6時間39分の死闘
現地2025年10月27日、ブルージェイズ@ドジャースのGm3は舞台をドジャー・スタジアムに移して行われましたが、またとんでもないマラソン・ゲームとなりました。
| Team | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ブルージェイズ | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| ドジャース | 0 | 1 | 1 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | R | H | E |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 15 | 0 |
| 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 6 | 16 | 2 |
当然、筆者は2018年のワールドシリーズGm3を思い出してしまいました。いみじくも同じGm3だったんですね。この時は延長18回、7時間21分。今回は6時間39分の死闘となりました。
注ぎ込んだ投手はブルージェイズが9名、ドジャースが10名で計19名。ドジャースに至っては18回で決まらない場合、Gm2で完投した山本投手さえ注ぎ込もうとしていたのですから。
決着はフレディー・フリーマンのサヨナラHR。
フレディー・フリーマンは2024年のワールドシリーズGm1においてもサヨナラHRを放っており、この時は延長10回表にヤンキースが勝ち越し点を上げ、2-3。その裏、フレディー・フリーマンが逆転満塁サヨナラHRを放ち、6-3でドジャースが勝利を納めたのでした。
Gm3のスターティング
ブルージェイズはGm3で再びボー・ビシェットを起用。4番に入りました。好打者アーニー・クレメントが8番にいるといういい布陣です。一方、ドジャースはテオスカー・ヘルナンデスを6番に、トミー・エドマンを7番に上げ、若干の変更を加えています。
先発は山本投手の2連続完投、日本の完投への考えを絶賛していたマックス・シャーザーとタイラー・グラスノー。
| # | Blue Jays | Pos. | # | Dodgers | Pos. |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | George Springer | DH | 1 | Shohei Ohtani | DH |
| 2 | Nathan Lukes | SS | 2 | Mookie Betts | SS |
| 3 | Vladimir Guerrero Jr. | 1B | 3 | Freddie Freeman | 1B |
| 4 | Bo Bichette | 2B | 4 | Will Smith | C |
| 5 | Daulton Varsho | CF | 5 | Max Muncy | 3B |
| 6 | Alejandro Kirk | C | 6 | Teoscar Hernández | RF |
| 7 | Addison Barger | RF | 7 | Tommy Edman | 2B |
| 8 | Ernie Clement | 3B | 8 | Enrique Hernández | LF |
| 9 | Andrés Giménez | 2B | 9 | Andy Pages | CF |
| Max Scherzer | P | Tyler Glasnow | P |
ボー・ビシェットが離塁でアウト
タイラー・グラスノーは立ち上がりから強いボールを投げ、この日はかなり調子が良さそうに思えました。1回表は三者凡退。
一方のマックス・シャーザーは立ち上がり、大谷選手にいきなり2ベースを打たれましたが、この後は2番以降を3人で打ち取り無失点。互いに上々の立ち上がりでした。
ちょっとしたトラブルがあったのが2回表。ブルージェイズは先頭のボー・ビシェットがCF前にシングルを放って出塁。ノーアウトからランナーを出しました。つづくドールトン・バーショウへの3-1カウントからの5球目。明らかにゾーンより高いボールにバーショウは四球と思い、1塁へ歩きかけます。ところが審判のコールはストライク。それでも、バーショウが1塁へ歩きかけ、やはり四球かと思い、2塁へ向かったボー・ビシェットにドジャース・バッテリーは1塁へ送球。これが牽制アウトということになり、ブルージェイズはせっかくのノーアウトのランナーを潰してしまいます。
審判のコールもやや遅いとも思いましたが、そもそもボールでした。「え、ストライク?いやボールだったよな」と動いたバーショウやビシェットの動きもわかります。これはさすがに講義したくなるような判定でした。
