TEX-WSH間のブロック・バスター・トレード
これは驚きました。
現地2026年1月22日、レンジャーズとナショナルズの間でこの冬一番とも言える規模のブロック・バスター・トレードが成立。
ナショナルズのマッケンジー・ゴアがレンジャーズに移籍することになりました。レンジャーズからナショナルズには2025年ドラフトの全体12位ピックの内野手、ギャビン・フィーンが移籍します。
トレード概要
まずこの強烈なトレードで動く面々をご紹介します。マッケンジー・ゴア一人に対して5人のプロスペクト達が動きます。
(レンジャーズGet)
- マッケンジー・ゴア(MacKenzie Gore/27歳)LHP
(ナショナルズGet)
- ギャビン・フィーン(Gavin Fien/19)SS | B/T: R/R
- アレハンドロ・ロザリオ(Alejandro Rosario/24) RHP
- アビメレク・オルティス(Abimelec Ortiz/24) 1B/OF | B/T: L/L
- デビン・フィッツジェラルド(Devin Fitz-Gerald/20) SS | B/T: Both/R
- イェレミー・カブレラ(Yeremy Cabrera/20) OF | B/T: L/L
注目度の高かったゴア
今オフの投手でトレード・ターゲットとして名前が上がっていたのがソニー・グレイ、シェーン・バズ、エドワード・カブレラ、フレディ・ペラルタら。ソニー・グレイはレッドソックスに、シェーン・バズはオリオールズへ、エドワード・カブレラはカブスへ、そしてこの日、フレディー・ペラルタもメッツに移籍することになりました。
そんな中、ローテーションとして注目されていたのが2024年、2025年と150.0イニング以上投げたナショナルズのエースであるマッケンジー・ゴアでした。マッケンジー・ゴアはMLSがちょうど4.000で、FAまであと2年コントロール下に置けたはずでした。
新フロントオフィスのWSH
しかし、ナショナルズは今季からフロントオフィスが一新。長年編成トップに君臨していたマイク・リッゾ(Mike Rizzo)が2025年7月に解任され、残りシーズンは暫定的にアシスタントGMのマイケル・デバルトロ(Michael DeBartolo)が編成トップを担いました。
オフになり、ナショナルズはレッドソックスでアシスタントGMを担っていたポール・トボーニ(Paul Toboni)を新POBOとして招聘し、GMにはフィリーズでアシスタントGMを務めていたアニ・キランビ(Ani Kilambi)を起用。
リビルド中のクラブは新たな方向性を模索する中で、ここ3年ほどナショナルズのマウンドの中心にいたマッケンジー・ゴアをトレードに出し、より実りのある将来へと舵を切ることに決めたようです。
ローテーション構築のTEX
実はTEXのチームERAはMLB NO.1
2025年、レンジャーズはチームERAがMLB最高の3.49を記録。このうち先発のERAは3.41で1位で、ブルペンのERAも3.62で5位につける好成績。2023年は猛打で投手力をカバーし、ワールドシリーズ王者になったのですが、2025年は投手陣が非常に高品質だったのです。
ただし、この投手成績でありながらチーム成績は81勝81敗。これは、ひとえに打撃陣の不振によるもので、そこにテコ入れすべく、今オフはチームリーダーでもあったマーカス・セミエンをメッツにトレードしてブランドン・ニモを獲得。ただ、捕手は強打でもあったジョナ・ハイムをノンテンダーとし、メインの捕手にはダニー・ジャンセンを入れたのですが、これで打撃がアップするかどうかはジョシュ・ヤングなど若い世代の活躍に期待するしかなく、オフェンスの強化が先では?との疑問が湧いてきてしまいます。
ところが、今オフのレンジャーズはアレクシス・ディアス、タイラー・アレクサンダー、クリス・マーティン、ジェイコブ・ジュニス、カーター・バウムラーらとすでにサインし、まずはブルペンを積極的に補強。ブルペンどんな高品質の実績があっても怪我人が出てきますから、ここを補強したのは賛同できます。
ローテーションは後回しでも良いのでは?とも思ったのですが、レンジャーズとしては単純に頭数不足と判断したようです。レンジャーズはジェイコブ・デグロム、ネイサン・イオバルディという二大巨頭が残っているものの、ともに30代後半で耐久性の面で不安があります。若手のジャック・ライターは2025年はようやく頭角を現したものの、まだ信頼できるローテーションとはなっておらず、もう1、2年はかかりそう。2025年にイニング・イートしたベテランのパトリック・コービンとタイラー・マーリーはFAで流出。
