カブス、3B問題をようやく解決
現地2026年1月10日、今オフのFA市場で最も注目されていた一人のアレックス・ブレグマン(Alex Bregman)のディールが決まりました。シカゴ・カブスと5年契約で合意です。
ボラス・コーポレーションの今オフの目玉プレーヤーのブレグマンはこれでキャリアの終盤までカブスで過ごすことになりました。当然、オプトアウトはありません。
契約内容
カブスとアレックス・ブレグマンの合意内容は下記の通り。
- 5年/$175M (2026-30)
- ノートレード条項あり
今後、内訳も出てくるかもしれませんが、この総額でのAAV(Average Annual Value)は$35M。
1994年3月30日生まれのアレックス・ブレグマンは2026年は32歳のシーズン。今回のディールは37歳のシーズンまでとなります。
ブレグマンは念願の長期契約へ
アレックス・ブレグマンの前の契約は2025年2月にレッドソックスとサインした3年/$120M(2025-27)。内訳はサイニング・ボーナスが$5M、2025年が$35M、2026-27年がそれぞれ$40Mと設定されており、また、2025年、2026年終了時にそれぞれオプトアウトも設けられておりました。
アレックス・ブレグマンの現時点のMLSは9.070 で3年前の2022年終了時にFA資格に到達していましたが、この当時は2019年3月にアストロズと5年/$100M (2020-24)の延長契約にサインしていたこともあり、契約途中でFA資格に到達。初めてFA市場に出たのが2024年終了後となっていたのでした。
2024年オフにQOを拒否
そして初めてのFAで2024年オフはアストロズからQOを提示されるもそれを拒否。アストロズは贅沢税超過でサラリーを削減したいとの思惑があったので、当初からブレグマンとの再契約には消極的でした。QOを提示したのも補償目的であったと言っていいでしょう。
ところが、市場に出たものの、2024年オフはウィリー・アダムス(ブルワーズ/SS)、ピート・アロンゾ(メッツ/1B)、アンソニー・サンタンデア(オリオールズ/RF)、マックス・フリード(ブレーブス/LHP)、コービン・バーンズ(オリオールズ/RHP)、そしてフアン・ソト(ヤンキース/RF)らがFA。
特にフアン・ソトの総額が桁違いになることは明白でしたので、ソトの動向が最優先となりました。そしてソトがメッツと15年/$765M (2025-39)でディールが成立。このディールはとにかく早く決めないと他が決まらなくなるということで2024年12月初旬に決定しました。しかし、ここからFA市場は停滞。
ブレグマンもなかなか決まらず、野手のスプリング・トレーニングのワークアウトが始まろうかという2月中旬にレッドソックスとのディールが確定。
そしてこのとき、本人はキャリア終盤までの長期ディールを期待していたものの、もはやシーズンにまで影響しそうな時期が迫ってきていましたので、一旦はレッドソックスとショート・タームで高単価の契約に切り替え。上述のように3年契約とは言え、2度のオプトアウトが入っていた通り、改めて仕切り直しで市場に出る意思が明白な内容でサインしておりました。
2025年のブレグマン
レッドソックスで31歳のシーズンを過ごした2025年のアレックス・ブレグマンは、量的には114試合に出場し、495 PAを記録。右大腿四頭筋の肉離れで1ヶ月半を欠場したのでこの出場機会となりました。
オフェンス面では、打率.273、OBP.360、SLG.462、HR 18、RBI 62を記録。アストロズでの2024年はBB率がキャリア最低の6.9%でしたが、2025年には10.3%まで上昇させ、チャンスメイクにも貢献。
コンタクト・ヒッターとしての評価は維持し、SO率も14.1%とMLB平均の22%を大きく下回りました。なお、ハードヒット率も44.4%でこれはキャリア最高です。
そしてレッドソックスの課題でもあった守備面では安定した3B守備を披露。これは大きかったと思います。
最初の2ヶ月は絶好調
オフェンス面では出場している間は上述のように素晴らしい数字を残しました。特に4月はロケット・スタートを切り、.328/.401/.584、HR 7、二塁打 11、RBI 24をマーク。結果的にこれが2025年の1年間の数字を牽引した形となりました。
