ガーディアンズ、ALワイルドカード・スポットに参戦
現地2025年9月8日、ロイヤルズ@ガーディアンズ戦で、ガーディアンズ先発右腕のスレイド・セコーニ(Slade Cecconi)が素晴らしい投球を披露。7回までロイヤルズ打線をノーヒットに抑える投球で大記録なるか!というところだったのですが、惜しくも8回で記録は途絶えました。
しかし、セコーニはその後も崩れることなく、8回を投げきり、ガーディアンズの勝利に大きく貢献。ガーディアンズが10-2のスコアで勝利しました。
スレイド・セコーニの快投
このゲームの主役はなんと言ってもスレイド・セコーニ。3回を終えて出したランナーは四球による2人だけという素晴らしい立ち上がりを見せました。
メカニクスはいわゆる本格派で上から投げ下ろすスタイルのスレイド・セコーニはその後も、74-77mphほどの大きく縦に落ちるカーブをうまく使い、Mid-90mphの4シームとそれと同程度のベロシティーのシンカー、83-86mphほどのスライダーをミックスし、ロイヤルズ打線を翻弄。
4シームのベロシティーは中盤にかけて93-94mphがメインになりましたが、時折、ギアを上げて96-97mphの角度のあるそれも投げ込み、淡々とアウトを奪って行きます。
6回を終えて球数は81球。7回に入り、ノーヒッター・アラートも点灯し、大記録に期待が高まります。
7回表は大きなカーブをメインに配球。サルバドール・ペレス、アダム・フレイジャー、ジャック・カグリオーン(Jac Caglianone)を打たせて取り、三者凡退。球数は7回を終えて81球。打たせて取るスタイルが弾数をセーブさせました。
8回にノーヒッターが途絶える
そして迎えた8回表、先頭のマイケル・マッシーに大きなカーブから入ったスレイド・セコーニ。初球の入り方も素晴らしかったです。ガーディアンズの捕手はボー・ネイラー。ここに来てカーブのベロシティーは71mphにまで落としました。
その後、左打者のマッシーに対し、アウトコースの厳しいゾーンを攻めたセコーニでしたが、4球目の4シームをラインドライブで左中間の前に落とされ、惜しくも記録は途絶えました。
コマンドもバッチリで間違いなかったのですが、さすがに4シームのベロシティーは91mph台に落ちていました。記録が途絶え、スタンドからスタンディングオベーションを受けたセコーニはその場でキャップを取り、観客の声援に応えます。
ここで投手交代になるかと思ったのですが、ガーディアンズ・ベンチは続投を選択。この時点でスコアは10-0だったので、仮に3,4点取られたとしても区切りのいいところまで投げてもらおうという判断だったと思います。
セコーニはその後、カーター・ジャンセンをダブルプレー、カイル・イズベルを2Bゴロに仕留め、最後まで丁寧な投球を披露し続けました。
セコーニはここで降板。球数はちょうど100球、8.0 IPで被安打1、スコアレス、BB 3、SO 3と素晴らしい投球を見せました。
スレイド・セコーニとは
スレイド・セコーニは1999年6月24日生まれの26歳。高卒時の2018年にオリオールズから38巡目で指名されましたが、これを拒否してマイアミ大学へ進学。2020年のアマチュア・ドラフトでDバックスから1巡目(全体33位)で指名されてプロ入り。
デビューは2023年でDバックスが大躍進した年。24歳でのデビューでした。この年は7先発で27.0 IPでERA 4.33。2024年は20試合中、13試合に先発して77.0 IPで2勝7敗、ERA 6.66。
2024年12月にガーディアンズがジョシュ・ネイラーをDバックスに出したトレードでガーディアンズに移籍。
今季はここまで19先発で107.1 イニングを投げ、5勝6敗、ERA 4.78。
ブライアン・ロッキオが再三にわたる好守備
大記録は無くなったのですが、こういった投手が素晴らしい投球をする場合、野手の好守も光ります。増してや打たせて取るタイプのセコーニならなおさらです。
この日はブライアン・ロッキオ(Brayan Rocchio)の守備が本当に光りました。この日のガーディアンズの先発のSSはガブリエル・アリアスで、ブライアン・ロッキオは2Bでのスタート。このスムーズな2Bへの送球だけでなく、2塁へのゴロを確実に処理。試合後半はSSに就きました。
ゲームは9回表にロイヤルズがザック・ケントから2点を奪うも、反撃もここまで。10-2でガーディアンズが大勝しました。ロイヤルズはボビー・ウィットが腰を痛めてこの日のゲームも未出場。ここに来て中心選手の怪我が響いております。
ガーディアンズ、WSスポットでKCを抜く
2024年に厳しい戦力ながら、ガーズ・ボールというスモール・ベースボールを展開して、ALCSまで駆け上がったガーディアンズですが、今季はサラリー・シェッド(削減)を実施し、1Bのジョシュ・ネイラーを放出するなど、戦力ダウンでシーズンに入りました。上述のようにネイラーのトレードでスレイド・セコーニが入ってきました。
トレード・デッドライン前にはクローザーのエマニュエル・クラセがギャンブルの調査で離脱。
トレード・デッドラインではエースのシェーン・ビーバーを放出するなど「売り」に転じたのですが、ここに来て盛り返してきました。
もともと右投手の育成が素晴らしいガーディアンズ。スレイド・セコーニも鍛え上げてきましたね。
そしてこの日の勝利で73勝70敗で、ライバルのロイヤルズの73勝71敗を抜いて地区2位に躍り出ました。さらに、ALワイルドカード・スポットでもロイヤルズを抜いて5位に。
【ALワイルドカード】
- ヤンキース: 80-63
- レッドソックス:80-65
- マリナーズ:76-68
- レンジャーズ: 75-70
- ガーディアンズ:73-70
- ロイヤルズ: 73-71
- レイズ: 71-72
ワイルドカード・スポットは3枠。NO.1、2の枠はヤンキースかレッドソックス、あるいはブルージェイズ(現時点ではALイースト首位)がこのまま行くでしょう。NO.3スポットはマリナーズが今ひとつ抜けでおりません。今、このNO.3をめぐってレンジャーズが猛追。やや遅れてALセントラルの2チームが追随している状況です。
あと19試合ほどになってきましたが、このプレーオフ争いも熾烈になってきました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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