レイズ、地区ライバルの前監督を要職に起用
Former #Orioles skipper joins #Rays organization:https://t.co/1essojSmJ6 pic.twitter.com/yIpPSKAlAx
— MLB Trade Rumors (@mlbtraderumors) December 1, 2025
現地2025年12月1日、タンパベイ・レイズはオリオールズの前監督のブランドン・ハイド氏をベースボール・オペレーションのシニアアドバイザーに採用したと発表しました。
両者は11月26日にベースボール・オペレーション内で役職就任について交渉中だとしていましたが、月が変わってすぐにオフィシャルとなりました。
まさに火中の栗を拾ったB・ハイド
ブランドン・ハイド氏は1973年10月3日生まれの52歳。2019年から2025年までオリオールズの監督を務めました。オリオールズでの7シーズンの成績は421勝491敗。
確かに勝率は5割を切ってはおりますが、これはブランドン・ハイド氏の指揮力を測る上で見るべき適切な数字ではありません。
ブランドン・ハイド氏がバック・ショーウォルターから監督を引き継いだタイミングはクラブの解体とリビルドの真っ只中で、いわば監督就任としては最悪中の最悪のタイミング。
2018年シーズン終了後、オリオールズはGMのダン・デュケット(Dan Duquette)を解任し、後任に現POBO(President of Baseball Operations)でもあるマイク・エリアス(Mike Elias)を任命。そのタイミングでオリオールズが何をやったかというとロースターの解体、ファーム・システムの再構築、そしてクラブ・インフラの近代化。つまり、監督のブランドン・ハイドは、勝てないロスターを背負いつつ、未熟なプロスペクトを育てるというあまりにもアンフェアな戦いを強いられたのでした。まさに火中の栗を拾う役割。
当然、この大きな変革はかなりの痛みを伴いました。監督就任初年度にはザルのようなディフェンスで、特に同地区のヤンキースには16連敗、61被弾と完膚なきまでに叩き潰されました。2019年から2021年の3年間は3年連続最下位。バック・ショーウォルターの終盤2年も入れると入れると5年連続最下位と非常に厳しい時代を経験しました。
しかし、弱い時代にウェーバー制のドラフトの恩恵も加わり、アドレー・ラッチマン、ガナー・ヘンダーソンらが台頭。2022年から2024年までは毎年コンテンダーとなり、2023年には101勝をマークしてALイーストを制覇。2023年のAL MOY(ア・リーグ最優秀監督)に選ばれることに。
ただ、オリオールズは2023年と2024年と2年連続でポストシーズンに進出するも、いずれもALCSに辿り着く前に敗退しました。2023年はALDSでレンジャーズに敗退、2024年はALWC(ワイルドカード・シリーズ)でロイヤルズに敗退。
BALは2025年は怪我人に泣く
期待された2025シーズンでしたが、多数の先発投手のIL入り、打線の不振により、開幕から大苦戦。5月中旬までに、15勝28敗となり、ブランドン・ハイドは解任され、三塁コーチのトニー・マンソリーノが暫定的に監督に就任しました。
ただ、開幕直後の苦戦は誰が指揮を執ったとしてもほぼ同じ結果になっていたはずで、これでブランドン・ハイドを突き放したフロント・オフィスにはがっかりさせられたものです。
ブランドン・ハイドの経歴
なお、ブランドン・ハイド氏はオリオールズで監督に就任する前まではカブスでベンチコーチと1Bコーチを務めました。また、それ以前は、マーリンズでベンチコーチを2シーズン務めた後、マイアミのマイナーリーグで監督、ヒッティング・コーチ、フィールド・コーディネーターを数年間務めており、現場でのコーチングの経験がかなり長い人です。なお、現役時代は捕手と1Bで、ホワイトソックスのマイナーで4年間プレーし後、独立リーグでも1年プレーし、記録では2001年に27歳で現役を終えています。選手としてはメジャーには上がれませんでした。
レイズ、虎視眈々と
レイズのマネージャーはケビン・キャッシュですが、ブランドン・ハイドが割と現場に近いところで俯瞰的に見ることでレイズは選手を良いプロスペクトをどんどんメジャーに上げて行きそうです。レイズの編成にはかなりプラスになりそうな気がします。
トロピカーナ・フィールドの修繕も完了したレイズ。2026年もやはり侮れませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。



コメント