ブレグマンがILに入ったのは5月24日。そして復帰したのは7月11日。復帰後の7月の成績は.292/.306/.542、OPS .848とさすがの動きを見せたものの、8月は.260/.375/.360、9月に至っては,216/.310/.330とかなり落ち込みました。
4番のローマン・アンソニーを失った中、加速できなかったのはブレグマンの終盤の不調もあったと思います。
ただ、年間を通してはやはり称賛される結果であったと言っていいでしょう。OPS+は128です。
ブレグマン・ブランド
ブレグマンの長年の実績は、彼を今年のFA市場でトップクラス・ランクに押し上げました。まさにブレグマン・ブランド。
2016年にデビューして以来、アストロズでは9シーズン通算で.272/.365/.481、 HR 209、wRC+133を記録。
「wRC+(ダブリューアールシープラス)」とは、打者が打席あたりに生み出す得点能力を、リーグ平均を100として指数化した指標。球場による有利不利(パークファクター)やリーグ全体の得点環境を調整しているため、異なるリーグや時代、球場の選手同士でも公平に打撃の貢献度を比較できるのが特徴で、数字が高いほど平均より優れた得点力を持つことを意味します(100が平均、150なら平均の1.5倍)
2018年、2019年には2年連続でオールスターに出場。この2シーズンでブレグマンは平均8.1 のfWARを記録し、2018年にはAL MVP投票で5位、2019年には2位、そして2019年にはシルバースラッガー賞も受賞。
この2シーズンが24歳、25歳のシーズンでキャリアのピークでもあります。
ただ、それ以降は経験値でもカバーし、平均以上の打者であり続けています。2020年から2025年までは、毎年wRC+117から137を記録。
なにより守備は堅実で、2020年から2025年までの3BとしてのOAA(Outs Above Average)は16、DRSは10を記録。ちなみに2024年は3Bとしてゴールドグラブ賞を受賞。
競合
そんなアレックス・ブレグマンに対して、熱心だったのはレッドソックス、カブス、タイガース、Dバックス、ブルージェイズ。
レッドソックス、カブス、タイガースは2024年オフから争奪戦に参加していました。ブルージェイズは岡本和真選手を獲得するまでは割と熱心で、Dバックスは割と早い段階で落とされた模様です。
タイガースも3Bを補強したい要望があり、贅沢税上もかなりのスペースがあるのですが、ここはもうタリク・スクーバルとの調停、延長契約が喫緊の課題となってきて、ややトーンダウンした感があります。
やはりもともと3Bが弱かったカブスとレッドソックスが残ったというところでしたが、レッドソックスは32歳から37歳までAAV $35Mまでは渋ったというところのようです。
積極的なカブス
カブスは今オフ、リリーバーのフィル・メイトンと2年契約でサインし、同じくリリーバーのジェイコブ・ウェブ、ケイレブ・ティールバー、ホビー・ミルナーともサイン。先発ではコリン・レイ、そして今永投手ともQO受諾で残留に。さらに、つい先日はマーリンズからエドワード・カブレラもトレードで獲得。
野手では1Bで横浜にいたタイラー・オースティンと1年契約でサイン。
そして今回のアレックス・ブレグマンと非常に活発な動きを見せております。
カブスの贅沢税
そんな積極的なカブスは2025年の40manの贅沢税上のサラリーは231Mで閾値の$241M以下に収めました。
今オフはこのブレグマンの$35Mを加えると、スワンソンの$25M、今永投手のQO受諾の$22.05Mなどもあり、現時点で閾値の$244Mを超えて$245.7Mに到達。
まだ調整可能とは言え、メンバーを見る限り、トレードで削減するのも難しそうなので、このまま超過で進めて行くと思われます。
あとは超過を最初の$20M以内に抑えるようにまだFAを獲りに行くかもしれません。オーナーの財布に対する考え次第です。
カブス、2026年はかなり強そうですね。
お読みいただき、ありがとうございました。


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