KCが補強に動く!
現地2025年7月26日、ロイヤルズがトレード・デッドラインに向けて補強に動きました。
DバックスのベテランOFのランダール・グリチャックを獲得しました。こちらはもうオフィシャルになっており、グリチャックを早期に起用するべく、27日に日付が変わってすぐに彼をアクティベートしております。
Dバックスはジョシュ・ネイラーのマリナーズへのトレードから引き続き、連日の売りを成立させています。
トレード概要
このトレードは1:1です。
ロイヤルズGet
- ランダール・グリチャック(Randal Grichuk/33)RF | B/T: R/R
DバックスGet
- アンドリュー・ホフマン(Andrew Hoffmann/25)P | B/T: R/R
アンドリュー・ホフマンはDバックスの40manロスターに加わりましたが、トリプルA・リノに配属されることとなっています。
首位タイガースが失速中
ロイヤルズは現地2025年7月26日終了時点で51勝54敗で借金3で、ALセントラルの3位。
ワイルドカード・スポットは3枠ありますが、通常、ここに入るのは勝率.500を超えるチームで、確率として勝率.500以下でも入ることがありますが、制度としてはポストシーズンに向かうならせめて勝率.500を超えていないとねという割と絶妙なラインを引いております。ロイヤルズは現時点では圏外。
ロイヤルズ、地区優勝さえ狙う意欲
ところが望みが出てきたのです。レギュラー・シーズンは残り2ヶ月強。まだまだ挽回が出来る時期であると同時に、ここに来てこれまでぶっ飛ばしてきたデトロイト・タイガースが大失速しているのです。現時点で60勝46敗のタイガースが圧倒的に有利なのは違いないのですが、タイガースは7月は7勝14敗(現地2025年7月26日時点)で、直近15試合は3勝12敗。この間、6連敗を2度も経験しているのです。昨シーズンと真逆の状況です。
こうなると、意欲が出てくるのが2位ガーディアンズと3位のロイヤルズ。ガーディアンズはSellerに回るのではないか?と今でも思われていますが、ちょうど今は揺れている状態。
ロイヤルズもセス・ルーゴをトレードに出すのではないか?と見られていましたが、この状況ですので、地区優勝も狙えるというくらいにギラついてきており、すでにパイレーツからアダム・フレイジャーを獲得に至っているのもその証拠ですし、ランダール・グリチャックの獲得でますますその様相は強まったと見ていいでしょう。
グリチャック:KCは左投手対策で獲得
ランダール・グリチャックを選んだ理由はまさに彼が左キラーであるため。
8月の誕生日で34歳になるランダール・グリチャックは、MLBで12シーズン目をプレーしているベテランで、直近2シーズンはDバックスに在籍。
もともとは2009年のエンゼルスの1巡目指名で、デビューはカージナルス。2013年のオフにエンゼルスがデービッド・フリースとフェルナンド・サラスを獲得したトレードでピーター・ボージャスとともにカージナルスに移籍しました。このトレードはもちろん、エンゼルスにとって失敗です。
カージナルスには2017年まで在籍。レギュラーOFとして実績を作りました。
2018年1月にカージナルスがコナー・グリーンとドミニク・レオンを獲得したトレードで今度はブルージェイズに移籍。ブルージェイズには2018年から2021年まで在籍。ここえはWAR 4.5で、.243/.289/.461、OPS .751、OPS+ 100、HR 90、RBI 257と大きく活躍しました。
その後、トレードでロッキーズに移籍し、2023年のトレード・デッドラインでエンゼルスに復帰。これは大谷選手をつなぎ止めようとエンゼルスが後半戦に勝負に打って出たトレードでしたが、結果はエンゼルスは8月に大失速し、プレーオフを逃し、オフに大谷選手はドジャースに移籍したという流れです。そしてDバックスでの2年間です。
2024年は106試合ながら、.291/.348/.528と好成績をマーク。2025年はここまで70試合で、.240/ .277/.457です。
ランダール・グリチャックのキャリア通算の左右投手の実績の比較です。左投手に滅法強いのがおわかりいただけます。
- vs RHP:.242/.288/.449 | HR 133 (PA: 3116)
- vs LHP: .270/.320/.505 | HR 77 (PA: 1612)
ただ、2025年はなんと左右逆転しております。
- vs RHP:.267/.277/.450
- vs LHP: 226/.276/.461
これをロイヤルズがどう見ているのか?正直わからないのですが、おそらくこれまで通り、左投手に強いという見方で獲得していると思われます。
ロイヤルズは今季、ルーキーのジャック・カグリアノーネ(LHB)、カイル・イズベル(LHB)、ジョン・レイブ(LHB)というOFの布陣で臨むことが多く、たまにMJ・メレンデス(LHB)とタイラー・トルバート(RHB)も出場。ドリュー・ウォーターズ(Both)は現在マイナーで、MLB.tvのCMによく出てくるマーク・カナ(RHB)はIL。
見事に左打席ばかりで、この偏りをなんとかしたいというのがそもそもの動機であり、地区ライバルのタイガースの強力なLHPへの対処も考えてのこと。
先日獲得したアダム・フレイジャーはLFの可能性もありましたが、今は2Bで出場しております。
DバックスはOFが余っているような状態でもありました。
(AZ)アンドリュー・ホフマン
Dバックスが獲得したアンドリュー・ホフマンは25歳の右腕で、ドラフトは2021年のブレーブスの12巡目指名。2022年7月のトレードでドリュー・ウォーターズらとともにロイヤルズへ移籍。
2025年5月30日にメジャー・デビューを果たしており、3試合、4.2イニングでERA 3.86。アベレージ・ベロシティーは4シームが95mph、チェンジアップが88.3mph、スライダーが86.4mph。良いピッチャーだと思います。
ロイヤルズ、6月は8勝18敗とおおこけし、今の地区3位の要因となった月となりましたが、7月は12勝8敗と好調です。
ALセントラル、ちょっとおもしろいことになってきました。
お読みいただき、ありがとうございました。
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