フィリーズの5連勝に貢献
現地2025年9月12日、直前のメッツとの4ゲームシリーズをスウィープしたフィリーズ。もはやNLイースト制覇はカウントダウン状態になっておりますが、残り15試合を回していく中で、ザック・ウィラーが不在となった今、少しでも既存のローテーションの負担を軽くするためにも、あるいはポストシーズンに向けての試験も兼ねて、ついにウォーカー・ビューラーを先発させました。対戦相手はカンザスシティ・ロイヤルズ。
フィリーズ・デビュー
ウォーカー・ビューラーはドジャース時代の2022年にトミー・ジョン手術を行い、2024年に復帰。しかし、シーズンでは不安定な投球が続き、ポストシーズンで一時的にERA 3.60の投球を披露し、 2024年のワールドシリーズの最後を締め、復調の兆しは見せていました。
レッドソックスはそんなビューラーの本格的な復活を期待して契約。しかし、シーズン開始後も不安定な投球が続き、23試合に登板(うち22試合に先発)、112.1イニングを投げ、被安打120、失点72、ER 68、BB 55、SO 84、ERA 5.40とピリッとせず。
最後はブルペン転向となりましたが、そんな中、ペイトン・トールの昇格が決まったことで、レッドソックスはロスター調整を実施。ビューラーはリリースとなりました。ただ、ポストシーズン出場資格の期限である9月1日より前にリリースすることで、ビューラーにチャンスを与えるためのリリースでもありました。
その後、ザック・ウィーラーの離脱が決まったフィリーズがローテーションのオプションになればということで、ビューラーと現地2025年8月31日にマイナー契約でサイン。ビューラーはトリプルAアイアン・ピッグスにアサイン。
9月6日、アイアン・ピッグスでの初戦のマウンドに上がったビューラーは、いきなり先頭打者にHRを打たれるという不安なスタートを切ります。このゲームは3.0イニングを投げ、被安打5、失点2、自責点1、BB 3、SO 5、HR 1。
これはちょっと時間がかかるなという投球ではありましたが、奪三振5はその中でも光明ではありました。そしてフィリーズは現地12日にビューラーをメジャーへ上げ、ロイヤルズ戦に先発させたのでした。
ビューラーの失点パターン
レッドソックス時代のビューラーは失点の傾向が割と顕著に出ておりました。とにかく立ち上がりが悪すぎるというのがビューラーの傾向。ERAは8.18です。
イニング | ERA | R | BB | S0 |
---|---|---|---|---|
1 | 8.18 | 20 | 11 | 13 |
2 | 2.86 | 9 | 12 | 16 |
3 | 0.86 | 3 | 10 | 11 |
4 | 11.17 | 24 | 12 | 16 |
5 | 5.02 | 6 | 5 | 14 |
6 | 4.00 | 2 | 3 | 9 |
そして3イニング目のERAが0.86とかなりいいのは、8番あるいは9番から始まるターン多いからだと思います。そして最も悪いのが4イニング目のERAで11.17。ここは2巡目のクリーンナップという傾向かと思います。
よってビューラーの登板でまず注目すべき点はは初回。ここをどう乗り切るかということと、2巡目に入る4イニング目の対戦相手の打順とその投球内容というところかと。
ちなみに6イニング目は投げる機会が少なかったというデータでもあります。ただ、一貫してSOの数字は非常によく、ここはフィリーズとしては希望でもあります。
5回1失点のデビュー戦
そんなビューラーはやはり初回に失点しました。1回表、1アウトからボビー・ウィットにシングルで出塁を許すと、2アウトまでこぎつけるも、盗塁とタイムリーで1失点。やはりこの日も初回に失点しました。ただし、BBが0だったのは少し改善したのかと。
そしてやはり3イニング目は良くて、三者凡退。2巡目の1-2-3を抑えました。
鬼門の4イニング目、マイケル・ガルシア、サルバドール・ペレスを打ちったビューラーでしたが、2アウトからアダム・フレイジャーにシングル、マイケル・マッシーに四球を与え、ピンチを迎えましたが、ジャック・カグリオーン(Jac Caglianone)RFフライに押さえてピンチを脱出。
5回表のマウンドにも上がったビューラーはここでもスムーズに2アウトを奪うも、この後は死球とシングルで2人のランナーを背負うも、マイケル・ガルシアをSSゴロに仕留めて、イニングを終えました。
6回表からタナー・バンクスが登板。この日のビューラーは5イニングで90球を投げ、ストライクは50球。被安打5、失点1、ER1、BB 1、HBP 1、SO 3、HR 0と好投しました。
やはり1回、4回には失点のリスクが高まりましたが、それでも対策の跡が見える投球だったのではないかと思います。
それにイニング先頭は悉く討ち取ったのも良かったのではないでしょうか?
2アウトからの出塁が2度ありましたので、ここを次はどう変えてくるのか、楽しみでもあります。
フィリーズ、マジック3!
ビューラーがゲームメイクする間、フィリーズ打線はロイヤルズ先発のマイケル・ローレンツェンから3イニングで6得点を上げ、ゲームを優位に進めました。
3回裏にはブライス・ハーパーに26号2ランHRが出ております。
フィリーズは最終回に右腕のマックス・レイザーを起用。パーフェクトに抑え、またブルペンに選択肢が増えております。
5連勝となったフィリーズはこれで地区Vまでマジック3となっております。また、フィリーズはこの勝利で88勝目。NLトップのブルワーズは89勝ですから、ついにブルワーズも捉え、プレーオフ・バースのNO.1スポットもすぐそこ!という状況です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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