トレードデッドラインに向けた動き
現地2025年7月25日、ヤンキースもトレード・デッドラインに向けて動いてきました。
ロッキーズからライアン・ミクマン(Ryan McMahon)を獲得しました。こちらはもうオフィシャルになっております。
これでヤンキースは新しい3Bとして彼を起用することになりそうです。
トレード概要
このトレードは1:2です。
ヤンキースGet
- ライアン・ミクメーン(Ryan McMahon/30)3B | B/T: L/R
ロッキーズGet
- グリフィン・ヘリング(Griffin Herring/22)P | B/T: L/L
- ジョシュ・グロシュ(Josh Grosz/22)P | B/T: R/R
致命的だった3B
ヤンキースが3B獲得に至った背景はとにかく3Bが致命的に弱かった点にあります。ポジション別のシーズン成績を見ると、ヤンキースの3Bは複数人が守っておりますが、打率.216はALのワースト2。2Bも打率.229と決して良くはないのですが、それでもALで8位。3Bが致命的に弱かったのです。
オズワルド・カブレラの負傷がひびく
その3B不調の原因は開幕から3Bを務めていたオズワルド・カブレラ(Oswaldo Cabrera)の負傷離脱があります。オズワルド・カブレラは5月12日のマリナーズ戦で左足首を骨折して退場。そのままシーズン・エンディングとなりました。10-5と大量リードしていた状況でしたが、1アウト満塁でRFへ犠牲フライが上がり、3Bランナーであったオズワルド・カブレラはホームへ突入。その際、送球を避けるように走路を変えようとしたところ、左足首を傷めてしまいました。ちょっと恐ろしい怪我でしたので、書くのも憚られます。
下記の動画は恐ろしい場面はきれいにカットされていますので、安心して見てください。ヤンキース・ダグアウト、マリナーズの守備の面々の表情をご覧になれば怪我の酷さがわかると思います。靱帯損傷も伴っていましたので、プレートとスクリューを入れる大手術を受けております。
そのオズワルド・カブレラは離脱時点では.243/.322/.308とそれほどいい数字ではなかったのですが、4月末時点は.291/.364/.354といい数字を残していたのです。当然、打線に良いつながりがありました。
ルメイヒューはDFA
本来はD.J.ルメイヒューが守るべきポジションなのですが、あまりにも彼が不振で結果、7月9日にDFA。翌10日にリリースとなりました。
オズワルド・ペラーザが不振
ルメイヒューが不振だったため、オズワルド・カブレラが開幕3Bを務めたのですが、そのカブレラが離脱後は、ジャズ・チザム・Jr.が守ったりといろいろと振り分けていたのですが、チザムはもともとSSでしたから、2Bに落ち着くことに。
カブレラが離脱した後に、メインで3Bを守っていたのがオズワルド・ペラーザ(Oswald Peraza)。そのペラーザが70試合に出場するも、.152/.212/.241、OPS .452と大ブレーキとなってしまい、3Bの補強が急務になっていたのです。
ロッキーズはサラリー・シェッド(削減)も
ロッキーズ側の背景は、チーム状態はご承知の通り、最悪。現地2025年7月25日終了時点で27勝76敗。これでもSSにオーランド・アルシアが入ったり、タイロ・エストラーダが復帰したりしたことでマシになった方です。
ミクマンの契約
ライアン・ミクマンは2022年3月にロッキーズと延長契約にサイン。
- 6 年/$70M (2022-27)
- $5M(2022) |$9M(2023) |$12M(2024) |$12M(2025) | $16M(2026) | $16M (2027)
- 以下でオプトアウト可
- 2022-2024年のいずれかのシーズンでMVP投票でTOP 5入りすれば2025終了時にオプトアウト可能
- 2025年にMVP投票でTOP 5入りすれば2026終了時にオプトアウト可能
ロッキーズは今季、$12Mの支払いがあった訳です。今季のチーム成績が上記のような状態ですから、当然、このトレード・デッドラインではSeller(売り)のステータス。この際にサラリー削減も行おうという決断かと思います。
ヤンキースはミクマンの残りサラリーを全額引き受けます。なお、2025年終了後のオプトアウトは条件にマッチしなかったので不可です。2026年終了後のオプトアウトも今季の成績からすれば難しそうです。
ライアン・ミクメーンとは
ライアン・ミクメーンは、Ryan McMahonというスペルで、どう考えても「マクマホン」と読みたくなるのですが、「ミクメーン」の方がスペルのイメージとも合っていそうです。MANをアメリカの人はメンと発音しますから。過去記事はかつてはマクマホン、修正してミクマンと書いていたのですが、伸ばす音も入れた方が良いかもしれないと思、ミクメーンにしています。表記は難しいですね。
年齢は30歳で、2013年のロッキーズの2巡目指名。カリフォルニア州出身で高校卒での指名でした。右投げ左打ちの内野のユーティリティです。
デビューは2017年8月17日で、今季はメジャー9シーズン目。3年目の2019年からレギュラーとして定着。9シーズン(今季込み)の通算成績は.240/.323/.420、OPS .743。HR 140、RBI 452。HRは年平均で22.2本。 HR数が多いのに驚くと思いますが、これはある程度クアーズ補正を入れる観点で見たほうが良さそうです。
2025年は開幕当初は絶不調で、彼の不調もコロラドの壊滅的な成績の一因かもしれません。今季はここまで.217/.314/.403、OPS .717、HR 16、RBI 35。
2024年のゴールド・グラブ賞でNLの3Bのファイナリストにもなっています。
新天地でハッスルして、いい成績になればいいですね。
(COL)グリフィン・ヘリング
コロラドが獲得したグリフィン・ヘリング(LHP)は、2024年ドラフトのヤンキースの6巡目指名。2025年はクラスA、クラスA+に所属し、16試合(16先発)、89.1イニングを投げ、ERA 2.01。早速、ロッキーズのトップ・プロスペクトで5位に入っております。スライダーの良い投手です。
(COL)ジョシュ・グロシュ
もう一人のジョシュ・グロシュはRHPで22歳。9月の誕生日で23歳になります。2023年のヤンキースの11巡目指名。
2024年はクラスA、クラスA+、ダブルAに在籍。3レベルを併せていずれも先発で起用され、121.2 IPでERA 3.85。2025年はクラスA+で16試合(15先発)で、87.0 IPでERA 4.14。こちらもロッキーズのプロスペクト・ランク30に入り、18位です。ファストボールは93-95mphで、時折98mphにヒット。スライダー、チェンジアップを操り、SO9が9.7、BB9が3.6。
お読みいただき、ありがとうございました。
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