オリオールズがクローザーを獲得へ
現地2025年11月29日、ボルチモア・オリオールズはメッツからFAとなっていたクローザーのライアン・ヘルスリー(Ryan Helsley)と2年契約で合意しました。現時点ではフィジカル・チェックの結果待ちで、まもなくオフィシャルとなる見込みです。
2025年は沈んだオリオールズ
オリオールズは2023年に101勝61敗をマークして2014年以来のALイースト制覇を達成。翌年の2024年も91勝71敗で2位に終わったものの、2年連続でポストシーズンに進出。
しかし、2025年は投手にけが人が多数出て、チームERAが4.60とMLB30クラブ中26位に終わるなど投壊。さらに、打線もガナー・ヘンダーソン(打率.274)とラモン・ロレアーノ(打率.290)しか機能せず、開幕から沈むばかりでした。5月にはブランドン・ハイド監督が解任され、3Bコーチであったトニー・マンソリーノが暫定監督に就任。やや改善されたものの、最下位脱出はならず。
また、そのラモン・ロレアーノもトレード・デッドラインでパドレスに移籍するなど、早々にリビルドに向けて舵を切ったシーズンでもありました。
2026年に向けての動き
そんなオリオールズは2026年に新監督として43歳のクレイグ・アルバナズが就任。
今オフはすでに右打席のOF、テイラー・ウォードをエンゼルスからトレードで獲得し、プロスペクト時代から大事にしてきたグレイソン・ロドリゲスを放出するなど大きな動きを見せたところでした。
今回のライアン・ヘルスリーの獲得もチーム事情を背景に、早めに手を打ってきたという動きでもあります。
契約内容
現時点でのオリオールズとライアン・ヘルスリーの合意内容は、ご覧の通り。
- 2年/$28M (2026-27)
- 2026シーズン終了後にオプトアウト可
AAVで$14Mという契約でカージナルスで不動のクローザーを務めたライアン・ヘルスリーをかなりの格安でゲットしたという内容になっています。
特筆は2026年終了後にオプトアウトが入っていること。
ライアン・ヘルスリーは1994年7月18日生まれで、2026年は31歳で開幕を迎え、夏には32歳となります。年齢的な面から言っても、次が市場でのラストチャンスと捉えて、ショート・タームそしてオプトアウトありで合意した模様です。
なお、ライアン・ヘルスリーのエージェントはワッサーマン(Wasserman)で、有名どころではダルビッシュ投手、山本由伸投手、ザック・ウィーラー、トレバー・ストーリーらがクライアントです。
フェリックス・バティスタがリハビリ中
オリオールズのゲーム後半にはフェリックス・バティスタという豪腕のクローザーがおりますが、そのフェリックス・バティスタは2025年8月に右肩を手術。ローテーターカフの一部を断裂し、さらに関節唇も損傷する大きな怪我でした。名医ニール・エルアトラッシュ(Neal ElAttrache)博士が執刀し、万全を期してはおりますが、復帰までは12ヶ月かかるゆえ、予定通りであれば8月までは復帰できません。
なお、フェリックス・バティスタは2023年10月には右肘のトミー・ジョン手術を受け、2024年を全休。2025年の開幕には間に合ったのですが、上述の通り、今度は8月に右肩を大手術したという履歴です。
肘に次いで肩ということで、おそらく復帰は慎重に期すると見られ、8月復帰のスケジュールはほぼ動かないと見て算段して良さそうです。もしもリハビリが順調に行き、それより早く復帰できれば儲けものくらいに思った方が良いかと。
クローザーを失ったオリオールズは、イェニエル・カノーなどクロージングも経験した右腕がおり、さらにアンドリュー・キットリッジも今オフすぐにカブスから金銭トレードで呼び戻した経緯もあります。
ただ、彼らはセットアップに起用したいという思惑もあるでしょう。そういった背景でしっかりとしたクローザーが欲しいということで、ライアン・ヘルスリーと合意したというところが背景となります。
カージナルスでは不動のクローザー
ライアン・ヘルスリーは2015年のアマチュア・ドラフトでカージナルスから5巡目で指名され、2019年にメジャー・デビュー。以降、ずっとブルペンで起用されてきました。
2021年はゲーム終盤の大事なセットアップロールでしたが、2022年から本格的にクローザーで登板。2022年から2025年にかけてカージナルスで105セーブを記録した不動のクローザーでもあります。
この期間、ヘルスリーはNLオールスターに2度選出され、2024年にはトレバー・ホフマン・アウォード(Trevor Hoffman Award)、つまりNLのReliever of the Year(最優秀救援投手)に選ばれ、2024年のMLB ファースト・チームにも選出される活躍を見せました。
カージナルスでは299.2イニングを投げ、ERA 2.67、SO率は29.12%、BB率は9.93%を記録。圧倒的な力を見せつけてきました。
カージナルス時代は2021年8月20日に右肘痛を発症し、さらに左膝の手術でシーズン・エンディングとなりましたが、大きな怪我というのはそれくらいでした。
メッツでは不振
2025年、コンテンダーでなくなったカージナルスは、ライアン・ヘルスリーの1年/$8.2M (2025)のサラリーを気にしてか、トレード・デッドラインでメッツにトレード。
ところが、ライアン・ヘルスリーはメッツで大苦戦し、22試合、20.0イニングを投げ、ERA 7.20と低迷。夏までカージナルスで記録していた指標は全て悪化。HR率は2.5%から4.2%へ、SO率は26.1%から23.2%へ、BB率は8.9%から11.6%へ移行。
これはメッツがこけた原因の一つにもなり、エドウィン・ディアスのセットアップ・ロールへの転向も無駄に終わりました。なお、エドウィン・ディアスは2025年のNL Reliever of the Year(最優秀救援投手)を受賞しています。
強い4シームは大きな武器
FA資格到達直前のメッツでの大不振もあり、ライアン・ヘルスリーは今オフ、あまり高く評価されておりませんでした。よって、今回のオリオールズとの2年/$24Mは相場より上の契約内容だとの見方も。
2025年の4シームのアベレージ・ベロシティーは99.3mphを記録。短いイニングですから、余計に高い数字が出るのですが、それでもやはりこのベロシティーは相手チームからすると脅威。
ここ数年はこの強く、回転のいい4シームが効いて、スライダーも威力を発揮。もともとコントロールが良い方ではありませんが、スライダーのおかげで投球の選択肢が増えたとも言えるでしょう。
メッツでの不振を払拭し、元のライアン・ヘルスリーに戻れば、オリオールズは後ろがかなり安定し、ALイーストで力を発揮しそうです。
お読みいただき、ありがとうございました。





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