盛り上がった2025 HRダービー
現地2025年7月14日、オールスター・ウィークの伝統イベントであるHRダービーが開催され、マリナーズのカル・ロリー(Cal Raleigh)が見事チャンプとなりました。
昔のオールスターは「年に一度、スターが一同に介して」という特別感があり、それが人気でもあったのですが、今はその類の特別感は薄れました。ゆえにオールスター前になると、「出場する選手は休めなくて気の毒だな」と思う面もあるのですが、そういったネガティブな考えを吹っ飛ばし、やはりオールスターは豪華で華やかなものだと再認識させてくれるのがHRダービーでもあります。
今季はまた盛り上がりましたね。
アクーニャの代わりにマット・オルソン
出場者に一部変更がありました。アトランタ開催ということでロナルド・アクーニャ・Jr.の参加が決定していましたが、前の週にバック・イシューを発症。代わりにマット・オルソンがダービーに参加しました。
How the 2025 @TMobile #HRDerby played out ⚾️ pic.twitter.com/ycyd3KzIXk
— MLB (@MLB) July 15, 2025
オニール・クルーズが出たのは?
パイレーツのオニール・クルーズはオールスターのロスターに参加していませんが、HRダービーには出ました。これはたまにあることで、T-Mobileがスポンサーになる前からオールスターに選出されていない選手が出ることはありました。
オニール・クルーズが選ばれたのはその強烈な打球速度ゆえ、ダービーを盛り上げてくれるというのが大きかったでしょう。まさにエリート・パワーヒッターですから。そういったエンターテインメント性も参加の大きな要因でもあります。実際、それにふさわしいパワーですからね。
勝ち上がり
Round 1
ルール
- 8人の参加者はそれぞれ3分間または最大40球のどちらかで、より多くのホームランを打った方が勝ち。
- ラウンドが終わると、各打者は直ちにボーナス・ピリオドに入る。3つのアウト(ホームラン以外のスイング)を記録するまで打ち続ける。
- ボーナス・ピリオドに425フィート以上のホームランを打てば、アウトが1つ増える(つまり、ボーナス・ピリオドは4つ目のアウトを記録するまで続く)。
- 1回戦はシードなしで上位4人が準決勝に進む。
- タイブレーク: 同点の場合は、最長飛距離で決着。
(打撃順)
- ジェームス・ウッド(WSH):16
- ブレント・ルッカー(ATH):17
- ジュニオール・カミネロ(TB):21 →Semi-Finalへ
- オニール・クルーズ(PIT):21 →Semi-Finalへ
- バイロン・バクストン(MIN):20 →Semi-Finalへ
- ジャズ・チザム・Jr.(NYY):3
- カル・ロリー(SEA):17 →Semi-Finalへ
- マット・オルソン(ATL): 15
カル・ロリーが生き残る!
カル・ロリーとブレント・ルッカーが17HRで並びました。1st Roundでタイとなった場合は最長飛距離の比較が行われますが、ともに471ftとこれまた並びました。
より精密に導き出したところ、カル・ローリーの最長が470.62フィートでブレント・ルッカーのそれは470.54フィートでわずか0.96インチの差でカル・ロリーがセミファイナルへ進出を決めたのでした。
のちにカル・ロリーはRound1が最もハードだったと明かしました。
オニール・クルーズが513ftの特大HR
今季のダービーを盛り上げた功労者はやはりパイレーツのオニール・クルーズでしょう!なんと513ft (156.362m)の超特大HRを放ちました。
なお、このHRはStatcastが2016年にトラッキングを開始して以来、ダービー史上最長記録(クアーズ・フィールドでの記録は抜き)となり、一気に関心を惹きつけたのでした。
ノン・クアーズで最長
なお、オニール・クルーズの513fは飛距離だけで行けばNO.4。それより遠くに飛ばしたのはフアン・ソト(520フィート)、トレバー・ストーリー(518フィート)、ピート・アロンソ(514フィート)の3名ですが、これらはいずれも2021年にHRパークのクアーズ・フィールドで開催された時に放たれたもの。ゆえにオニール・クルーズの一発はノン・クアーズで最長ということになりました。
鬼滅バット
ジャズ・チザム・Jr.のバットはなんと鬼滅の刃が描かれたバットでした。
Jazz Chisholm Jr.'s "Demon Slayer" bat for the HR Derby 🔥 pic.twitter.com/2RHW323AOF
— SportsCenter (@SportsCenter) July 14, 2025
セミ・ファイナル
(ルール)
- 進出した4人は1回戦の合計で、今度は対戦形式で競われる: 1対4、2対3。
- 持ち時間は2分または27球のどちらかで、できるだけ多くのホームランを打つ。
- ボーナス・ピリオドはRound1と同じ
- タイブレーク: 同点の場合は60秒間のスイングオフでどちらが多くHRを放ったかで争われ、それでも同点の場合は3回のスイングによるサドンデスが行われる。
(結果)
- オニール・クルーズ:13 | カル・ロリー:19 →カル・ロリーがファイナルへ
- ジュニオール・カミネロ:8 | バイロン・バクストン: 7→カミネロがファイナルへ
ファイナル
(ルール)
- 準決勝と同じルール:2分または27球+ボーナスピリオドの3アウト(425フィート本塁打の場合は4アウト)。
- キャリーオーバーはない: ホームラン数はラウンドごとにリセットされる。
- 最も本塁打の多かった選手がチャンプに
(結果)
- ジュニオール・カミネロ:15 | カル・ロリー:18 →カル・ロリーがチャンプに

8歳の頃の動画が一気に拡がる
カル・ロリーが制したダービーでしたが、8歳の頃のカル・ローリーがチャンプになるのを予言したと話題です。28歳のカル・ロリーの20年前の動画でガラケーで取られたと思われる録画。
「僕はホームランダービーのチャンピオンだ!」と。
A full circle moment for Cal Raleigh 🥹
— MLB (@MLB) July 15, 2025
📹: @DKramer_ https://t.co/4C2HM38yN0 pic.twitter.com/KrddFAxd98
なお、これについて本人は「アーカイブの中のあれをどこで見つけたのかわからないんだ」と苦笑。
しかし、子どもが何の気なしに言っていたのが20年後に実現してしまったというのも不思議な感じがしますね。もちろん、本人の努力でもあるのですが、形になったのがすごいと思います。
スイッチ・ヒッティングで初
左右両打席でダービーに参加したカル・ロリーですが、チャンプとして左右両打席に立ったのは史上初です。
シーズンのHRキング
もしも8歳の時のカル・ロリーになにか伝えられる機会があったなら、「ダービーのチャンプどころか、シーズンのHRキングだよ!!」と伝えて上げたいですね。
カル・ロリーはオールスター・ブレーク前になんと38HRを記録!2001年のバリー・ボンズの39本に1本差というすごい数字です。
親子で参加
現地2025年7月4日にはダービーの予行演習を行っていたカル・ロリー。この時からお父さんがピッチャーを努めました。
ダービー当日には弟さんも参加。彼もいずれメジャーに上がると良いですね。親子の絆が深まったようで、それも良いお話でした。
お読みいただき、ありがとうございました。
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