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【MLB2024FA】レイズがフィル・メイトンを獲得したディールについて

有力FAリリーバーがレイズへ

 現地2024年2月5日のこととなりますが、レイズがアストロズからFAとなっていたリリーバーのフィル・メイトン(Phil Maton)と1年契約で合意しました。なかなかオフィシャルにならないのはひょっとしてフィジカルチェックで何か問題でも?と思って待っていたのですが、そうでもなさそうなのですので、ここで記事にしておきたいと思います。

契約内容

 双方合意の内容は以下の通りです。

  • 1年/$6.5M (2024) 保証+ 2025 オプション
    • 2024: $6.25M
    • 2025 $7.75M クラブ・オプション ($0.25M バイアウト)

 こちらは2024年の$6.25Mと2025年のバイアウト分の$0.25Mを加えて、$6.5M保証。もしオプションが行使されれば$6.25M + $7.75MでMAXで$14Mのディールとなります。

 フィル・メイトンは今オフが初FA。2023年は調停を避けて1 年/$2.55M (2023)のサラリーだったので、2023年の実績からリリーバーとして市場ではかなり有力と思われていたところ、レイズが獲得に至りました。

3年連続で65試合以上に登板

 フィル・メイトンの今回のFA市場での強みでもあり、懸念点でもあったのが2021年から3年連続で65試合以上に登板している点

AgeYearTmERAGIPHBBSOWHIPH9HR9BB9SO9
282021TOT4.736543.04114461.4558.80.84.311.5
282021CLE4.573847.15023551.3557.80.94.413.3
282021HOU4.972736.23812331.61810.30.74.38.5
292022HOU3.846724.1346201.2497.91.43.310.0
302023HOU3.006812.146131.1216.70.83.410.1
フィル・メイトンの直近3シーズンの成績

 非常にタフな実績を誇ると同時に肩肘の疲れは問題ないのか?というのが懸念点でもありました。リリーバーで60試合登板を3年も続けていれば、そろそろ疲れが溜まってきている頃ではではないか?というのがその懸念点。

 とにかくコストに厳しいレイズですから、ここが問題なら契約はどうなるかわからない・・・と思っていたので、オフィシャルまで待っていたのですが。

フィル・メイトンとは

 フィル・メイトンは、1993年3月25日生まれの30才(現地2024年2月10日時点)。開幕直前に31才になります。

 前にフィリーズにいて、2024年はオリオールズの40manに入っている内野手のニック・メイトンは弟になります。

 フィル・メイトンのドラフトは2015年のパドレスの20巡目指名。かなり遅い順位でした。大卒でのプロ入りです。

 ドラフト翌年の2016年はクラスA+でその大半を過ごし、25試合でERA 1.91をマークしたことからシーズン後半にはトリプルAに昇格。ここでも5試合でERA 1.50と好成績をマーク。

 2017年はトリプルAで開幕を迎え、23試合でERA 2.84をマーク。同年6月11日のロイヤルズ戦でメジャー・デビュー。ここまではかなり順調。ただし、2017年はメジャーでは46試合の登板でERA 4.81と苦戦。この頃からH9の高い投手で、2017年は7.8でした。

 2018年も前年とほぼ変わらない数字で、45試合でERA 4.37。H9は9.7、BB9は4.4。メジャーに上がってからは凡庸な成績となってしまいました。

 2019年前半はパドレスで21試合でERA 7.77とさらに悪化。同年7月半ばにはクリーブランド・インディアンズに移籍。これはインターナショナル・ボーナス・スロットとの交換でした。インディアンズ移籍後はやや落ち着き、ERA 2.92。

 パンデミックの影響で短縮された2020年シーズンも特に変化はなく、彼は23試合に登板したものの、ERAは4.57。メジャーに上がってからノボ悩んでおりました。

 2021年も同様。インディアンズで38試合に登板するもERAは4.57。ただ、SO9は13.3と奪三振の数字はアップ。同年7月のトレード・デッドラインで、ヤイナー・ディアスとともにアストロズに移籍。ヤイナー・ディアスは、2024年からアストロズの正捕手候補。アストロズからインディアンズにはマイルズ・ストローが動きました。あまり注目されないトレードでしたが、アストロズにはいいトレードになりました。

 アストロズでは27試合で4勝0敗、ERA 4.97。この年のトータルは65試合の登板で6勝0敗、ERA 4.73。この年の ポストシーズンでは、ブレーブスとのワールドシリーズで6試合のうち5試合登板するなど、ベンチからも信頼された起用となりました。

イマキュレート・イニングを達成(2022)

 2022年は前年のポストシーズンでの好成績が後押ししたかのように活躍。67試合に登板し、ERA 3.84をマーク。なお、 6月15日のレンジャーズ戦(9-2アストロズが勝利)で7回に登板し、イマキュレート・イニングを達成。このゲームは先発のルイス・ガルシアも達成していたことから、MLB史上初の1試合2人のイマキュレート・イニング達成となりました。

 2023年はFAまでのファイナル・シーズンということもあったのか、キャリアハイの高品質投球を披露。68試合、66.0IPでERA 3.00をマーク。H9も6.7と抑え、BB9は3.4。SO9は10.1 でした。

レイズのブルペン

 先発に長期離脱が多いレイズですが、リリーバーはFAでロバート・スティーブンソンが抜けたものの、ピート・フェアバンクス、ジェイソン・アダム、コリン・ポシェ、ショーン・アームストロング、クリス・デベンスキーらがおり、ここにフィル・メイトンが加わるので相変わらず強いブルペンになりそうです。レイズのことですから、またシーズン途中で内部から昇格がありそうです。

 お読みいただき、ありがとうございました。 

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