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【MLB契約2022】パドレスが”超激レアキャリア”のマット・スウィリーとマイナー契約

メジャー傘下での契約は2013年のルーキーリーグ以来

 ちょっとおもしろい選手の話題です。

 現地2022年1月23日、サンディエゴ・パドレスが右腕のマット・スウィリー(Matt Swilley )とマイナー契約を結びました。

 このマット・スウィリーですが、非常にレアなキャリアを持っています。メジャー傘下でのピッチングはなんと2013年以来となる投手。しかも、これはルーキー・リーグでのことです。果たしてパドレスがサインした右腕のキャリアがどういったものであったのか、ちょっと見てみましょう。

31才でメジャーを目指す

 マット・スウィリーは1990年12月19日生まれで、カリフォルニア州の出身の31才です。

 エル・カミノ高校(El Camino HS)卒業時の2009年にレイズから21巡目指名を受けてプロ入りしました。13年前の21巡目はもう誰もメジャーにはいませんし、誰もメジャーへは上がれませんでした。

 ちなみに2009年ドラフトの全体1位はナショナルズのスティーブン・ストラスバーグ。マット・スウィリーと同じカリフォルニア州の高校を出て、ストラスバーグはサンディエゴ州立大学へ進学し、全体1位でメジャーへ。なにか非常に対照的ですね。なお、年齢はストラスバーグの方が2つ上です。

2013年にルーキー・リーグでふるい落とされる

 晴れてプロ入りしたマット・スウィリーは、レイズのガルフ・コースト・リーグというルーキー・リーグのレベルで、ドラフト・イヤーの2009年にプロデビュー。9試合で10.2イニングを投げて、1勝1敗。

 プロ2年目の2010年も同じレベルで投げ、先発も含めて13試合、42.1イニングを投げ、2勝4敗でERAは6.17。3年目の2011年は同じルーキー・レベルのアパラチアン・リーグで11試合、22.2イニングで0勝2敗、ERA 3.57。4年目の2012年は登板はなし。

 そして5年目の2013年、ガルフ・コースト・リーグでは3試合で3.1イニングを投げるにとどまり、ERAは8.10を記録。これがメジャー傘下最後のシーズンとなっていました。

 つまり、22才でルーキー・リーグ・レベルでふるい落とされたのでした。

独立リーグへ 

 その後、2015年にアメリカン・アソシエーションというリーグ(独立リーグ)のジョップリン・ブラスターズ(Joplin Blasters)に加入。ここでは27試合、49.2イニングで1勝2敗、ERA 4.17とまあまあの結果を残しました。

 そして2015年の秋にはオーストラリアのアデレードでプレー。5試合で18.1イニングを投げてERAは4.91。

 2016年は再び、ジョップリン・ブラスターズに戻るも、登板はありませんでした。プロでの登板は、オーストラリアリーグを入れるなら、それが最後。実質的には独立リーグが最後です。

トミージョン手術へ

 マット・スウィリーは肩の故障がずっとつきまとっていたようで、最終的にはトミージョン手術を受けています。2016年の独立リーグの後のことかと思います。

 2017年いっぱいは当然、肘のケアをしていたと思われます。

 トミージョン手術をしたということはまだ野球への情熱を失っていなかったということですね。独立リーグの怪我のケアは手厚くはないでしょう。退団後に手術したのであれば、当然費用は個人負担です。収入面もかなり厳しい面があったのではないかと思います。ただ、2016年以降もなんとかやっていける目安はあったのかもしれませんね。

 そして、それが癒えてからはサンディエゴでピッチングを教えていたといいます。

 どうやらこのピッチング・レッスンを教えていた期間に大化けした模様。人に教えることで自分の投球のメカニックを見直せたのかもしれませんし、一緒にトレーニングもしていたのでしょうね。

 下の埋め込みは2020年1月時点のピッチングの模様です。

2021年に99mph!

 アメリカには独立リーグ以外にもいろいろな受け皿があって、そのうちの一つがパーム・スプリングス・カレジエイト・リーグ。これは日本語に訳すのは難しいですが、カレッジ、つまり大学のサマーリーグというところでしょうか。ただ、選手はマット・スウィリーのような大学生ではない人も参加できるオープンさを保っているようです。

 パーム・スプリングスはカリフォルニアの山の中。位置関係がわかるようにパーム・スプリングスからサンディエゴのペトコ・パークへのルートを示したのですが、ご覧のような位置づけ。カリフォルニアの南側でしかも山側という場所です。

 リーグは6月、7月の2ヶ月間、ゲームを行います。

 マット・スウィリーはこのうちのパームスプリングス・パワーに所属。2021年6月、30才となっていたスウィリーですが、ここでスカウト達を驚かせます。

 上のツイッターの動画が2020年1月時点で、その1年半後、常時97-99mphをマーク。メジャー・レベルのリリーバーで必要とされるベロシティーをマークしたのでした。このサマー・リーグでの登板が効いて、今回のマイナー契約に結びついたのでした。

 もしも順調に行けば、2022年のデビューもあり得るかもしれません。変化球とコントロール、そしてマウンド度胸も試されていくことになりそうです。

 この激レア・キャリアの右腕の動向に注目したいと思います。

 お読みいただき、ありがとうございました。

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