テオスカー、大谷のHRでLADがリード
先制点はドジャースで2回裏、テオスカー・ヘルナンデスがマックス・シャーザーからLFへソロHRを放ち、1-0。さらに、3回裏には大谷選手が、マックス・シャーザーからRFへ豪快な一発を放って、2-0。ドジャースがリードします。
TORが逆転
しかし、ブルージェイズも反撃。先頭のヴラディーミル・ゲレロ・Jr.が四球で出塁すると、つづくボー・ビシェットは2Bゴロを放つも、これをトミー・エドマンが後逸。ブルージェイズが2者連続の出塁でチャンスを作ります。バットが折れた分、最後のバウンドが上がってこなかったですね。記録はトミー・エドマンのエラー。
この後、1アウト1、3塁でアレハンドロ・カークが3ランHRを放ち、ブルージェイズが3-2と逆転。さらにアンドレ・ヒメネスの犠牲フライも出てブルージェイズは4-2とリードを拡げます。
大谷のダブルで追撃
ドジャースも5回裏に先頭のキケ・ヘルナンデスが出塁。大谷選手まで打席が回り、ブルージェイズはメイソン・フラハーティーをマウンドに送りますが、大谷選手は関係ないとばかりに2ベースを放ってキケを迎え入れ、3-4に。さらにこの後、フレディー・フリーマンもタイムリーを放って4-4の同点に追いつきます。
大谷が7回に2本めのHR
7回表、ブルージェイズは2アウトから投手交代でマウンドに上がったブレイク・トライネンからゲレロ、ビシェットの連続安打で1点を勝ち越し、5-4とします。これはまたロバーツの継投ミスと言っていいでしょう。
1点をリードされたドジャースでしたが、7回裏、大谷選手に打席が回ります。ブルージェイズが持って行きそうな流れではあったのですが、セランソニー・ドミンゲスから大谷選手が初球をたたき、これが左中間スタンドに入るHRとなり、すかさず同点に追いつきます。この一発は大きかったですね。スコアは5-5。これがこの後、運命のスコアとなります。
佐々木がイニングまたぎで好投
ドジャースは切り札の佐々木投手を8回表、1アウト1、2塁で起用。無失点に抑え、見事期待に応えました。さらに佐々木投手は9回にも登板。2アウト1、2塁のピンチを迎えますが、勝ち越し点を許さず。
ゲームは延長戦へ。
延長18回まで突入
10回表にLADが凌ぐ
ブルージェイズは10回表に2アウト1塁でネイサン・ルークスの打席。マウンドはエメット・シーハン。そのネイサン・ルークスの打球はRF線の長打コースに。これでデービス・シュナイダーが1塁から猛烈にダッシュ。本塁へ突入しますが、テオスカー・ヘルナンデスとトミー・エドマンが素晴らしいリレーを見せ、ホームで楽々とアウト。勝ち越し点を凌ぎます。
通常ならこれでドジャースがサヨナラ勝利・・・という流れになるのですが、その裏、ドジャースは2アウト1、2塁でいいプレーのあったトミー・エドマンに打席が回りますが、エドマンは1Bポップフライ。決めきれません。
この後、13回くらいでゲームが決まるのか?と思っていましたが、これでも決まらず。
こうなると、少し前のメジャー・リーグの流れだと投手が踏ん張って両クラブともに決め手を欠き、さらに深いイニングに流れていきます。
やはりそうなってしまいましたね。選手たちは時短にも慣れているのでもはや集中力も欠いているように見えました。
しかし、何より投手がよく踏ん張りました。
ブルージェイズのエリック・ラウラーが好投
ブルージェイズは12回裏1アウトからエリック・ラウラーが登板。4.2イニングでBBを4つ出しましたが、2ヒッターで凌ぎ、流れを渡しません。
LADもE・エンリケスとW・クラインが完璧な投球
ドジャースは12回表に2アウト満塁の大ピンチを迎えますが、ここを超ベテランのクレイトン・カーショウが登板し、ネイサン・ルークスを2Bゴロに仕留めてピンチを凌ぎました。
そして13回表からはポストシーズンに入って大荒れのエドガルド・エンリケスが登板。これが2.0イニングをハーフェクトに抑える好投を見せます。
さらに15回表からはウィル・クラインが登板。彼も良かったですね。4.0 イニングで2ヒッター、BB 2、SO 5です。この踏ん張りが効きました。
F・フリーマンがサヨナラHR
そして延長18回裏、ブルージェイズは17回裏から左腕のブレンドン・リトルが登板していました。ドジャースは先頭のフレディー・フリーマンが3-2カウントからの6球目をCFバックスクリーンに放り込むソロHRを放ち、ようやく決着。ドジャースが6-5とし、ワールドシリーズを2勝1敗とリードしました。
大谷選手はこの日、9打席回ってきました!そして翌日のGm4で先発です。さすがに体力が心配されますが、どうなるでしょうか??
お読みいただき、ありがとうございました。



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