ということでNO.4、5が不安定であったことは確かで、レンジャーズとすればFAのローテーション投手を獲得するにはコストがかかりすぎるために消極的となり、となると調停ステータスの投手をトレードで獲得するという選択となり、その中でナショナルズのマッケンジー・ゴアに照準を合わせてトレードを成立させたのはいい判断ではあったとは思います。
野球は守りからという発想には賛同します。しかし、やはりオフェンスはどうする?という考えはつきまとってしまいます。
TEX:マッケンジー・ゴア
マッケンジー・ゴアは2017年ドラフトのパドレスの1巡目指名で全体順位は3位。
2022年のトレード・デッドラインでパドレスがナショナルズからフアン・ソトを獲得したディールでナショナルズに移籍。パドレスはソトを獲得した代わりにトップ・プロスペクトを放出したのでした。
マッケンジー・ゴアの2025年の成績は30試合、159.2イニングで5勝15敗、ERA 4.17。ナショナルズは2025年は苦戦しましたので、数字は悪いですが、環境が変わればもともとは力のある投手ですから化ける可能性は十二分にあります。にしてもレンジャーズは援護するオフェンスがないと・・・とは思うので、補強がないのなら、若手のバットが猛威を振るうしかありません。
ナショナルズに動く5名
レンジャーズからナショナルズに移籍する5名はまだトリプルAに達していないプロスペクトばかりです。エースを放出して2026年はどこまでやれるのか、ナショナルズも不安が多いですが、今回のトレードで移籍する面々を簡単にご紹介します。
- ギャビン・フィーン(Gavin Fien/19)SS | B/T: R/R
- アレハンドロ・ロザリオ(Alejandro Rosario/24) RHP
- アビメレク・オルティス(Abimelec Ortiz/24) 1B, OF | B/T: L/L
- デビン・フィッツジェラルド(Devin Fitz-Gerald/20) SS | B/T: Both/R
- イェレミー・カブレラ(Yeremy Cabrera/20) OF | B/T: L/L
WSH:ギャビン・フィーン/SS
このトレードでナショナルズが獲得した選手の中でもっともエリートなのがSSのギャビン・フィーン。2025年のレンジャーズの1巡目、全体12位の選手。高校卒でのドラフトでした。
7月のドラフト後、すぐにクラスAにアサインされたフィーンは10試合に出場して、.220/.267/.341をマーク。大いに期待される選手ですが、プロとしては2026年が本格的なフルシーズンとなり、まだまだメジャーに上がるにはほど遠いです。なおスカウトの間では2025年の高校生最高のバッターと評された選手です。
WSH:アレハンドロ・ロザリオ/RHP
右腕のアレハンドロ・ロザリオはマイアミ大学出身で、レンジャーズの2023年の5巡目指名の投手。2024年にクラスAとクラスA+で投げ、両レベルを合わせた成績は88.1イニングでERA 2.24、SO 129と素晴らしい投球を見せました。
しかし、同年8月に肘を故障し、シーズンエンド。2025年は投げておりません。彼は手術も受けていなかったのですが、ナショナルズ移籍後、ついに手術に踏み切るようです。ロザリオがマウンドに立つのは2027年で25歳のシーズンです。
(WSH)アビメレク・オルティス/1B, OF
2026年2月に24歳になるオルティスは、左投げ左打ちの1B兼OF。2025年はダブルAとトリプルAを行き来し、HR 25をマーク。レンジャーズは40manロースターに彼を追加し、ルール5ドラフトの対象から外しました。
WSH:デビン・フィッツジェラルド/SS
デビン・フィッツジェラルドは2024年のドラフト5巡目指名を受けた20歳の内野手。お父さんはフロリダ州の高校のコーチで、ローマン・アンソニー、ヘスス・ルザルドらを指導。
2025年はルーキー・リーグとシングルAで計41試合に出場し、.302/.428/.482をマーク。ハムストリングスを傷めたため、出場機会はそれほど得られませんでしたが、状況判断に優れ、つなぎの役割ができる選手との評です。
WSH:イェレミー・カブレラ/OF
イェレミー・カブレラは20歳のOFで、2025年はクラスAで43盗塁を記録しております。このスピードを活かす打撃力を身につけるのが鍵となります。
お読みいただき、ありがとうございました。


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