大波乱のパイレーツの開幕戦
現地2026年3月26日、2025年のNLサイ・ヤング賞のポール・スキーンズ(Paul Skenes)と今季からメッツに移籍したフレディー・ペラルタ(Freddy Peralta)が登板するパイレーツ@メッツ戦がニューヨークのシティ・フィールドで行われました。
しかし、この開幕戦には驚かされましたね。まさか、ポール・スキーンズが1イニング持たないとは!
万全だったポール・スキーンズ
マウンドに立てばいつも圧倒的な投球を見せつけるポール・スキーンズは開幕前に行われたWBCにおいてもアメリカのエースとして2試合に先発して計8.1イニングを投げ、ERA 1.08をマーク。アメリカの決勝進出に大きな存在感を発揮し、もうこの時点でいつでも開幕OKと思われておりました。
実際、スキーンズはこの日はコンディションも万全の状態でゲームに臨み、しかもパイレーツは今季、ブルペンも強化し、さらに打線も強化。
ブランドン・ラウが2点の援護HR
そして1回表には早速、打線補強の効果を発揮。リードオフのオニール・クルーズがうまい打撃でCF前にシングルを放った後、2番のブランドン・ラウがRFへうまく運び、これがフラフラっとスタンドぎりぎりに入るHRに。打たれたフレディー・ペラルタも驚きの表情を浮かべた2ランHRでパイレーツがいきなり2点を先制しました。
この時点でも昨年とは違う条件でセットアップされてマウンドに上がったポール・スキーンズでしたが、苦しみましたね。
ポール・スキーンズ、三振を奪えない!
立ち上がり、ポール・スキーンズの4シームは96-99mphを記録。通常通りです。
メッツ打線が粘りを発揮
ただ、ストライクとボールがわりと区別しやすい状態で、しかもこのゲームはメッツが相当対策をしてきているようで、ポール・スキーンズは簡単に三振を奪えませんでした。
1回裏、メッツはリードオフのフランシスコ・リンドーアがゾーンをファウルで逃げて四球を選んで出塁。2番のフアン・ソトにはストライクが先行したものの、決めに行ったカーブとチェンジアップをファウルにされ、インコースへのシンカーを右中間に落とされて、ノーアウト1、3塁のピンチ。
ここで3番の新加入のボー・ビシェットにはシンカーを投じるも、彼特有のスプリンカーとはならずに粘られ、最後はチェンジアップをRFへ運ばれ、犠牲フライでまず1失点。
不運も重なる
つづく4番の新加入のホルヘ・ポランコは打ち取ったものの、これが投手前のボテボテの当たりでバントのような打球となり、セーフ。1アウト1、2塁。
5番はまたも新加入のルイス・ロバート・Jr.でしたが、彼も粘りを発揮。スウィーパー、シンカーとかなり横の変化で揺さぶりをかけたのですが、10球を粘られた上に四球で1アウト満塁。
6番は生え抜きでDHに入ったブレット・ベイティー。ボー・ビシェットが入ったことでポジションが無くなり、必至のベイティーはこのチャンスに2球目の甘いチェンジアップをCFに打ち返し、走者一掃の三塁打に。
オニール・クルーズ、2連続でミス
このベイティーの打球は確かに捉えられてはいましたが、CFのオニール・クルーズが目測を誤り、一旦前進しかけたところを頭を抜かれるという大エラーでした。
さらにオニール・クルーズはマーカス・セミエン(彼も新加入)のイージーなCFポップフライを太陽とのバトルでポトンと落とし、ベイティーがホームインし、メッツは5点目。
8番の若いOFのカーソン・ベンジからはポール・スキーンズはようやく三振を奪い、2アウトを取るも、まだランナーは2塁。
つづく9番のフランシスコ・アルバレスにはシンカーがエルボー・ガードにかすって死球。
ポール・スキーンズはここで降板となりました。パイレーツのドン・ケリー監督は「ポールは競争心の強い選手です。マウンドに立って投げ続けたいんです。1回に彼を降板させるのは本当に難しい判断でした。一番の理由はポールの(今後も考えた)健康状態です…この決断を下さざるを得ませんでした」と語りました。
これはポール・スキーンズにとってキャリア最短の登板となりました。0.2イニングで被安打4、失点5、ER 5、BB 2、HBP 1、SO 1。
スコアは11-7
初回の惨劇をなんとか退けたパイレーツでしたが、この日は新ラインナップとなったメッツ打線の猛攻を受け、中盤にも6失点を喫し、11失点。
ただ、パイレーツはオフェンス面は改善の兆しも見せ、2回以降5得点を上げ、計7得点、
この日はエースがまさかのゲームメイク失敗に躓いたパイレーツでしたが、今季は希望を持てるのではないでしょうか?
オニール・クルーズの2つの対策漏れ
この日、2連続で手痛いミスをしたCFのオニール・クルーズ。もともとはSSの選手で、CFの守備はまだまだ進化中でもあります。
しかしオニール・クルーズも防げる対策をしていなかった点が2点挙げられます。
1つはピッチコムを装着していなかったこと。これがあれば、初回のベイティーの走者一掃のタイムリーは最少失点で防げた可能性が大。もともと身体能力が高く、しかもSSですからある程度の球際の強さも持っている選手です。
さらにその後のセミエンの打球で太陽とのバトリングに負けたシーンではサングラス装着をしていなかった点も挙げられます。
メジャーのスタジアムはいったい、どういう方角で建設したのか?というくらいデーゲームでOFの選手が太陽と戦うシーンが多々見られます。サンブラスをつけていても打球処理に失敗するケースもありますが、対策はしておきたかったですね。
1回裏の守備の終了後、パイレーツのドン・ケリー監督と3Bコーチのトニー・ビーズリーは、クルーズがホイール(ピッチコム)を装着していなかったことを確認しています。
ピッチコムのルール
さて、ここでピッチコムのルールについて改めて記載しておきたいと思います。
MLBでは投手だけでなく、野手も守備中に通信機器(=ピッチコム電子システム)を装着することが認められています。
2022年のレギュラーシーズンからスタートしたピッチコムですが、当初はバッテリー(投手と捕手)のみの装着のみとなっていました。
しかし、2023年シーズンより、MLBはピッチコム技術の利用範囲を拡大し、投手と捕手を含めた最大5人の守備の選手が受信機(イヤホン)を装着して投球指示や守備指示を聞くことができるようになりました。
- MLBにおける通信機器(ピッチコム)の主なルール:
- 目的:これらの機器は、試合の進行を早め、サイン盗みを防止することを目的としています。
- 受信機(イヤホン):最大5人の守備選手(通常は捕手、投手、そして他の3人の野手、主に内野手とCF)が受信機を装着して音声信号を聞くことができます。
- 通常、投手は受信機をキャップの内側の耳に近いところに装着しています。
- 送信機:投球指示を行うための送信機は、投手用と捕手用で、同時に2台までしかフィールド上に設置できません。
- サインを送る大谷選手は受信機と送信機の双方を持っていることになります。
- 使用制限:攻撃時(打撃または走塁時)は、選手はこれらの機器を使用できません。
- 装着場所:送信機(キーパッド)は通常、捕手はすね当てまたは手首に、投手はベルトまたはグローブに装着します。大谷選手のように腕につけることも可能。
守備側の投手・捕手を除いた3名の野手が受信機を装着理由は、走者が塁上にいる時の守備陣形のサインの見落としなどによる確認で時間をロスするのを防ぎたいため。
それにしても打線刷新のメッツはかなり破壊力がありますね。
お読みいただき、ありがとうございました。



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