大谷、ドジャースに入り初のマウンドへ
現地2025年6月16日、ドジャースは同地区ライバルのパドレスをホームに迎えての4ゲームシリーズ。非常に火花の散るこのライバル対決ですが、その初戦にドジャースは予め大谷翔平選手を先発に起用することを告知。非常に興味深い一戦となりました。
大谷、663日ぶりのマウンドへ
大谷選手が最後にメジャーのマウンドに上がったのが2023年8月23日のレッズとのダブルヘッダーのGm1。この試合で先発した大谷選手は2回途中に明らかなベロシティー・ダウンとなり、途中降板。このゲームは4-9のスコアでレッズが勝利しました。
手術後も数々のドラマあり
やばいなと誰もが思ったその後、現地2023年9月21日に大谷選手は右肘手術を実施。これは今でもトミー・ジョン手術なのか、インターナル・ブレース手術だったのかははっきりとしませんが、おそらく後者であろうとは言われています。
その右肘のリハビリの最中に迎えたのがFA資格到達で、この時は大谷選手が順当にドジャースに決まるのか?果たしてリハビリや回復後の起用方法も含めて勝手知ったエンゼルスに残るのか?色々な憶測が飛び交いましたが、最終的に大谷選手はあっさりとドジャースとサイン。しかもスーパー・メガ・ディールでした。
このときも他のFA選手の契約に支障が出ないように大谷選手は12月の頭には決断したものの、その後はディールが停滞。主にボラス・コーポレーションの顧客が他の選手のディールのボトルネックとなってしまいました。
ドジャース移籍後の大谷選手の活躍はご承知の通りです。50-50を達成し、3度目のMVPほか数々のアウォードを受賞。
プライベートではシーズン開幕前に結婚もし、海外開幕時に奥様が真美子さんであることが明らかになりました。非常にいいスタートであったところ、危うく闇につき落とされそうになったのが例の通訳の事件です。精神的にも厳しい中、よく試合に出続けたと思います。
そして上述のような華やかな成績を達成し、自身の目標であったワールドシリーズチャンプにもなりました。本当に色々なことがあったと思います。
2025年4月には第1子も誕生。
2025年、すでに25HRを放ち、またもや量産体制となったところ、今度は大谷選手をユニコーンたらしめてきた二刀流の復活です。実に663日ぶりのメジャーのマウンドです。
先発で1イニング
「なるほど、そう来たか!」と思ったのが復活マウンドが1イニングのショート・イニングになったこと。けが人多数でオープナーもままならぬドジャース。大谷選手の力も借りたいのは確かなのですが、打撃力ほか色々な要素を考えて、ロバーツ監督は当初、オールスター前の復帰はないとまで明言していたのですが、いい意味で裏切ってしまいました。そして負担を軽減するかのような1イニングの登板。
100mphをマーク!
そんな中、大谷選手はパドレスのリードオフであるフェルナンド・タティス・Jr.に97.6 mphのシンカーで復活ののろしを上げました。初球はタティスがファウルで1ストライク。2球目はボールで98.1 mphを計測。やはりシンカーでした。
3球目、初めてのオフスピード・ボールはスウィーパーで86.4 mphを計測。その後、6球目、99.1 mphの4シームをRFへ弾き返され、先頭打者の出塁を許してしまいます。
2番のルイス・アラエズに対してもHigh-90mphの強いボールで臨んだ大谷選手。4球目、4シームがボールとなりましたが、100.2 mphを計測。復帰マウンドでやってくれましたね。
ただ、この後、ルイス・アラエズにも98mphのシンカーをCFへ弾き返され、連打を浴びてしまいます。この当たりでタティスは3塁へ進塁し、ノーアウト1、3塁でマニー・マチャードを迎えます。
マチャードにはスウィーパー中心の配球となりましたが、5球目には4シームが99.9 mphを計測。しかし、6球目、スウィーパーをCFへ弾き返され、これがCFへの犠牲フライとなり、タティスが生還してパドレスに先制点を与えてしまいます。
この後、ギャビン・シーツには7球も粘られましたが、2Bのトミー・エドマンの攻守で2アウト目を奪い、2アウト2塁であと1アウトというところまでたどり着きます。
つづくバッターはザンダー・ボガーツで、勝負強さに気をつけたいところを大谷選手はしっかりとケア。ボガーツを95.4 mphの4シームで抑え、1Bゴロに。
復帰登板はこれで終了。1イニングで28球を投げ、16球がストライク。被安打2、失点1、自責点1、BB 0、SO 0という結果となりました。
1回を抑えた後はそそくさとリードオフの打撃の準備を始めた大谷選手でした。
またフランチャイズ・レコード
かつてナ・リーグは投手も打席に立ち、それまでドジャースの投手で最多HRを放っていたのは1962年にサイ・ヤング賞投手を受賞したドン・ドライスデール(Don Drysdale)の通算29HR。大谷選手はドジャース移籍後79HR。先発としてマウンドに立った投手のフランチャイズ・レコードを一気に大幅に塗り替えたことになります。
打っては同点タイムリー・ダブル
降板直後の第1打席ではディラン・シーズの前に三振に倒れた大谷選手。
しかし、3回裏の第2打席ではアンディー・パヘスを3塁に置いて、CFへ同点タイムリー・ダブルを放ち、自らの失点を取り戻しました。
4回表、2番手のベン・カスパリアスがボガーツにタイムリー・ダブルを打たれ、1点を勝ち越されてしまいますが、直後の4回裏にディラン・シーズを攻め、タイムリーが重なって5得点。この中には大谷選手のRFへのタイムリーも含まれております。
中断にリードを拡げたドジャースは結果、大谷選手も含めた7人のリレーでパドレス打線を抑え、6-3で勝利。見事に初戦を取りました。
ドジャースでも二刀流を初披露した大谷選手。今後は長いイニングを投げた翌日にもDHで出場するか?なども注目ポイントですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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