ラスベガス移転に向け、コア選手をしっかりとキープ
現地2026年1月30日、プロスペクト達が台頭するALウエストのアスレチックスが安打製造機でもある期待のジェイコブ・ウィルソン(Jacob Wilson)と契約延長に合意しました。
アスレチックスは2028年のラスベガス移転に向け、着々と戦力を整えつつあり、ジェイコブ・ウィルソンもそのコア・メンバーの一員にということになりました。これは当然ですね。
着々と進む戦力強化
アスレチックスが壊滅的な解体を行ったのが2022年でオフに有力選手達を次々にトレードに出して結果は102敗。この年はマーク・カートセイ監督の就任ファーストイヤーだったのですが、気の毒でしかありませんでした。これはフランチャイズ移転計画が具現化する中で発生したサラリー・シェッドであると考えて良いと思います。資金捻出になりふり構わずというところだったかと。
2023年は藤浪投手を加入させたりして多少のテコ入れは行ったものの、起用したプロスペクト達にもまだ結果が出ずに112敗を喫し、負け数はさらに前年を上回りました。
しかし、2024年からは上昇傾向が見えはじめ、プロスペクト達の経験値も上がり、69勝93敗で100敗未満に抑え、ある程度の自信を植え付けつつ、2025年は76勝86敗でALウエスト4位で借金を10まで圧縮。
徐々にコンテンダーに変貌しつつあります。
契約内容
アスレチックスとジェイコブ・ウィルソンの延長契約の合意内容は以下の通り。
- 7年/$70M保証(2026-2032)
- 8年目(2033)はクラブオプション
また詳細が出ましたら、更新しておきます。
安打製造機のジェイコブ・ウィルソン
ジェイコブ・ウィルソンは2002年3月30日生まれで2026年の開幕直後に24歳になる右投げ右打ちのSS。
彼のプロフィールは下記の記事に詳細を記載しております。
簡単に触れておきますと、2023年、大学3年終了の21才の時にアマチュア・ドラフトでアスレチックスから1巡目指名されてプロ入り。全体順位は6位。お父さんはあの超絶SS、ジャック・ウィルソンです。ジャック・ウィルソンはメジャー歴代の中でも指折りのSS。しかも2004年にはシーズン201安打を達成。打撃も凄かったのです。
2024年はダブルAで開幕を迎え、4月から5月の1ヶ月で22試合に出場し、88-40、AVG.455、OBP .473、SLG .705、OPS 1.178、HR 3、RBI 19、二塁打13をマーク。
5月初旬からはトリプルAに昇格して7月14日まで19試合に出場し、83-33、AVG.398、OBP .444、SLG .639、OPS 1.083、HR 4、RBI 12をマーク。6月半ばに膝の腱炎で1ヶ月ほど休んでルーキー・リーグでリハビリ出場したものの、6月後半に復帰した上での上記の数字でした。
そして2024年7月15日についにメジャー・デビュー。初打席で初安打を放ちました!
しかし、その後、2塁へ進塁したジェイコブ・ウィルソンはローレンス・バトラーのRFへの安打で本塁へ生還する際に3塁を回ったところで左のハムストリングスを傷めてゲームを離脱。なんとスーパールーキー爆誕のはずがその後、約1ヶ月半マイナーでリハビリ調整するはめになったのでした。
2024年は8月27日に復帰し、その後約1ヶ月はゲームに出続け、結果、年間成績は28試合で.250/.314/.315となりました。
2025年は安打を量産
結果的に2024年はお試しシーズンとなったジェイコブ・ウィルソンですが、2025年は凄まじかったです。
当然のごとくSSで開幕戦を迎えたジェイコブ・ウィルソンは15試合連続安打を放つなど、スタートからエンジン全開。ルーキーのロケット・スタート時は6月にその疲れが一度出てくるものなのですが、ジェイコブ・ウィルソンはむしろさらにエンジンを加速。
最高は6月8日時点の成績で、なんと.372/.408/.528、OPS .936をマーク。安打数はこの時点で93。しかも彼のプレースタイルは安打量産型。この時点で長打は二塁打 15、HR 8で、いかに単打で成績を上げているか?という数値をマーク。
これはこの後の落ち込みを想定したとしてもバッティング・チャンプ(首位打者)もあり得るのではないか?というくらいのラッシュでした。
2025年の怪我の履歴
しかし、これだけ打ちまくっていると怪我もつきもので、2025年は以下の怪我の履歴がありました。
- 2025年5月20日:エンゼルス戦で腕の負傷(死球)により途中退場(ILには入らず)。
- 2025年7月4日:ハムストリングの負傷により欠場(ILには入らず)。
- 2025年7月8日:死球を受けて左手首の打撲を負うも数日の休みで試合には出場(ILには入らず)。
