA | 1 | 3-1 |
4 | NL | K・シュワーバー | PHI | 3 | 3-4 |
5 | AL | J・アランダ | TB | 0 | 3-4 |
6 | NL | P・アロンゾ | NYM | – | – |
HRを打とうと思うとなかなか打球が上がらないと思うのですが、さすがに一流の選手たちですね。しっかりとボールを上げて行きました。
最初に打席に入ったのがブレント・ルッカー。初スウィングではスタンドまで届かなかったものの、しっかりと2HRをマーク。ALが3-1とリードした4人目。カイル・シュワーバーがやりました。3本とも見事にHR。
そしてALの3人目、ジョナサン・アランダのバットから放たれた3スウィング目がフィールド内にとどまり、NLの選手たちが歓喜を顕にしました。
今回のHRダービーには参加しなかったピート・アロンゾが3スウィングをする前にNLが勝利を決めました。
これにより、MVPはカイル・シュワーバーのものとなりました。
革新
過去12年のMLBオールスターの勝敗はこちら。実はALが圧倒しておりました。
Year | Winner | Loser | Score | Notes |
---|---|---|---|---|
2025 | NL | AL | 7–6 | スウィング・オフでNLが勝利 |
2024 | AL | NL | 5–3 | |
2023 | NL | AL | 3–2 | |
2022 | AL | NL | 3–2 | |
2021 | AL | NL | 5–2 | |
2020 | — | — | – | 中止 (COVID-19) |
2019 | AL | NL | 4–3 | |
2018 | AL | NL | 8–6 | 10 イニング |
2017 | AL | NL | 2–1 | 10 イニング |
2016 | AL | NL | 4–2 | |
2015 | AL | NL | 6–3 | |
2014 | AL | NL | 5–3 |
今回のオールスターはスウィング・オフの他に以下の興味深い変更点がありました。
- ABSの導入:オートメティッド・ボール・ストライク(ABS)チャレンジ・システムが導入され、3つの誤審が覆りました。ABSチャレンジは、スプリング・トレーニングではすでに導入されましたが、早ければ2026年の導入もあるかもしれませんね。
- 伝統のチームユニフォームに戻る
- ポジション・プレーヤーに多数マイクを装着
レッド・カーペットで大谷夫妻が登場
最後になりますが、大谷夫妻のレッドカーペットの模様です。
Shohei Ohtani and his wife, Mamiko, arrived in style 😎 pic.twitter.com/tRFfTQZJgF
— B/R Walk-Off (@BRWalkoff) July 15, 2025
大谷選手はこの日、2-1でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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