今トレードDL初の大きな動き
現地2025年7月24日、今トレード・デッドラインはなかなか動かないのですが、そんな中、マリナーズのジェリー・ディポートPOBO(President of Baseball Operations)が動きました。
Dバックスの1B、ジョシュ・ネイラーを獲得しております。
トレード概要
まず、このトレードの概要です。1:2で、Dバックスはプロスペクト2名を獲得しております。
マリナーズGet
- ジョシュ・ネイラー(Josh Naylor/28)1B|B/T: L/L
DバックスGet
- ブランディン・ガルシア(Brandyn Garcia/25)P | B/T: L/L
- アシュトン・イジー(Ashton Izzi/21)P | B/T: R/R
Dバックスは「売り」へ
まず、Dバックスですが、攻撃の中心のコービン・キャロルが長期離脱かと思われたものの、思いの他早く復帰し、オールスターにも出場。中核の選手が復帰したことで、一時はポストシーズンも狙えるという状況になりました。7月18日から20日までのカージナルス3連戦ではカージナルスをスウィープ。この勢いが加速すれば、勝率.500も見え、ワイルドカード争いに参戦・・・の芽も出てきました。
ところが直前のアストロズ戦では見事にスウィープされ、50勝53敗となり、またもや.500が遠ざかる事態に。
投手陣に怪我人多数
なんとか乗って行きたいというDバックスでしたが、実はどう考えても乗り切れる要素が見当たらないとなったのです。
Dバックスはそもそも打撃のチームです。そこでウィークポイントであるピッチングにテコ入れをするべく、獲得したのが2021年のサイ・ヤング賞のコービン・バーンズであり、2023年に頼もしかったジョーダン・モンゴメリーでした(モンゴメリーは2024年から加入)。ところがこの二人が今季揃ってトミー・ジョン手術を受けることに。
- コービン・バーンズ:トミー・ジョン手術
- ジョーダン・モンゴメリー:トミー・ジョン手術
もう一人、エドゥアルド・ロドリゲスは戦線に残ってはいるもののERA 5.50とこちらは苦戦中。
さらに、リリーバーも深刻です。メジャー・トップクラスのクローザーの可能性を感じさせたジャスティン・マルチネスがトミー・ジョン手術に。そのほかもご覧の状況です。
- ジャスティン・マルチネス:トミー・ジョン手術
- AJ・パック:インターナル・ブレイス手術
- シェルビー・ミラー:右前腕部の捻挫
- トミー・ヘインリー:トミー・ジョン手術
- ジャレン・ビークス:腰痛
- ライアン・トンプソン:下部僧帽筋の捻挫
- クリスチャン・メナ:右肩の炎症
- ブレイク・ウォルストン:トミー・ジョン手術
この惨状でおわかりの通り、たとえ打線が活発化したとしても、抑える投手が足りないのです。
よって、編成トップのマイク・ヘイゼンもこれだけピッチングがこけてしまえば、コンテンダーになったとしてもそれを維持出来ないという冷静な判断を下しており、このトレード・デッドラインでは「Seller (売り)」のポジションを取ることが決定しました。
NLウエストはドジャース、パドレス、ジャイアンツが激しい首位争いをしていますから、今季はもうここに割って入ってポストシーズンを狙う状況ではないという判断です。
ユーヘイニオ・スアレスもトレード見込み
さらにDバックスはこのトレード・デッドラインで台風の目になっているのがユーヘイニオ・スアレスさえ、トレードに出す算段です。スアレスはNLホームラン・ランキングで大谷選手とトップ争いをしており(現地2025年7月25日時点)、この打撃は他クラブにとって非常に魅力。
マリナーズのディポートはユーヘイニオ・スアレス獲得に動いているという情報がありましたが、スアレスより先に、1Bのジョシュ・ネイラーを出すことに。スアレスが出て行くのも時間の問題ですし、LFのルルデス・グリエル・Jr.もトレード候補です。
やはりいいバットが欲しいマリナーズ
マリナーズの背景ですが、昨年同様に打線が課題です。今季はHR数NO.1のカル・ロリーの強烈な活躍のおかげで、現地2025年7月24日時点でチームHR数 142はMLB 6位、チーム打率.247はALで真ん中の8位、得点 474はALで7位です。一見良いように見えますが、これはカル・ロリーの活躍が押上げているだけで、打てない状況は昨年とあまり変わりません。直近の21日から23日までのブルワーズ戦にチームの状態がよく出ていて、3試合とも打てておらず、カル・ロリーのHR1本で勝ち、先発の素晴らしさにおんぶにだっこという状況でした。
ゆえにバットの補強は最優先となっております。
堅実なジョシュ・ネイラー
ジョシュ・ネイラーはPAが394もありながら、.292/.360/.447をマーク。HRは11本。非常に堅実です。
マリナーズは現時点で1Bにルーク・レイリーを起用していますが、.220/.343/.348、HR 4と1Bとしてはかなり物足りない数字となっております。よって、ジョシュ・ネイラーはルーク・レイリーからポジションを奪うことになるでしょう。
ジョシュ・ネイラーの2025年のサラリーは調停を避けてサインした1年/$10.9M (2025)。マリナーズは残債のほとんどを支払うことなっていますが、$4Mくらいの負担と見込まれます。このトレード・デッドラインではかなり財政が良い状態になっているので果敢に動いてくることになりそうです。
【AZ】ブランディン・ガルシアとは
Dバックスはこのトレードで投手2人を獲得。
まずブランディン・ガルシアは2023年ドラフトの11巡目指名でマリナーズとサイン。6’4″(195cm)の長身左腕で、2025年7月21日にメジャー・デビューしたばかり。ここまで2試合、2.0イニングに登板し、被安打4、失点1、自責点1、BB3、SO 1、WP(ワイルド・ピッチ)1。シンカーが平均97 mphを記録し、 80mph半ばのスイーパーと80mph後半のカッター、スライダーを投げます。
課題はチェンジアップが使えないことと、コマンドに乏しい点です。Dバックスでもブルペンに入る予定です。
【AZ】アシュトン・イジーとは
21歳のアシュトン・イジーは2022年のドラフトのマリナーズの4巡目指名。イリノイ州の高校出身です。2024年はクラスAマイナスで好投したものの、今年はクラスAプラスで12試合に先発し、ERA 5.51と苦戦。90mph半ばのファストボールを投げ、変化球もまずまず。彼もコマンドが課題です。
トレード・デッドラインは現地7月31日です。週末から動きが活発化するかもしれませんね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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