- 2025年7月25日: 死球で左前腕部骨折で10 Days IL入り
- 2025年7月26日~8月22日:離脱期間。トリプルAでのリハビリを経て、8月22日にILから復帰。
結果的に7月の単月の成績は.140/.189/.220と低迷したのは上記の2つの死球による影響があったがゆえです。8月の単月は.333/.353/.576と良かったのは期間が短かったゆえ。9月の単月は.298/.359/.417とこれは好成績をマークしてメジャー初のフル・シーズンを終えました。
ライバルのニック・カーツとROYを争う
2025年は年間を通して、骨折などもありつつも125試合に出場。.311/.355/.444、OPS .800、安打数 151、二塁打 26、三塁打 0、HR 13、RBI 63、Run 62。PAは523でメジャーの規定打席である502をパス(162試合 x 3.1)。
打率.311はメジャーでボー・ビシェットと並んで2位タイ。1位はジャッジで.331でした。
もうROY当確というほどの成績だったのですが、2025年のAL ROYはチームメイトのニック・カーツが受賞。ニック・カーツは4月23日にデビューし、117試合で.290/.383/.619、OPS 1.002、HR 36、RBI 63をマーク。ジェイコブ・ウィルソンを上回るインパクトを残したのでした。フルシーズンならHR 40もあり得たというシーズンでした。
ジェイコブ・ウィルソンの打球は弱い!
ジェイコブ・ウィルソンは面白いデータを持っています。
彼の打ち出し速度(Exit Velocity)はたったのは84.6mph(アベレージ)。しかも打球の強さを表すハードヒット・レートは24.7%。さらにバレル・レートは2.2%。バレルとは打球速度と打球角度の組み合わせを見ていて長打や本塁打になる確率が非常に高い領域のことで、バレル・レートはその領域に達している確率が高いということであり、5〜7%が平均レベルと言われていますから、ジェイコブ・ウィルソンは平均以下。
まだあります。 スクエアアップ・レート(Squared-Up %)は37.7%。これはスイングスピードと球速から計算される理論上の最大打球速度に対し、実際の打球速度がどれほど近かったか(芯で捉えたか)を示す効率性指標で80%以上で捉えた打球ということが言えるのですが、
つまり、コンタクトの質が低い傾向にあるにもかかわらず、シングルヒットを積み重ねていると言えます。
打球方向はプル(LF側)34.0%、ストレート(CF方向) 40.9%、反対(RF側)が 25.1%と広角に飛ばし、Whiff %(空振り率)はたったの9.6%。MLB平均が25.0%ですからこれは驚異的でです。投球に対して、いかに素晴らしく反応しているかということも言えると思います。
右打者で安打量産というのもうなづける数値を出しているのでした。
守備の方ですが、SSで2シーズンのDRSは-14、OAAは-4。ここはまだお父さんの超絶SSのレベルには程遠いようです。
アスレチックスにとってジェイコブ・ウィルソンは1番にでも3番にでも6番にでも置きたい打者でもあります。2028年のスターの一人です。
2028年に向けて固めているアスレチックス
アスレチックスがプロスペクト達を囲い込むのはこれで4人目。
2025年1月にはブレント・ルッカーと2025年から2029年まで5年の延長契約(2030年はオプション)でサイン。同年3月にはOFのローレンス・バトラーと2031年までの7年/$65.5M でサイン。
2025年12月にはOFのタイラー・ソダーストロムと2032年までの7年/$86Mでサインし、そして今回のジェイコブ・ウィルソンとの 7年/$70M保証の延長契約です。
- ブレント・ルッカー:5年/$60M (2025-29) + 2030 $22M べスティング・オプション
- ローレンス・バトラー:7年/$65.5M (2025-31) + 2032 $20M クラブオプション
- タイラー・ソダーストロム:7年/$86M (2026-32)+ 2033 $27M クラブオプション
- ジェイコブ・ウィルソン:7年/$70M保証(2026-2032)+ 2033年クラブオプション
これからニック・カーツ、シェ・ランゲリアスらも延長契約になるのでは?と思われます。
いずれも2028年のラスベガス移転を超えた期間での契約ですので、移転後に強いアスレチックスを継続する想定での編成となっています。
お読みいただき、ありがとうございました。








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