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【MLB2026】ロッキーズがフロントを刷新!編成トップはNFLから復帰のP・デポデスタ!新GMはドジャース幹部のJ・バーンズ

凄腕2人が低迷するロッキーズの再建を託される

 現地2025年12月7日より、いよいよ2025年のウィンター・ミーティングが開催されます。2025年はフロリダ州オーランドでの開催で、現地10日まで行われます。ウィンター・ミーティングについては下記の記事をご参照ください。少し前の記事ですが、まだ内容は合致しています。

 MLB関係者が一同に会するということでここでディールが成立することが多いので、ウィンター・ミーティングは注目されている訳です。

 そんな中、ここ数年大苦戦がつづき、4年連続で最下位、3年連続100敗以上、そして2025年は前年にホワイトソックスが樹立したシーズンワーストの121敗の記録がすぐそこにまで迫っていたコロラド・ロッキーズがBO(Baseball Operations)の人事を刷新しております。

 このウィンター・ミーティングでも動いてくるかもわかりませんね。

 その主要トップ2をご紹介します。

新POBO:ポール・デポデスタ

 まず、編成トップであるPOBO(President of Baseball Operations)はポール・デポデスタ(Paul DePodestaに決まりました。こちらはだいぶ前になりますが、シーズン終了後すぐの2025年11月7日に正式に就任しております。

直近はNFLのブラウンズ

 ポール・デポデスタは直近は2016年から2025年まではNFLのクリーブランド・ブラウンズで最高戦略責任者(Chief Strategy Officer)として働いておりました。もともとはMLB業界にいた人で、ブラウンズでの主な仕事は分析主導の再建と、コーチ/GMの採用、ロスター構築。

 ブラウンズは、当時のGMサシ・ブラウン体制下で、解体期である2016-17シーズンに1勝31敗を記録。その後、ロスターが改善し始めた2018-19シーズンには13勝18敗1分けに。​2020年から2024年にかけては39勝37敗を記録し、2度のプレーオフ進出(2020年と2023年)を達成。これにより再建後の成績は52勝55敗1分、在任期間全体の成績は53勝86敗1分。

 デポデスタの功績としてよく挙げられるのは、2016年から2017年にかけての資産蓄積戦略の主導。資産蓄積戦略とはNFLは選手寿命が短い上で高額報酬ですので、選手の引退後の生活を見据えた備えのことで、クラブ側からしっかりとバックアップを行ったこと。もともと数字の天才ですから。そしてマイルズ・ギャレット、ニック・チャブ、デンゼル・ウォード、デビッド・ニョクといった中核選手をドラフト指名し、契約延長、さらに2020年にケビン・ステファンスキーとアンドルー・ベリーを迎え入れた人事の指揮。これらによりブラウンズに1994年以来となるプレーオフ初勝利をもたらしたのでした。

 ただ、マイナス面としては、彼の在任期間中に勝ち越したシーズンはわずか 2 回で、プレーオフでの勝利は 1 回にとどまっていること。分析主導のアプローチがフランチャイズの長期的な運命を実際にどれだけ変えたのかについては疑問を投げかけられてはおります。

元マネーボールの主要メンバー

 分析というキーワードがブラウンズでのキャリアに出てきましたが、この人が有名になったのは、あの『マネーボール』で有名なアスレチックスのビリー・ビーン体制のもとで、5年間勤めてきたこと。

 映画『Money Ball』でラップトップを使い倒し、メガネをかけた太った大学エリートのピーターはこのポール・デポデスタがモデルと言われております。ブラウンズが分析で引き抜いた理由もわかりますね。

​ もともとはハーバード大学で経済学を学び、1996年からインディアンスのフロントで3年間在籍し、1999年からアスレチックスに在籍。ビリー・ビーンのもとでGM補佐として5年間在籍。

 その後は2004年にドジャースにGMとして採用されましたが、5年契約の2年で解雇。2006年からはパドレスでスペシャル・アシスタントとして採用され、2008年にExecutive Vice Presidentに昇進。パドレスには2010年まで在籍しました。

 2011年からはメッツのBaseball OperationsのVP(Vice President)、選手育成やスカウティングに従事。これが2015年まで続きました。

 そして2016年からクリーブランド・ブラウンズ、2026年からロッキーズのPOBOという流れです。

 前後しますが、ロッキーズは前のGMのビル・シュミット(Bill Schmidt)が2025年10月1日に辞任していました。それまではGMが編成トップでしたが、2026年からはPOBOを編成トップにししたということです。

新GM:ジョシュ・バーンズ

 そんなポール・デポデスタが最初に着手した仕事は新GM探しで、現地2025年11月3日、正式に決まりました。ドジャースのジョシュ・バーンズ(Josh Byrnes)を引き抜きました。

再びタッグを組む 

 ジョシュ・バーンズは2015年から2025年までドジャースの BO(Baseball Operations)のSenior VP(Vice President)の地位にあった人物。

 2人は1996年から1998年までインディアンスで仕事をしていましたので、今回は再びタッグを組むという形になります。ジョシュ・バーンズはインディアンスに1994年から1998年までスカウティングとして働いていました。1999年にポール・デポデスタはアスレチックスへ、ジョシュ・バーンズは2000年からコロラド・ロッキーズでアシスタントGMに就任しました。したがってジョシュ・バーンズも2度目のロッキーズのフロントということになります。ロッキーズには2002年まで在籍。

 2003年から2005年まではレッドソックスのアシスタントGM。2004年のワールドシリーズ・チャンプに貢献しております。

 2006年から2010年まではDバックスのVP兼GMで、2015年までの延長契約にサインしていましたが、2010年7月に解雇されております。

 2011年から2014年まではパドレスでBOのVP兼GMに就いていましたが、2014年に解雇。

 以降、ドジャースに上述のポジションで在籍していたことになります。

NLウエストを熟知 

 このようにジョシュ・バーンズはNLウエストを渡り歩いた関係でかなり熟知したキャリアを持っており、しかも直近はドジャースで11年もいましたので、同地区の知識は明るいどころか、隅から隅まで知っているという状態です。

新監督はウォーレン・シェーファー

 ポール・デポデスタはGMを決める前にフィールド上の監督をまず決めました。バド・ブラックが7勝33敗で5月に解任された後、暫定監督として指揮を執っていたウォーレン・シェーファーを正監督に昇格させました。

プロスペクトは豊富

 コロラド・ロッキーズは、オールスター捕手のハンター・グッドマン、SSのエゼキエル・トバーなど、若い中心いい選手がいます。2025年のドラフトでは1巡目でイーサン・ホリデイ(全体4位)を指名。父マット・ホリデーは、2007年の「ロックトーバー(Rocktober)」の火付け役としてチームを牽引し、球団唯一のワールドシリーズ進出(ボストンにスイープされた)を成し遂げたロッキーズの重鎮です。松井稼頭央選手もいました。

 懸案となっている背中の病気のクリス・ブライアントの件もなにか動きがあるかもしれません。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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